「つながる社会、共創する未来」
CEATEC JAPAN「Combined Exhibition of Advanced TEChnology(先端技術の複合見本市)」は今年で17回目の開催となった。本年から「IT・エレクトロニクスの総合展」から「CPS/IoT Exhibition」(Cyber Physical System / Internet of Thengs Exhibition)へ大きく舵を切った。
また、今回のテーマは「つながる社会、共創する未来」とし、先端技術をつなげるだけではなく、業種や産業を超えた連携による事業創出にとどまらず、世界各国との政策連携なども含めた「つながり」を生み出す場であり、未来を共創する次世代型の新しい展示会として進化した。
展示会だけでなく、137本のコンファレンスが開かれ、アメリカ・ドイツなどの最新動向やAI・Fintechをはじめとする各分野の最先端技術について国内外のトップ企業のキーパーソンが登壇した。
4日間の開催で出展者数648社/団体(前年比22.0%増)、登録来場者数145,180名(前年比9.1%増)ともに前年より大幅に増え、進化した「CEATEC JAPAN2016」は大盛況であった。
Fintechを活用した未来の金融サービスのかたち
現在、金融業界ではAI、IoT、ブロックチェーンなどの新たな技術やスマホ等のデバイスを金融サービスに活用する流れが加速している。
そんな中、MUFGは「ICTを活用したビジネスの強化」を経営戦略の大きな柱の一つとして掲げており、日本国内では、一歩リードしている存在だ。
「Fintechを活用した未来の金融サービスのかたち」をコンセプトに、MUFGの傘下 5社(三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJニコス、カブドットコム証券、じぶん銀行)がもつ、14のサービスを展示した。その中からいくつかのサービスを紹介する。
AI(人工知能)を活用したサービス
人型ロボット「NAO(ナオ)」
NAOは、高さ58cmほどの人型ロボットで、日本語、英語、中国語を聞き分け、話せる能力が特徴。現在、三菱東京UFJ銀行の成田空港支店にてATMへの案内などを行っており、将来的にはAIとの連携により、高度な質問にも対応可能とすることを目指している。
AI音声対話アプリ「バーチャルアシスタントMAI(マイ)&MAIQ(マイク)」
バーチャルアシスタントMAI(マイ)&MAIQ(マイク)は、2016年3月にバーチャルアシスタントとしてアプリをリリースした。
AI音声対話アプリ「バーチャルアシスタント」は、アプリ内の仮想キャラクターに音声による話し言葉で銀行取引に関する質問をすると、内容の意図を理解し、ホームページ掲載の「よくある質問」より適切な回答を案内する。バーチャルアシスタントが質問に回答できない場合は、アプリを通じてコールセンターに繋げ、直前までのバーチャルアシスタントとのやり取りはコールセンターのコミュニケーターに共有される。
Webチャット自動応答「バーチャルアシスタントChatサービス」
近日中にリリース予定の「バーチャルアシスタントChatサービス」。IBMの「Watson」を搭載し、ホームページ上のWebチャット形式の画面で、お客様からの投資信託取引に関する質問などをいつでも回答をすることができる。
スマートフォンを活用したサービス
スマートフォンアプリ「スマート口座開設」
スマートフォンと本人確認書類(運転免許証またはマイナンバーカード)があれば、いつでも、どこでも口座開設のお申し込みができる「スマート口座開設」。
スマートフォンで本人確認証の写真を撮影するか、運転免許証に内蔵されているICチップをNFC機能が搭載されているスマートフォンにかざすことで、本人確認を行うことができる。また、邦銀では初めてとなる印鑑の登録が不要で、窓口での取引も印鑑なしで対応可能である。
まとめ
金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を掛け合わせた造語であるFintech。日本では、2015年頃から世間を賑わしているが世界に比べると見劣りするかもしれない。
Fintechに対しては賛否両論で様々な意見があるが、顧客本位の目線から、生活者が便利で豊かな生活を送れるような新たな金融サービスの誕生を期待したい。今後もThe Financeでは、Fintechの動向を注視していく。
- 寄稿
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The Finance編集部