金融+αが問われる時代に

日本の金融業界においてもコロナ禍を背景に、非対面チャネルの充実が大きな課題となっている。実はコロナ禍以前から日本の金融機関でも、著名なデジタルコンテンツ制作集団であるチームラボが作成した「りそなグループアプリ」のように、グッドデザイン大賞を受賞するケースも出てきており、着実に意識が高まりつつあったが、コロナ禍において、非対面チャネルの重要性は決定的となったのではないか。

今後については単なる見た目の新規性やスマートさに加え、海外事例にあるようにユーザーになんらかのインパクトを感じさせるようなUX/UIへの着意が問われることとなろう。非対面チャネルの戦略的な利用においては、ただインターネット上のサービスを提供するだけではなく、UX/UI、すなわち、ユーザーへの付加価値・無形価値を提供することが必須となる。

金融サービスの非対面化の成否は、金融サービスだけではない+αが求められるのは明らかだ。一方、日本の非対面金融サービスは、ややこの点への配慮が欠けているように思われる。海外事例などをふまえた、大胆な発想の転換を期待したい。

本稿中、意見に係る部分は筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を示すものではない。

寄稿
SBI金融経済研究所
事務局次長
村松 健 氏
1996年、慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、株式会社日本興業銀行(現みずほ銀行)入行し、2021年11月より現職。著書に『銀行実務詳説 証券』、『NISAではじめる「負けない投資」の教科書』、『中国債券取引の実務』(全て共著)、論文寄稿多数。日本財務管理学会所属。