Salesforceが提供する、次世代金融業務アプリケーションとアナリティクス融合による価値
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【講演者】
- 株式会社セールスフォース・ドットコム
Tableau, Account Executive
内田 辰己 氏
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【講演者】
- 株式会社セールスフォース・ドットコム
Tableau, AI & Analytics Specialist
小見 一平 氏
<セールスフォース・ドットコムのご紹介>
セールスフォース・ドットコムは、顧客管理を中心とした世界No.1クラウドアプリケーションベンダーである。お客様へのビジネス貢献、そして社会貢献というコアバリューを原動力に、イノベーション・社会貢献・企業文化のリーダーとして、様々な評価を頂いている。
お客様がスムーズにビジネス変革を可能とするために、開発したプラットフォームがSalesforce Customer 360であり、セールス、サービス、マーケティング、そしてITの各部門を連携させる統合型のCRMプラットフォームである。全社的に顧客情報を共有しながら各部門が協力し、顧客と長期にわたる信頼関係を築き、顧客の期待に応えるパーソナライズされたエクスペリエンスを提供している。
<企業価値を高めるためのデータ活用>
最前線で顧客との接点を持つ従業員に対し、有益なインサイトを提供することが重要であり、顧客へのサービスを向上させるために、従業員がより顧客を理解し、適切なタイミングでの提案を実施することが必要である。
顧客との関係性が重要な金融業界においても、顧客データの分析に基づくエキスパートのアドバイスサービスを提供し、顧客満足度を向上させることが可能だ。また、顧客属性や取引データだけではなくて、いつ、どこで、何を、どのように消費し、何に興味を持ち、どこに投資して、そして蓄積しているなどの切り口から、顧客を粒度の細かいセグメンテーションに分類し、顧客の行動変化によるセグメンテーションの移行をAIで予測することにより、事前にアプローチするようなデータ分析活用なども可能である。
データ活用は長い旅のように例えられ、継続した取り組みが必要ある。社内でデータ活用を定着化させ、そして効果を生むためには、単にBIツールを導入するだけではなく、企業内のプロセス、テクノロジー、そして人にそれぞれフォーカスした取り組みを実施することで、より多くの従業員がデータ活用からの恩恵を享受することができる。
しかしながら、分析のユースケースが不透明、データが散在しており、タイムリーにデータ提供ができていない、業務で利用しているアプリケーションと分析ツールが別々のもので分離しているため分離した部分的な利用者しか利用せず、全社的な効果が出ていないなどの課題も露見される。
これら課題を解決する1つの方策として、日々利用する業務アプリケーション内に、アナリティクスを組み込み、提供していく事だ。これによりデータ活用のハードルを下げ、業務アプリケーション内でレポートやダッシュボードの閲覧、そしてインサイトを取得して、さらには即時に次のアクションの登録など、全て1つのプラットフォーム上で完了することで、ユーザーの利便性や利用度そして生産性が上がり、従業員はアクションを中心とした価値のある活動へと変革していくことが可能となる。
<セールスフォース・ドットコムが提供する業務アプリケーション>
セールスフォース・ドットコムでは、業務アプリケーション「Financial Services Cloud」と、これらの上で利用可能なBIである「Tableau CRM」をソリューションとして提供している。
金融サービス業界は、市場の不確実性、リモートワークへの移行および規制の進化により、急速に変化が求められている状況となっており、変わりゆくニーズに対して、Financial Services Cloudは顧客の信頼性を構築して、全ての顧客の固有の状況を理解、積極的に関与していく場合に役立つ。銀行や保険、損保、ウェルスマネジメントなど、各金融業に特化した金融サービスアプリをサポートして、インテグレーション、データモデル、そして事前構築済みのプロセスを提供し、デジタル変化を業務面から加速させていくことが可能だ。
Financial Services Cloudは、Sales CloudとService Cloudの機能を包含して、さらに金融業に特化した拡張機能を提供している。Financial Services Cloudを導入することで、業務生産性の向上や導入費用の削減、そして導入期間の短縮化など、様々なメリットを享受することが可能である。
次に、Financial Services Cloud上で利用可能なアナリティクス機能であるTableau CRM for Financial Servicesを紹介する。こちらは、SalesforceのFinancial Services Cloud向けに提供されるTableau CRMとその金融分析テンプレート群である。分析用途で別のアプリケーションを立ち上げることなく、Salesforce上でシームレスに分析を行う事ができる。カスタマイズ可能なテンプレートを使えばすぐ使い始めることができ、独自の柔軟なダッシュボードをゼロから構築することができる。
