アジア太平洋地域でトップ評価
米国が本社のコグニザントは、世界35の国と地域に営業拠点を構える。日本法人のコグニザントジャパンは2008年の設立以来、保険業界と製薬業界を中心にビジネスを拡大し、2020年4月27日現在では、約750人の社員と約60社の顧客を抱えている。
同社の業務内容は、ITコンサルティングなど、企業のIT関連をほぼ網羅している。特に最近、引き合いが多いのがAIコンサルティングだ。「当社のAIコンサルティングは、買収したAIコンサルティング専業のレッド・アソシエーツ社の知見とノウハウを活用したもので、課題へのアプローチやデータ分析方法といった面で、一般のAIサービスとは一線を画すクオリティと自負しています」(代表取締役社長の竹内友章氏)。
例えば、多くの顧客企業が直面している今回の新型コロナウイルスの感染拡大の影響と収束後のビジネス戦略を分析する場合、単なる市場データやPOS(販売時点情報管理)といった“THINDATA=薄いデータ”を詳細に分析するだけでは、コロナ感染拡大以降の新しい顧客心理を十分に理解し、効果的な事業戦略を策定することはできない。コグニザントでは、人類と感染症の闘いの長い歴史的背景、そこに住む人々の文化や嗜好、サービスの現地での受け止められ方など周辺情報も含めた“THICKDATA=厚いデータ”を積極的に用いるため、表面的な情報分析と解釈だけでは把握できない、人間の無意識の構造にまで視野を広げた深い分析を可能にする。
さらに、その分析結果をグローバルで約2万5000人にのぼるAIチームのメンバーが解析し、コンサルティングすることで、顧客企業は意思決定の迅速化やビジネスプロセス向上、ユーザーエンゲージメント強化、コスト削減などの成果が得られるという。
「英国の金融機関のケースでは、AIと文化人類学のフィールドワークをミックスしたユーザー調査によると、驚くべきことに2割の顧客が、複雑な金融商品の仕組みを全く理解しないまま専門家にも相談せずに購入していました。今回のコロナ感染拡大のように予期せぬ外的要因で突然価格が急落したら、こうした顧客は茫然として、わけもなく金融機関を非難することになるでしょう。我々のAIコンサルティングに基づき、個々の顧客の金融機関への期待値や過去の金融商品購入の詳細な履歴を十分に把握したうえで、個別の投資戦略の見直したところ、顧客の商品理解度は大きく向上し、金融機関への信頼度も大きく改善されました。日本でも、保険金の不正請求を見抜くプロセスの再構築や、特定顧客層に絞ったニッチな金融商品開発などを手がけてきました」(竹内氏)
米国フォレスター・リサーチ社が2019年9月に発表したアジア太平洋地域のAIコンサルティング会社10社を対象にしたレポートでは、コグニザントは他の米国系企業と並ぶトップと評価している。
竹内氏は、「日本は成熟経済と言われますが、ビジネスチャンスはまだまだ数多く存在すると考えます。我々のAIコンサルティングで、ビジネスの成長と成功を加速していただきたい」と語る。
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- 寄稿
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コグニザントジャパン株式会社竹内 友章 氏
代表取締役社長