新型コロナウイルス感染症への対応をはじめとし、2020年は情報システム管理者にとって「苦労の絶えない1年」となった。そんな情報システム管理者の奮闘を評価し明るみに示すことを意図し、インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は2020年11月、「2020年 情シス頑張った事アンケート」と称した調査を実施した。
本稿では述べ281件の回答を集めた同調査の結果から、この1年間、世の情報システム管理者が何に苦労し、何を頑張ったのかをみていきたい。
2020年に情シスは何を頑張ったのか?
IIJは情報システム管理者281名を対象とし、この1年で苦労したこと、頑張ったことを尋ねる調査を実施した。
一般的にこうした調査は選択式の設問で行われることが多いが、面白いことに同調査は、頑張った事、苦労した事について自由記述式で回答を募集している。集まった自由回答をテキストマイニングで分析し、「頻出ワード」と「共起ネットワーク(文内の出現ワードの関連性の描画)」をアウトプット。これにより、より実態に即した情報として情報システム管理者の回答を可視化しているのだ。
では、調査結果に話を移していこう。まず、頑張った事を尋ねる「2020年に情シスとして『これは頑張ったぞ!』と思える取り組み、活動を教えてください。」では、大方の予想通り「環境」「対応」「テレワーク」といった単語が頻出ワードの上位を占有。下にある共起ネットワークも併せてみてみると、多くの情報システム管理者が、コロナ対策にあたって急遽テレワーク環境を構築したことや社員向けのPC配付に迫られたことが伺える。
情報システム管理者の多くがこの1年間テレワークの環境構築に奮闘したわけだが、「失敗した」と感じるポイントもまた、同様の環境構築関連に集中。「2020年に『ここは失敗した』『惜しかったな』と思える取り組み、活動を教えてください。」という設問でも頻出ワードの上位は「環境」「対応」「テレワーク」が占有した。対応にあたっては下図にあるような様々な苦労があったことが伺える。
デジタル化への意識が大きく高まった?
同調査は、情報システム管理者の中にあるデジタル化への意識が変わってきていることも示唆している。調査では、「2020年に気になって調べたキーワードを自由にお答えください」という設問に対する回答テキストを分析。この結果、リモートアクセスやVDIといったテレワーク関連単語を押さえ、「DX」という単語が頻出ワードのトップとなったのだ。
IIJが実施した調査の結果から一部を抜粋して紹介した。ダウンロード資料ではこのほかにも、
- 「2020年に、『そりゃないよ』と思ったことを教えてください」
- 「新型コロナウイルスへの情報システム部門の対応について、自己評価で点数をつけてください」
- 「2021年に、お勤めの企業で特に取り組みたい事を教えてください」
など、他の調査には無い視点から2020年の情報システム管理者の活動について考察している。ぜひ調査レポートをご覧いただき、世の企業の動向とともに自身の取り組みについて振り返ってみてはいかがだろうか。
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