電話スキーム×デジタル化に活路がある

本来私たちが行っていくべきDX化とは、部分的な業務や課題を「何かしらのデジタルツールや仕組み」により置き換えていく、という発想ではなく、すでに完成しているスキームをDX化により仕組みとして切り替える、ということだ。最近では、店舗接客に変わる新たな手法としてコンタクトセンターの設立、DX化を進めている企業が多い。

DX化に電話スキームを、というと「えっ」と思われる人も多いが、なぜなら、電話は誰でも使えるからだ。これまであったスキームを中心に改革を行うことで、すべての顧客に通じる施策を実行できる。また下記の様な点も後押しになっていると想像できる。

  • 金融機関では余剰人員の課題が大きい。店舗縮小したときの人員の有効活用が必要
  • 一方で全国でみたときにアプローチしきれていない顧客は多くいる
  • コストをさげつつ、誰にでもアプローチできる接客方法が必要
  • 現在のインフラを毀損せず、すべての顧客へ活用でき、いまの延長線上で対応できる
  • 大きなコストをかげずにすぐに実行できる施策

こういった点から電話を中心とした組織体制、DX×コンタクトセンター改革に乗り出す企業が増えている。

ただ金融商材への煩雑さや、顧客との関係性構築の観点から、電話だけでの接客には限界がある。そこで、オンライン商談×コンタクトセンターというスキームがこれまであった店舗や対面営業自体の新しい仕組みとして、リプレイスされはじめている。

3月11日に、コールセンター業界のパイオニアであるベルシステム24社と、オンライン営業システムを提供するベルフェイス社が業務提携を行い、金融業界向けにオンライン窓口の創出を発表した。

音声だけでは難しかった煩雑な手続きの効率化をテーマに、今後、対面型からオンラインによる非対面型へあらゆる業界の窓口業務を移行する取り組みである。

このように業界の特性に合わせ、既存のノウハウを活かしつつ、顧客を置いてきぼりにしないDXが徐々に進み始めている。

最後に

金融業界がコロナ禍を通して変化しなければいけないマーケットの1つであるものの、複合的な課題があり、DX化への難易度は高い。しかし、真に顧客が求めるDX化を考え抜き、築き上げてきたスキームやノウハウを活かしたDX化こそが、顧客離れを防ぐことにつながるだろう。

寄稿
ベルフェイス株式会社
アライアンス本部長
清水 貴裕 氏(しみず たかひろ)
ベンチャーから東証一部上場グループと横断して、0→1の立ち上げを中心に新規事業責任者を歴任し、100社以上の営業支援や仕組み化に携わり、スピンアウトも経験。ベンチャー企業の取締役も歴任し、3年で売上5倍、社員数100名規模にまで育てた。数十社の営業コンサルテイングを行ってきた経験を活かし、2019年に同社入社後、事業企画室長、エンタープライズ営業本部長を歴任し、現在ではアライアンス本部長として事業提携・パートナー展開の総責任者として活躍。