日本国内のBaaSの事例

住信SBIネット銀行「NEOBANK」

「NEOBANK」は住信SBIネット銀行が提供している銀行機能です。「銀行をインストールする。世界をアップデートする。」をコンセプトに、パートナー企業の課題解決や顧客ロイヤルティの向上に努めています。
「NEOBANK」は2016年3月に邦銀で初めてAPIを公開し、QR決済や積立・送金などの用途で利用が広がっています。提携している企業は日本航空、ヤマダ電機、高島屋など日本を代表する企業です。日本航空とは海外でも安心して決済ができるように、多通貨プリペイドカード「JAL Global WALLET」を開発。高島屋とは顧客の買い物と連携した決済手段の提供など、提携企業のサービスに銀行機能を提供しています。

新生銀行グループ「BANKIT」

「BANKIT」は新生銀行グループが提供しているWalletサービスです。
「BANKIT」にはウォレット、チャージなどの機能を基本に、コード決済やATM出入金などの決済サービス、分割後払いなどの与信サービスなどが用意されています。「BANKIT」の最大の魅力はカフェテリア方式で機能を選べるという点です。定型企業は自社に必要な機能だけを選べるため、自社の事業内容にマッチした機能を取り入れられます。また自社アプリを持っていなくても、新生銀行グループで開発したアプリをホワイトラベル方式で利用することが可能なため、新規で自社アプリを開発する必要もありません。
「BANKIT」の機能は今後も順次追加される予定で、資産運用や保険、レンディングなどが提供される予定です。

みんなの銀行「Minna no BaaS」

みんなの銀行「Minna no BaaS」はふくおかフィナンシャルグループが提供しているBaaSサービスです。「Minna no BaaS」はAPIを通じて、預金、与信、決済などの金融サービスを提供しています。
「Minna no BaaS」の事例として挙げられるのが、画像共有サイト「pixiv」と提携して開設された「ピクシブ支店」です。ピクシブ支店は、pixivユーザーがpixivサービス内に銀行口座を持つことで、売上金の振込先の利用や通常の銀行口座として利用することで、利便性の向上を図る狙いがあります。
また「ピクシブ支店」と同様にパーソルテンプスタッフ株式会社との間では、「テンプスタッフ支店」を開設し、シームレスな金融サービスの利用を実現しています。結果としてみんなの銀行は、2021年5月のサービス開始にも関わらず、既に20万以上の口座獲得に成功しています。

BaaSを活用した有名サービスの事例

Apple

AppleはEmbedded Financeとして、クレジットカード「Apple Card」の利用拡大を成功させています。Appleが行った「Apple Card」の事例については、以下の記事を参考にしてください。

参考:Embedded Financeの事例分析と今後の展望

Appleは他にも「Apple Pay Cash」の活用でBaaSを利用しています。Appleが利用しているBaaSは、カリフォルニア州パサデナに本拠とする「Green Dot Bank」のBaaSです。
「Green Dot Bank」の金融機能を「Apple Pay Cash」の機能に組み込むことで、メッセージ機能を利用した送金や請求、ウォレット機能を利用したお金の管理などが行えます。

Walmart

Walmartでも「Green Dot Bank」のBaaSを活用して、「Walmart Money Card」を提供しています。カードの発行はもちろんのこと、キャッシュバックサービスや家計簿サービスなどの利用が可能です。
「Walmart Money Card」はVisaのプリペイドカードですが、決済手段は「Green Dot Bank」のインフラを採用しています。そのためコストを抑えた金融機能の提供が可能になっています。

Uber

Uberは所属しているドライバーの報酬受け取りの利便性を高めるために、「Green Dot Bank」のデビットカード「Uber Debit Card」を開発。ドライバーは「Uber Debit Card」を活用することで、報酬の即日受け取りが可能な「Instant Pay」を利用できるようになりました。
Uberの報酬受け取りは、従来であれば1週間待たなければいけませんでした。しかし「Instant Pay」を活用することで、即日受け取りや1日5回までの引き出しが可能になるなど、利便性が高まりました。
報酬受け取りの利便性を高めたことで、ドライバーの登録や利用者は数ヶ月で8万を超えたとされています。

まとめ

デジタル化の波が押し寄せている現代において、BaaSを活用した未来は、より一般的なものとなっていくと予想されます。今後は金融機関と事業会社がBaaSを相互運用し活用の幅が広がることで、新たなイノベーションの創出や価値創造も期待できるでしょう。