1. HOME
  2. ニュース
  3. アクセンチュア、シンガポール金融管理局およびシンガポール銀行協会、決済システムへのブロックチェーン技術適用による機能強化の可能性を検証

アクセンチュア、シンガポール金融管理局およびシンガポール銀行協会、決済システムへのブロックチェーン技術適用による機能強化の可能性を検証

中央銀行と金融機関における、分散型台帳テクノロジーを活用した資金決済システム構築の可能性と意義が明らかに

アクセンチュア(NYSE: ACN)、シンガポール金融管理局(MAS)およびシンガポール銀行協会(ABS)は、世界中で行われている日量数兆ドルにもおよぶ銀行間資金決済や資金流動性確保の基盤である資金決済システムについて、ブロックチェーン技術の適用、ならびに技術適用による抜本的な機能強化の可能性を検証しました。詳細は、レポート「PROJECT UBIN PHASE 2」をご覧ください。

本プロジェクトで得られた成果は、大手金融機関11行と共に実施した、3つの主要なブロックチェーン技術プラットフォームを用いた、プロトタイプ開発による検証に基づいたものです。今回の検証では、即時グロス決済(RTGS)の実現に必要となる、グリッドロック解消や所要流動性の節約について、分散型システムにおいても機能することを確認しました。即時グロス決済とは、即時性が求められる、銀行間の膨大な資金決済や証券決済のことです。ブロックチェーンを用いることで、こうした取引に対して、よりプライバシーを確保した形でシステムを構築できることが確認できました。これは非常に画期的なことであり、世界初の試みだと考えられます。

さらに、ブロックチェーン技術に基づくシステムでは、単一障害点の排除、暗号化によるセキュリティ確保、不変性、リアルタイム処理によりシステムのレジリエンスを向上させ、銀行間の決済リスクの軽減にも寄与します。

Project Ubin(※): フェーズ2 の成果

本レポートは、アクセンチュアが管理・推進したProject Ubinのフェーズ2での結果を基に作成されています。13週にわたるこのプロジェクトは、MASとABS主導のもと、11行の金融機関が参加して行われ、銀行間取引におけるプライバシーを確保しつつ、流動性節約機能の分散型システムによる実現可能性の検証など、特定のRTGS機能に対するブロックチェーン技術の活用可能性を模索する目的で実施されました。

アクセンチュアは、シンガポールにあるAccenture Liquid Studio(リキッドスタジオ)におけるブロックチェーンの知見を生かし、「Corda」、「Hyperledger Fabric」、「Quorum」の3つの異なるブロックチェーンプラットフォームにおいて3種類のプロトタイプを開発しました。これらのプロトタイプ開発において、技術やソリューション設計の工夫により、資金移動や待ち行列機能、グリッドロック解消といった主要なRTGS機能が実現可能であることを確認しました。

また、RTGSシステムにブロックチェーン技術に適用することにより、日々の業務運用にかかるコストやリソースを削減できるとともに、中央銀行が単一障害点としてシステミックリスクを引き起こすリスクを抑制できる可能性も示しています。

アクセンチュアでASEANの金融サービス部門のマネジング・ディレクターを務めるディヴィエシュ・ヴィスラニ(Divyesh Vithlani)は次のように述べています。「Project Ubinのフェーズ2では、RTGS機能がプライバシーを確保しつつ、分散型システムとして運用可能であることを証明しただけにとどまりません。シンガポールにおいて業界全体で連携して成し遂げた成功事例として、今後、金融イノベーションを促進する礎となるものと考えられます。」

アクセンチュアのグローバル・ブロックチェーン専門チームでマネジング・ディレクターを務めるデイヴィッド・トリート(David Treat)は次のように述べています。「MASとABSによるこの革新的な取り組みは、資金決済の分野でブロックチェーンが大きな価値を生み出すことを示唆しています。今後のフェーズにおいて、業界にもたらされるであろうイノベーションや資金決済分野以外も含めた金融取引、クロスボーダー取引にブロックチェーンがもたらす可能性の大きさを明らかにできたことに、大変な喜びを感じています。」

本プレスリリースは、2017年11月14日(現地時間)にアクセンチュアのロンドンより発表した内容を日本語に翻訳したものです。原文のプレスリリースは、以下のURLよりご覧いただけます。(英文)https://newsroom.accenture.com/news/new-report-by-accenture-mas-and-abs-shows-how-blockchain-technology-could-improve-central-bank-payment-systems.htm

Project Ubinは、清算・決済向けの分散型台帳技術(DLT)プラットフォームの活用用途を探る、金融業界における共同プロジェクトです。詳しくは、以下のURLよりご覧いただけます。(英文)http://www.mas.gov.sg/Singapore-Financial-Centre/Smart-Financial-Centre/Project-Ubin.aspx

アクセンチュアについて

アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供する43万5,000人以上の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。

詳しくはアクセンチュア、シンガポール金融管理局およびシンガポール銀行協会、決済システムへのブロックチェーン技術適用による機能強化の可能性を検証

新着の記事
金融行政のこれまでの実践と今後の方針~金融実務における主なポイント【後編】

金融庁が公表した「変革期における金融サービスの向上にむけて~金融行政のこれまでの実践と今後の方針~(平成30事務年度)」。前編では、全体の構成と、平成30事務年度における金融行政の重点施策のうち「デジタライゼーションの加速的な進展への対応」、「家計の安定的な資産形成の推進」、「活力ある資本市場の実現と市場の公正性・透明性の確保」に関する金融実務上のポイントを解説した。本稿、後編ではその他の重点施策について、実務上重要なポイントを解説していく。

Kyash鷹取真一氏が描くキャッシュレス社会の姿とKyashにおける今後の展開

平成30年4月経済産業省は、日本のキャッシュレス社会を推進すべく「キャッシュレス・ビジョン」を公表した。また昨今、異業種の大企業が決済分野に参入するなどプレイヤーが乱立し、キャッシュレス社会に向けた動きが激化している。本稿では、2015年1月に創業しこれまでに総額10憶円を超える資金調達を行い、ウォレットアプリを提供している株式会社Kyash CEOの鷹取真一氏に同氏が描くキャッシュレス社会の姿とKyashにおける今後の展開についてインタビューを実施した。

急増する事業承継におけるM&A~金融機関担当者が押さえておくべき留意点を解説

中小企業における後継者難が顕在化するなか、事業承継を成功させるための有効な手段として、M&Aが考えられている。近年金融機関では、事業承継M&Aの支援を行う部署を新設するなど取組みを強化している。これまでM&Aのアドバイスをあまり行っていない地方金融機関等にとって、M&Aに対する理解・ノウハウを蓄積することは重要だが、事業承継M&Aにおける特有の留意点が存在する。本稿では、事業承継M&Aをサポートするうえで直面する機会が多い点について概観する。

金融行政のこれまでの実践と今後の方針~金融実務における主なポイント【前編】

金融庁は、過去の取組みや現状の課題と、金融行政の方針との関係性をより明確化し、PDCAサイクルに基づく業務運営を強化することを目的に、これまで公表してきた「金融レポート」と「金融行政方針」を一体化させ、平成30年9月26日に「変革期における金融サービスの向上にむけて~金融行政のこれまでの実践と今後の方針~(平成30事務年度)」公表した。本稿では、金融実務に関わるポイントを解説していく。