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オンライン型ファクタリング中小事業者向けが台頭

近年、中小事業者向けにオンライン上で債権買い取りサービス提供を行う事例が増えている。オンライン型ファクタリングの特長は、AI(人工知能)などのテクノロジーを活用することで、小規模法人・個人事業主が保有する1,000万円以下の少額債権をカバーできるという点である。本稿では、国内初のオンライン完結型サービスの提供を開始したOLTAの武田氏がオンライン型ファクタリング概況について解説する。

オンライン型ファクタリング中小事業者向けが台頭
  1. 技術活用で少額債権をカバー
  2. 銀行はFinTech企業と提携
  3. 事業者の「市場育成」の動き

技術活用で少額債権をカバー

債権の流動化を目的としたファクタリングは以前から存在していたが、近年、中小事業者向けにオンライン上で債権買い取りサービス提供を行う事例が増えている。対面・オフラインの手続きを前提とする従来のファクタリングでは、費用対効果の観点から中堅企業以上が保有する億円規模以上の債権がその主たる対象だった。

オンライン型ファクタリングの特長は、AI(人工知能)などのテクノロジーを活用することで、小規模法人・個人事業主が保有する1,000万円以下の少額債権をカバーできるという点だ。米国では、日本に先駆け2012年ごろから同種のサービスが登場。代表格はBlue VineやFund boxなどのFinTech企業だ。欧州・アジアの各国でもそれぞれの商習慣に合わせ、様々なサービスが台頭している。

国内でも、2017年に筆者が副社長を務めるOLTAが国内初のオンライン完結型サービスの提供を開始したのを皮切りに、マネーフォワードグループのMFKESSAI、GMOペイメントゲートウェイ、フリーナンス、ヤップなどFinTech各社がサービスを提供している。

フリーナンスとヤップは、ともに個人事業主の資金繰りを支援するファクタリングを提供しているが、前者は保険などのサービスメニューで幅広くニーズに対応する。また後者は2020年7月に1.3億円の資金調達を行うなど今後の成長が期待される。

銀行はFinTech企業と提携

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、社会全体がDX(デジタルトランスフォーメーション)やオンライン化に向け急速に変化していくだろう。金融機関においても、こうしたDXやオンラインサービスへの移行が社会的に求められていくことが予想される。

筆者は特に、以下の3点がポイントになると考えている。

  • 短期・少額の運転資金ニーズ対応
  • 書類・印鑑文化からの脱却
  • 感染症拡大リスクの抑制

金融機関が、オンライン型ファクタリングを法人顧客向けの商品ラインアップに加えることで、小規模法人・個人事業主の運転資金ニーズに機動的に対応することが可能となる。書類や押印を伴わず、契約もオンライン完結であるサービスによって感染リスクも抑制できる。行員や顧客の感染リスクを抑制しながら、中小企業の資金調達支援ができるというわけだ。

実際、FinTech企業と提携する形でオンライン型ファクタリング事業に参入する金融機関の事例も増えている。OLTAでは、新生銀行、群馬銀行、十六銀行と国内初となるオンライン型ファクタリングの共同事業を提供しているほか、山陰合同銀行と実証実験を行うなど金融機関との提携が進んでいる。

またMFKESSAIも、福岡銀行と共同事業に向けた実証実験を始めたほか、広島銀行、静岡銀行とビジネスマッチング契約を締結するなど同じく金融機関との提携に積極的だ。

事業者の「市場育成」の動き

新しいカテゴリであるがゆえに、健全な市場形成に向け業界が一丸となって取り組んでいくことも必要だろう。2020年7月15日には、オンライン型ファクタリングを提供するFinTech各社が共同で「安心してご利用いただくための取り組み」を策定するなど、黎明期にある市場を支える企業の「市場育成」の意識も高い。

Fintech協会としては、FinTech企業はもとより金融機関も含めた会員企業各社に対し、情報交換などの機会を創出するなど、市場発展に向けた環境作りに協力していく考えだ。コロナ禍が続く中、DX・オンライン化の流れは止まらないだろう。今後さらに参入企業が増え、オンライン型ファクタリングの社会実装を通じて中小企業金融のDXが進むことを願う。

寄稿
OLTA
取締役副社長 CSO 兼
Fintech協会
幹事長
武田 修一 氏
2017年 OLTA株式会社に創業メンバーとして参画。
製造業・ゲーム/エンタメ業界での知見を活かし、
クラウドファクタリング普及に努める。
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【寄稿】
OLTA
取締役副社長 CSO 兼
Fintech協会
幹事長

武田 修一 氏

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