マイナ保険証のメリット・デメリットを紹介!代わりの資格確認書って?


本記事ではマイナ保険証について詳しく解説します。 マイナ保険証は、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した新しい仕組みで、医療機関での手続きがよりスムーズになることを目指しています。 2024年12月2日から現行の健康保険証は新規発行されないため、代わりの資格確認書についても説明し、どのような場面で健康保険証の代替手段として利用できるのかを紹介します。


目次

マイナ保険証とは?

マイナ保険証とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする仕組みです。
日本政府が進めるデジタル化戦略の一環として導入され、医療機関や薬局での手続きをより効率的にすることを目的としています。
従来、健康保険証は紙やプラスチックのカードとして提供され、それぞれの医療機関や薬局で提示する必要がありました。
しかし、マイナ保険証を利用することで、マイナンバーカードを一枚提示するだけで保険証の機能も果たすことができるようになります。
マイナ保険証の仕組みを活用することで、健康保険証の紛失や更新手続きの煩雑さを軽減し、医療現場での手続きがスムーズになることが期待されています。また、マイナ保険証はオンラインで資格確認ができるため、保険情報の最新状態をリアルタイムで確認できます。
このように、マイナ保険証は、医療の現場での利便性向上を目指した取り組みの一環であり、国民生活におけるデジタル化の重要なステップとされています。

<マイナンバーカードと健康保険証の違い>

マイナンバーカードと健康保険証は、どちらも国民の生活に必要な重要なカードですが、それぞれ異なる役割と特徴を持っています。

スクロールできます
項目マイナンバーカード健康保険証
主な目的個人番号の証明、行政手続きの簡略化、税情報の管理、本人確認医療機関での診察・治療のための資格証明
機能ICチップ内蔵、本人確認、電子証明書、顔写真付き顔写真なし、医療機関での利用に限定
運用システム 全国共通のシステム各健康保険組合や国民健康保険団体が発行、デザインや情報形式が異なる場合あり
最近の動向マイナンバーカードを健康保険証としても利用できる「マイナ保険証」制度が導入(選択制)

2024年7月最新:マイナ保険証の普及率

マイナ保険証の普及率は、政府が進めるデジタル化施策の一環として、国民の間で徐々に浸透しています。
厚生労働省は、2024年7月のマイナ保険証の利用状況を公表しました。7月のマイナ保険証の利用件数は2281万件で6月(1874万件)より407万件増加しました。利用率は11.13%にとどまり、残りの88.87%が保険証を選択しています。

参照:全国保険医団体連合会「7月のマイナ保険証利用率は11.13% 88.87%が保険証を選択」

マイナ保険証のメリット

マイナ保険証のメリットを大きく3点、ご紹介します。

病院や薬局での手続きが迅速に!待ち時間の短縮でちょっとしたストレスを軽減

これまで、受付での保険証確認や個人情報の入力には時間がかかっていましたが、マイナ保険証を利用することで、手続きがよりスムーズに進むようになりました。
具体的には、マイナ保険証を提示するだけで、システムが自動的に必要な情報を読み取るため、受付担当者が手動で情報を入力する手間が省けます。患者は長い時間待たされることなく、速やかに診療を受けることができます。

薬局においても、マイナ保険証の利用により、処方箋の確認や薬の受け渡しが効率的に行われます。従来は薬剤師が手作業で情報を確認していましたが、マイナ保険証を使用することで、デジタル化された情報が即座にシステムに反映されるため、対応が迅速に行われるようになりました。患者は必要な薬を早く受け取ることができ、待ち時間が短縮されます。

引っ越しや就職後も簡単手続き!

引っ越しや就職などのライフイベント後における手続きがとても簡単になります。
従来の紙やプラスチックの保険証では、住所変更や新しい職場での保険情報の更新に際し、手間のかかる手続きを何度も行う必要がありました。しかし、マイナ保険証を利用すれば、オンラインでの情報更新が可能となり、煩雑な手続きを大幅に簡略化できます。特に引っ越しが多い若い世代や、転職を考えている方にとっては、大きな時間と労力の節約につながるでしょう。

データに基づいて、より良い医療が受けられるように!

従来の健康保険証では、異なる病院や薬局で診療を受けるたびに、その都度異なる医療記録が作成され、患者の全体的な健康状態を把握するのが難しい状況がありました。しかし、マイナ保険証を利用することで、患者の医療履歴や投薬情報が安全にデジタルで一元管理され、医療機関間での共有が可能になります。そのため、医師はより正確な診断を行い、それに基づいた治療計画を立てることができるため、患者にとってより最適な治療の提案できるようになります。マイナ保険証はデジタル技術を活用して医療の質を向上させる重要なツールとなっています。

<薬局での利用方法>

マイナ保険証を薬局で利用する際には、
受付でマイナンバーカードを提示するだけで、迅速に保険情報が確認されます。マイナ保険証を利用することで、薬局側も患者の保険情報をオンラインで即時確認できるため、処方箋の処理がスムーズに進みます。

多くの薬局は、マイナ保険証に対応した端末を導入しており、カードを読み取ることで、必要な情報がデジタルで管理されているため、薬歴管理も効率化され、継続的な医療サービスの提供が可能になります。

マイナ保険証の利用は、利用者の利便性を向上させるだけでなく、薬局側の業務効率化にも寄与します。医療現場全体のデジタル化が促進され、今後さらなるサービス向上が期待されます。薬局を利用する際には、事前にマイナ保険証への対応状況を確認し、スムーズな手続きを心がけましょう。