さらにTableau CRM の機能であるEinstein Discoveryについては、AIの機能を提供し、機械学習や将来予測値の提供や信頼性やスケーラビリティー、そしてセキュリティー、継続的なアップグレードなど、SalesforceのCRMプラットフォームのあらゆる側面の恩恵を受けることが可能である。
ビジネスユーザーがTableau CRMを活用すると、Salesforce業務内でアナリティクス機能を意識することなく利用可能で即時に分析・対策、AIの予測機能による次のアクションの定義、クラウド上のストレージ領域に取り込んだデータを利用したダッシュボードやレポートのノンコーディング作成など、様々なことが行える。
Tableau CRMは、BIだけではなくEinstein DiscoveryというAI機能を持っており、機械学習を使って、大量のデータから自動的にインサイトの引き出しや、将来予測値のモデリングが可能である。特徴として、データサイエンティストでなくても機械学習が扱え、予測値の根拠や改善の提案も提供してくれる。ビジネス現場のKPI改善を迅速に解決することを目的としたAI機能である。
Einstein Discoveryを使った機械学習および予測のアウトプット方法については、対象となるデータ準備をした後、売り上げを最大化など、ストーリーをセットしていくだけで、自動的に有益なインサイトや理由を提供してくれる。インサイトを参考に、必要とする予測値モデルもノンコーディングで生成してくれるため、Salesforce業務の中に埋め込むことにより、日々のビジネスアクションに生かしていく可能だ。
<Tableau CRM for Financial Servicesが全世界の金融機関で採用される3つの理由について>
1つ目は、「Time To Valueの短縮」である。Salesforce Financial Services Cloudのデータを活用し、あらかじめ金融に特化したアナリティクス機能がすぐに使えるため、短期間で高いROIを実現できる。
2つ目は、「複雑性・リスクの低減」である。カスタムで作り込まなくても、標準機能で豊富なアナリティクス機能があるため、カスタマイズすることによる複雑性を回避することができる。
最後の3つ目は「イノベーションの促進」だ。アナリティクスは、その時代によって必要とされるものが変化するが、年3回最新のアナリティクス機能が追加されるため、将来にわたって最新の金融アナリティクスを享受することが可能だ。
<保険業を題材としたユースケースデモ>
本デモでは、既に契約しているお客様で追加の契約ができそうな、いわゆる見込み者を絞り出すためのアプローチリストの算出を紹介する。アプローチリストはITに詳しくない人でも操作できるように、シンプルかつ直感的な操作ができるようにデザインされており、代理店や店舗、地域などを入力するだけで、顧客リストを抽出することが可能である。
また、保険代理店では予実管理をTableau CRM for Financial Services Cloudダッシュボードで行う事ができ、予算と実績の対比を多角的に見る事が可能な点や、フィナンシャルプランナーが活用するFinancial Services Cloudでは、フィナンシャルプランナーにパーソナライズされた5つのKPIを表示し、KPIが良いか悪いかの判断ができる。その他にも、顧客がどの金融商品を購入しているのかが分かるホワイト分析や、AIがはじき出した顧客の離反分析を行うことができる。Einstein Discoveryと呼ばれるAIのツールがはじき出した顧客離反の予測、購入確率を基に、顧客に最適なお薦め商品サービス表示やカタログの送付、訪問の約束を取り付ける、または該当する商品サービスの講習を受けるなどの適切なアクションを取ることが可能である。
Financial Services Cloudと密接に結び付いたTableau CRM for Financial Services Cloudを使うことで、フィナンシャルプランナーは、1日の始まりに自分の置かれている状況を把握し、何をすべきかを迅速に判断、そして行動に移すことが可能になる。
<最後に>
業務内でシームレスにアナリティクスを組み込んでいくことで、ユーザーは分析を意識することなくインサイトを得ることができ、有益なアクション中心の活動が可能になる。また、金融業における顧客インサイトの活用は、自社従業員にとって、顧客サービス提供・維持を向上させる重要なドライバーであり、CRMとアナリティクスプラットフォームの導入は、企業DXを推進する上で注力すべき分野である。そして最後に、Financial Services CloudそしてTableau CRM、これらは金融業における業務とアナリティクスのベストプラクティスを提供可能な唯一のプラットフォームであり、短期間に企業価値の創造および社員の生産性を向上させる最適なソリューションである。