Embedded Financeの事例分析と今後の展望

Embedded Financeの事例分析と今後の展望

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Embedded Finance(エンベデッド・ファイナンス)は2020年ごろから広く使われるようになった。金融事業者と非金融業者が協力して実現するサービスであり、Fintechの最新形態である。国内の金融機関でも取り組みが始められている。本稿では、Embedded Financeの概要を解説し、海外事例を紹介するとともにSME向けEmbedded Financeの可能性について考察する。

  1. Embedded Finance(エンベデッド・ファイナンス) とは
  2. 海外の成功事例
  3. SME向けEmbedded Finance

Embedded Finance (エンベデッド・ファイナンス) とは

Embedded Finance(エンベデッド・ファイナンス)という語は2020年ごろから広く使われるようになった。金融事業者と非金融業者が協力して実現するサービスであり、Fintechの最新形態だ。非金融事業者のサービスのなかに金融サービスを組み込む(embedする)ことで、エンドユーザーが日常的に利用する非金融サービスを金融サービスチャネルへと変貌させる。エンドユーザーは、わざわざ金融事業者の用意したチャネルへ出向かなくとも、自然な導線で金融サービスを利用できるようになる。非金融事業者にとってはサービス利用の活性化、金融事業者は非金融事業者経由でのユーザー獲得という利益を享受することができる。まさにWin-Win-Winである。

Embedded Financeの実現にはオープンAPIが不可欠だ。APIとはアプリケーション・プログラミング・インターフェイスの略で、複数のコンピュータープログラムを一体的に実行させるための連携手段。そして異なる企業間でのプログラム連携を実現するものを特にオープンAPIと呼ぶ。非金融事業者は、金融事業者が用意したオープンAPIを活用することで、Embedded Finance型のサービスを実現する。API型の金融サービス提供モデルのうち、銀行やノンバンク決済事業者がAPI経由で口座サービスを提供する場合は、これをBanking-as-a-Service(BaaS)とも呼ぶことがある。