分断から統合へ ~統合マーケティングとデータ・AIで高まる営業の価値~


【PR】「若者の保険離れ」や顧客接点のデジタル化が進むなか、データやAIを営業現場の「力」に変えるにはどうすべきか。この問いに対し、組織改編による「顧客体験の統合」で挑むのが第一生命保険だ。本稿では、2026年4月に開催されたセミナーインフォ主催「FINANCE CONFERENCE」での講演をもとに、第一生命保険の直井氏と同社のDX推進を支援するTrust社の板谷氏が登壇。部分最適に陥りがちな「組織・KPI・データの分断」を解消し、認知から商談までを一気通貫でカバーする統合型マーケティングの舞台裏を明かす。営業の暗黙知とデジタルデータを融合させ、成約率を最大化させる「スクラム型」組織への変革から、持続的な成長を導くヒントを探る。

 

【講演者】
第一生命保険株式会社
セールスプロモーション部長
直井 綾子 氏
【講演者】
Trust株式会社 ディレクター
兼 株式会社グッドウェイ キャリアデザインCAIO
板谷 健司 氏
目次

データは見込み客を発掘して営業を強くしてくれる存在

板谷 本セッションは、直井様との対話形式で進めさせていただきます。私は第一生命保険勤務時代、販売促進など営業、企画、DXの各部門でご一緒させていただきました。

直井 自分のキャリアの原点は、現場の拠点長として保険販売の最前線にいたことです。その後、販売促進、営業企画、CXやDXの企画推進を経て、2025年度より現職です。

板谷 世の中には、データを活用しても営業成果が出ない企業が少なくないようです。

直井 私は営業現場や紙を中心としたツール制作の担当、教育部門が長かったこともあり、以前はデータやデジタルを毛嫌いし、苦手意識をもっていました。しかし、様々な部門の仕事を通じて、好きな営業を強くしてくれる存在と分かりました。現在は営業とデータの両方の業務経験者として、いろいろなことにチャレンジしています。

板谷 若者の保険離れなど、昨今はリーズ(見込み客)の発掘が難しいと言われます。

直井 今の時代、お客様はSNSや比較サイト、WEB検索などを通じて、営業担当者に会う前から保険の様々な情報に接しています。それに伴い、保険会社内のお客様とのコミュニケーション担当が、広告、マーケティング、インサイドセールス、営業促進など複数の部署に分かれることで組織が複雑になる傾向がありますが、その結果、顧客体験と企業からのアプローチにズレが生じる可能性が高まります。

板谷 顧客の担当者が複数部署に分かれていて、一気通貫の体制でないリスクとは?

直井 第1がKPIの分断です。各部署がそれぞれのKPIの達成を目指してそれぞれで施策を実行するので、1人のお客様への刺さり込みが薄くなってしまいがちです。
第2に意思決定の分断が挙げられます。部署レベルにおける取り組みの調整が優先されてしまうことで、全社レベルのマーケティング最適化が難しくなります。KPIや意思決定の分断は、KPI設計やマーティングの投資判断が局所的な内容にとどまる恐れがあります。
第3が担当者の分断です。組織がわかれることで施策やクリエイティブが部門単位で閉じてしまい、メディアやチャネルを横断した展開がしづらい構造となっています。

「顧客体験の分断」を防ぐためお客様を取り込む流れをフルカバー

板谷 各担当者は頑張ってデータやAIを活用しながらマーケティングを展開したが、部分最適に終わってしまい、投資に見合った効果を十分得るのが難しいというわけですね。

直井 この「顧客体験の分断」を防ぐため、2025年度に組織改編を実施。広告宣伝、デジタルマーケティング、インサイドセールス、リアルの販売プロモーションの4領域を集約したセールスプロモーション部を新設して、統合型マーケティングに取り組んでいます。

板谷 どんな役割の組織ですか。

直井 大きく2つあります。1つは自社および商品の認知や好感度向上の施策の推進、もう1つがリーズの創出です。一般に保険販売の流れは、大きく「認知」「興味・関心」「比較検討」「ご契約」「アフターフォロー」の5つに分けられます。セールスプロモーション部では、主にご契約に至るまでの「認知」「興味・関心」「比較検討」を担当します。具体的には、マス広告、SNSなどのデジタルマーケティング、インサイドセールス、営業促進など幅広い領域をカバーしています。人員は派遣社員を含めると100名弱です。

板谷 セールスプロモーション部は、お客様が商品を知る「認知」から「興味関心」「比較検討」、さらには電話・メール・オンライン会議ツールなどで「相談」を承るインサイドセールスを担っています。まさにお客様を取り込む流れをフルカバーしていますね。

直井 ただし重要なのは、組織改編の目的は、社内部署の統合ではなく、顧客体験の統合です。そのためにセールスプロモーション部では、日頃から3つの「軸」を統合すること意識しています。
まずは「メッセージの統合」です。チャネルをまたいだ統一感のあるブランドメッセージの発信により、お客様は一貫性のある価値を体験いただけます。
2つ目が「データの統合」で、お客様の購買行動をリアルとデジタルを横断して把握することによって、意思決定の高度化と顧客解像度の向上を実現できると考えます。
そして3つ目の「意思決定の統合」とは、全社最適のKPIの設計や予算配分の実現を指します。

意思決定の高度化と顧客解像度の向上で会社の成長に貢献

板谷 2つ目の「データの統合」で触れた2つの変化をもう少し詳しく教えてください。

直井 意思決定の高度化に関するキーワードはKPIと予算です。過去のKPIは、広告宣伝、デジタルマーケティング、インサイドセールス、販売促進のチャネル別の目標設定にとどまっていました。予算も自部署のKPI達成を目指した内容に固定されていました。
現在は、各部署の取り組み状況をデータでつなぎ、他の担当領域の情報をダッシュボードでスムーズに把握できます。例えばインサイドセールスの担当者は、自分がトスアップしたお客様について営業担当者は提案書を作ったか、電話をかけたか、面談はできているかなど意識的に確認します。電話がつながらないのならインサイドセールス側でも日時指定をフォローしようなど、他の担当者の動きも見据えたPDCAを回す動きが見られます。
予算についても、顧客プロセス全体を見た全体最適の意思決定が実践できつつあります。

板谷 従来を、担当業務が終わったら次の部署にお客様というバトンを渡すリレー型とすれば、現在は隣の部署と肩を組んで顧客体験の統合を目指すスクラム型といえそうです。

直井 「データの統合」は、2つ目の変化として挙げた顧客解像度の向上にも貢献しています。社内の契約データの分析やデジタル広告によるニード顕在層の把握、LINEなどのデジタルコミュニケーション経由でのライフイベントの把握などを通じて、誰が、いつ、なぜ、保険を買うのか、お客様をさらに深く知ることができるようになると考えます。

板谷 お客様から保険ニーズを引き出すという「暗黙知」は、これまでは営業担当者が重要な役割を担っていました。しかし、デジタル化などにより顧客接点が分断されると会社全体でこれらの暗黙知を取得し共有することが求められると思われます。最先端のAIエージェントとはこの強力な武器になるはずです。大切なのは、統合型マーケティングによってデータと暗黙知の両方を取得し、会社全体のアセットとして有効活用できる体制づくりというわけですね。

直井 デジタルやデータの役割は営業の価値を向上させることではないでしょうか。我々セールスプロモーション部は統合型マーケティングをさらに磨き、今このタイミングでセールスすべき顧客を営業担当者につないで、会社全体の成長に貢献したいと思います。

【本記事に関するお問い合わせ先】
Trust株式会社 https://trust-partner.co.jp/contact
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