TCFDへの賛同を表明する方法
TCFDヘ賛同することは、TCFDが提言している内容を組織として支持することを指します。
賛同するためには、以下のTCFDの公式ウェブサイトへアクセスし、必要事項を記載して送信することが必要です。
なお氏名や肩書きは組織の代表者ではなく、担当者の氏名であることに注意が必要です。なぜならTCFD事務局から確認のメール等が届く場合があり、対応が求められるからです。
賛同する際には、提出事項に自社のTCFDへの取り組みなどを記載する欄もあります。そのため外部へ向けた発信にもつながります。
公表される内容は組織名、業種、所在地、賛同月などです。また経済産業省への掲載も行えます。
【TCFD公式ウェブサイト】
https://www.fsb-tcfd.org/become-a-supporter/
TCFDに関する日本の取り組み
TCFDへの取り組みに関して日本では、積極的な取り組みが目立っています。なぜなら2022年10 月現在、賛同している企業・機関の数は1,062にも上っており、世界トップになっているからです。日本が官民を上げて取り組んでいると言えます。
具体的には経済産業省による「TCFD研究会」の開催や、「TCFDサミット」の開催などです。特に「TCFDサミット」に関しては、2019年から4年間、毎年開催されており、TCFD提言の活用に向けた議論を活発化させていることに加え、TCFD開示を行う際の事例や解説などを掲載している「TCFDガイダンス3.0」を発行するなど枠組みについても、先行して進めています。
他にも「アサヒグループホールディングス株式会社」や「味の素株式会社」など、多くの企業が「気候変動適応情報プラットフォーム」内にて、自社のシナリオ分析の実践などを公表しています。
こうした取り組みから、今後も日本を中心にTCFDへの取り組みが広がることが期待できます。
TCFDに関する海外の取り組み
海外でもTCFDの取り組みは進んでいます。
アメリカに本社を置く独立系資産運用会社である「Neuberger Berman」では、CROとCOOの管理の下、気候変動に関する潜在的な影響について、シナリオ分析を行っています。またシナリオ分析の結果から、エンゲージメント候補の優先順位付けや投資選択を行うポートフォリオの活用に活かしています。
また同じくアメリカの独立系電力会社である「AES Corporation」では、経営層が中心となった仕組みでシナリオ分析を行い、リスクレベルに応じて複数部門での検討や管理を行っています。また行ったシナリオ分析の詳細を、シナリオごとに計算プロセスなどを詳細に説明しているのも特徴です。
AES Corporationでは、これらを” AES Climate Scenario Report”として公表を行っています。
まとめ
TCFDヘの賛同企業は年々増加傾向にあります。それだけ気候変動に関する関心が高まっているのと同時に、投資家へのアピールにもなると捉えられています。持続的な企業の成長と脱炭素社会への移行・実現に向けた政府、各企業の取り組みに注目が集まります。
- 寄稿
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株式会社セミナーインフォTheFinance編集部