1. HOME
  2. ニュース
  3. アクセンチュア最新レポート――金融機関のリスク管理にスマートテクノロジー活用が進む一方で、テクノロジーの急速な進歩に対応するスキル獲得が大きな課題に

アクセンチュア最新レポート――金融機関のリスク管理にスマートテクノロジー活用が進む一方で、テクノロジーの急速な進歩に対応するスキル獲得が大きな課題に

アクセンチュア(NYSE:ACN)の最新調査によると、大手金融機関のリスク管理機能に、クラウド、バイオメトリクス、ビッグデータ分析といったスマートテクノロジーの活用が進む一方、金融機関の経営層の66%(日本では61%)は、これらテクノロジーの進展に伴い、スキル獲得が必要と考えていることが明らかになりました。

本調査は、世界の銀行、証券、保険会社における企業のリスク管理部門の経営層475名(日本では71名)を対象とした調査結果に基づいて作成されています。また、調査対象者の73%(日本では65%)は、データの速度・種別・流通量の増大がリスク管理機能の妨げになっていると回答しました。本調査によると、金融機関では情報量の増大と、それに伴う情報活用の機会を生かすためのスキル獲得が課題であると述べています。

アクセンチュア金融サービス本部でファイナンス&リスクサービスのシニア・マネジング・ディレクターを務めるスティーブン・R・カルプ(Steven R. Culp)は次のように述べています。「リスクの性質が多様化し、データの量と質が爆発的に増加するなか、リスク管理と新しいテクノロジーを橋渡しするスキルがこれまで以上に必要とされています。2008年の金融危機以降、世界は劇的に変化しました。これまで金融機関では人材の拡充によって、規制やコントロール面での問題に対処してきました。しかし今後は、データとテクノロジーの利活用が進むとともに、それに伴って従業員のスキルを強化することが必要です。これまでの経験やリスク管理に関する規律をテクノロジーによって代替えすることはできませんが、パターン認識や仮説検証にビッグデータ分析機能などのテクノロジーを最も効果的に組み込んだリスク管理チームこそが、競争優位性を発揮できるでしょう。」

将来のQRコード決済事業の展開イメージ

本調査によると、リスク管理部門の経営層の69%(日本では68%)は、新しいテクノロジーに関するスキル不足がリスク管理機能の有効性を妨げていると回答しています。また、期待される機能の実行に必要な社内人材について、リスク管理部門が有しているとの回答はわずか10%にとどまりました。

リスク管理に関するスキル不足は、2008年の金融危機以降、金融機関の課題となっています。アクセンチュアがこの「Risk Management Study(リスク管理調査)」を初めて実施した2009年には、リスク管理部門の経営層の32%が人材を大きな課題として挙げていました。その2年後の調査では、経営層の53%は人員の拡大を計画していると回答しています。なお、自社において、リスク管理に求められるデジタルテクノロジーのスキルを有していると感じている経営層の割合は、2015年では、41%でした。

新たなリスクに一歩先んじ続ける

2017年の調査によると、リスク管理機能へのスマートテクノロジー導入は、いまだ初期の段階にあります。リスク管理機能へのこれらのテクノロジー導入が「非常にうまく進んでいる」との回答は半数以下でした。

人材不足に対しては、外部の労働力を活用したチームの拡大や強化が一般的な手法となりつつあります。回答者の約半数は、テクノロジー導入、リスクレポート、リスク計測などの分野でのアウトソーシング活用は拡大するだろうと考えています。

この調査レポートでは、リスク管理を次の3つの側面から捉えています。

  1. 統合:リスク管理機能と他のビジネス機能との統合の進展
  2. テクノロジー:ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、人工知能(AI)、ビッグデータ、アナリティクス、機械学習などのスマートテクノロジー活用によるリスク管理業務の改善
  3. 人材:実務経験と新たなツールやテクノロジー活用に必要なスキルを組み合わせた、より幅広いリスク管理能力の獲得