マイナ保険証のデメリット

セキュリティと個人情報の懸念

マイナ保険証を利用する際に懸念されるのは、セキュリティと個人情報の保護です。
マイナンバーカードには個人情報が多く含まれており、紛失や盗難に遭った場合、不正利用のリスクがあります。特に、マイナ保険証として使用する場合、医療情報も含まれるため、プライバシーの侵害が懸念されます。また、オンラインでの情報管理が主流になる中、サイバー攻撃による情報漏洩のリスクも増大しています。デジタル情報の管理はシステムの脆弱性に依存しており、適切なセキュリティ対策が講じられていないと、情報が外部に漏れる可能性が高まります。
政府や医療機関が提供するセキュリティ対策についても、常に最新の状態を保ち続ける必要がありますが、制度の導入初期にはその整備が十分でないことも考えられます。利用者自身も、情報漏洩を防ぐために、カードの取扱いに注意を払い、定期的に情報管理状況を確認するなどの対策が求められます。

マイナ保険証に対応していない医療機関がある

マイナ保険証は、マイナンバーカードを健康保険証としても利用できるようにした便利なシステムですが、現時点で全ての医療機関が対応しているわけではありません。このため、マイナ保険証を持っていても、対応していない医療機関を受診する際には従来の健康保険証が必要になることがあります。
対応していない医療機関として、システム導入コスト・運用面での負担などで対応ができていない小規模なクリニックや地域の診療所など挙げられます。そのほかにも、地域差による対応状況の違いから、地方では対応が遅れているケースも見受けられます。
医療機関側も今後の制度改正や技術の進展により、体制整備を進めていくことが期待されますが、現状では患者自身が情報を把握し、必要に応じて従来の健康保険証を携帯することが求められます。

代わりの資格確認書とは?

健康保険証の代替手段

2024年12月2日以降、従来の健康保険証の新規発行が廃止され、健康保険証の代替手段として利用できるのが、資格確認書です。
資格確認書は、健康保険証を紛失または、有効期限が切れて、更新が間に合わない場合や、マイナンバーカードを保険証として利用するマイナ保険証の登録がまだ完了していない場合に、医療機関での保険適用を受けるために利用されます。
資格確認書は、マイナンバーカードを持っていない人や、何らかの理由でマイナ保険証に切り替えられない人でも、医療機関で保険診療を受けることが可能です。ただし、あくまで一時的な手段であり、長期的にはマイナ保険証の移行が必要となります。
また、資格確認書の利用には、発行期間や適用範囲に制限がある場合があるため、事前に確認しなければなりません。


資格確認書の取得方法

1. 会社員や公務員の方の場合:勤務先で発行手続き

会社員や公務員の方であれば、加入している健康保険は「協会けんぽ」または「健康保険組合」になります。この場合、資格確認書の発行は勤務先の人事部や総務部などの担当部署を通して行います。

必要書類や発行までの期間は勤務先によって異なるため、担当部署に確認しましょう。
通常、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)の提示が必要になります。


2. 公的機関の窓口で発行する場合:必要なものを持参

国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している方は、住民票がある市区町村の役所や役場の窓口で資格確認書の発行手続きを行います。

窓口に行く前に、必要な持ち物と受付時間を市区町村のホームページで確認しましょう。
一般的に、本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)と印鑑が必要になります。
代理人が手続きを行う場合は、委任状と代理人の本人確認書類も必要です。

マイナンバーカードの取得方法

  1. 住民票のある市区町村役場で申請書を入手する。
  2. 申請書に氏名、住所、生年月日などの基本情報を記入し、顔写真を添付する。写真は最近6ヶ月以内に撮影されたものを使用する。
  3. 申請書を役場に提出する。提出方法は窓口への持参、郵送、またはオンライン申請のいずれかを選択。
  4. カード発行まで数週間から数ヶ月かかる場合があるため、早めに申請する。
  5. 発行完了後、市区町村役場から受取通知を受け取る。
  6. 通知を受け取ったら、本人確認書類を持参して役場へ行き、マイナンバーカードを受け取る。
    ※受取時には運転免許証やパスポートなどの公的な身分証明書が必要です。

マイナンバーカードを取得することで、様々な行政手続きが簡略化され、オンライン上でのサービス利用が可能になるため、利便性が大幅に向上します。日常生活の多くの場面で役立つため、一度申請しておくことをお勧めします。

まとめ・マイナ保険証について

マイナ保険証について、ご紹介してきましたが、まだまだ医療機関側の体制整備に対する課題や、利用者側への不便さはあるものの、マイナ保険証が普及し、国の制度と医療機関の体制整備が整えば、利用者側がマイナンバーによる恩恵を受けることは期待ができ、利便性が増してくることでしょう。
マイナ保険証以外にも、2025年3月には、運転免許証とマイナンバーカードの機能を一体化した「マイナ免許証」の運用を開始すると警察庁から方針も出されており、これからもマイナンバーカードの活用が推進されていきます。
日常生活にマイナンバーカードは欠かせないものになる日も遠くないかもしれません。
ぜひ本記事をきっかけに、マイナ保険証ならびに、マイナカードの利用を進めてみてはいかがでしょうか。

寄稿
株式会社セミナーインフォ
The Finance編集部
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