本調査ではまた、組織全体とリスク管理機能の統合はまだ限定的であることも示唆されています。リスク管理業務が、さまざまなタイプのリスクと連動しているとの回答は24%にとどまっているほか、リスク管理業務が自社の各事業と連携しているとの回答も19%でした。一方で、リスク管理とファイナンスが強く一体化されているとの回答はわずか23%でした。

「アクセンチュアが初めてグローバルで調査を実施した2009年以降、リスク管理機能は大きな進歩を遂げてきました。ロボティック・プロセス・オートメーションや人工知能などのスマートテクノロジーは、徐々に導入が進みつつあるだけでなく、リスク分析を計画立案や意思決定に活用しているとの回答も増加しています。しかし、新たなリスクに一歩先んじ続けるには、業務オペレーション、ファイナンス、テクノロジーのいずれの分野においても、リスク管理機能の継続的な進化が必要であり、適切なリスク管理能力を導入できる企業だけが成長できるだろう。」とカルプは述べています。

Accenture 2017 Global Risk Studyについて

Accenture 2017 Global Risk Management Study(アクセンチュア 2017 グローバルリスク管理調査)」は、2009年に初めて実施して以来、今回で5回目になります。本調査は2017年1月から2月にかけて、Longitude Research社がアクセンチュアに代わり、世界の銀行、証券、保険会社における企業のリスク管理部門の経営層475名対象に電話インタビュー(CATI)を実施しました。

アクセンチュアについて

アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供するおよそ42万5,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。

アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。

詳しくはアクセンチュア最新レポート――金融機関のリスク管理にスマートテクノロジー活用が進む一方で、テクノロジーの急速な進歩に対応するスキル獲得が大きな課題に

新着の記事
「お得・便利・悩み解決」の3要素を押さえ ニッチなニーズを掘り起こす

サブスクリプション(以降、サブスク)とは、もともと雑誌や新聞の定期購読を指す言葉だったが、最近はモノやサービス、ソフトウェアやデジタルコンテンツなどを毎月一定額や従量で支払う契約全般を、サブスクリプションサービス/サブスクリプションビジネス(以降、サブスクビジネス)と呼ぶようになった。多様な業種が注目するサブスクビジネスのポイントや今後の展望について関係者に聞いた。

データサイエンティストの技術指標となるKaggle(カグル)とは~Kaggleを活用した新たなビジネス創出

ビッグデータ利活用の環境が整備されつつある中、その担い手となるデータサイエンティストが世界的に注目されて久しい。今や各国の政府が将来の国力を左右する材料として重視し、専門人材の育成に本腰を入れ始めた。データサイエンス人材に関する産官学の動きや、世界最高峰のデータサイエンティストが数多登録するプラットフォーム「Kaggle」などを関係者に聞いた。本稿では、データサイエンティストの技術力指標の一つとして使われている「Kaggle(カグル)」について焦点を当てKaggleの概要から活用事例を紹介しデータサイエンティストチームとの連携ポイントについて解説する。

RPAを最大限活用するための3つのポイントと副次的作用

RPAがコスト削減や業務効率化、或いは働き方改革の救世主として注目されて3年余り。多くの金融機関でも導入が進んだが、当初期待していた効果を得られなかったケースも多いのではないだろうか、今回「RPAブームから見る活用ポイントと次なる活用法」と題した全2回の特集をお届けする。第一回目では、この3年余りのRPAについて総括するともにRPAを最大限活用するためのポイントを大きく3つに分け解説する。

JPXによるTOCOM買収と「総合取引所」構想の行方

2019年7月30日、JPX(日本取引所グループ)とTOCOM(東京商品取引所)は、JPXがTOCOM株を総額約55億円で買収することで最終合意した。2020年7月には金や農産物をTOCOMからJPX傘下の大阪取引所に移管し、正式に「総合取引所」を発足させる予定だ。そもそも総合取引所構想の狙いはどこにあるのか、将来的に投資家にはどのようなメリットがあるのか、有識者に話を聞いた。

注目のセミナー すべて表示する