NFTとは?わかりやすく解説【2024年8月最新版】


昨今、ブロックチェーンから生まれた新たなしくみとして「NFT」が注目されています。NFTの基礎知識、購入販売方法から、国内外のNFTマーケットプレイス、注目のニュースを踏まえて解説します。

  1. NFTとは
    (1)定義
    (2)暗号資産との違い
  2. NFTが注目される理由
  3. NFTの歴史と有名事例
  4. NFTの購入方法
  5. NFTの販売方法
  6. 国内の大手NFTマーケットプレイス
    (1)Coincheck NFT(β版)
    (2)SBINFT Market
    (3)Adam by GMO
    (4)楽天NFT
  7. 海外の有名NFTマーケットプレイス
    (1)OpenSea
    (2)Rarible
    (3)Foundation
  8. NFTの課題
    (1)法整備の遅れ
    (2)ハッキングリスクがある
    (3)価値の変動が大きい
    (4)消費電力が大きい
  9. NFTに関するニュース【2022年12月更新】
    (1)三菱UFJ銀行がNFT関連事業協業パートナーAnimoca Brands(アニモカ社)へ出資
    (2)三井住友銀行がNFTをはじめとするトークンビジネスにおける協業の検討をスタート
    (3)自民党がNFT戦略のホワイトペーパー第2弾の草案作成へ
  10. まとめ
目次

NFTとは

定義

NFTとは「Non-Fungible Token」の略称で、日本語では「代替不可能なトークン」を意味するものです。従来のデジタルデータは容易にコピーや改ざんができていたため、データそのものに希少価値はありませんでした。しかしNFTは「代替不可能なトークン」のため、唯一無二の価値を持っているという特徴があります。

こうした唯一無二の価値を持つデジタルトークンとして、NFTが発行されるようになった背景にはブロックチェーン技術が挙げられます。
ブロックチェーンとは、世界中にあるコンピューターにデータを分散することで、中央集権を置かずに破壊・改ざんが困難なネットワーク技術を作る技術のことです。つまり一つの場所にデータが置かれていないので、データのコピーや改ざんが難しいということです。さらにNFTではブロックチェーン上に、著作権情報や所有権情報が記録されているため、デジタルデータの所有者が明確化されます。
そのためデジタルデータのコピーが仮にされてしまったとしても、NFTとの紐付けがされていないため、贋作であることが簡単に証明ができます。

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NFTの登場によって、これまでデジタル上に多く存在していたアート作品、ゲームやマンガ。不動産分野なども、デジタルデータとしての希少価値を持たせることが可能になりました。
例えば先日、ツイッター社を買収したことで話題を集めたイーロン・マスク氏が出品したNFTはオークションで1億円以上の価値を付けています。

参照:イーロン・マスク氏のNFT作品、オークションで1億円突破

NFTによってデジタルデータを作成し販売している人にとっては、唯一無二の価値のあるものとして明確に認められるようになり、購入者にとっては、絶対的にオリジナルのものを確実に手にできることになります。

暗号資産との違い

NFTと暗号資産の違いは、利用しているトークンが「代替性」のあるものか、「非代替性」であるかということです。暗号資産で利用されているトークンは、代替性のあるトークン(Fungible Token / 代替可能トークン)です。つまり同じ価値のあるトークンがいくつも存在しているデジタルデータになります。
この代替性のあるトークンは、1万円分の価値のあるデジタルデータなどとして扱われ、他の暗号資産への交換や現実世界の現金にも変更が可能です。
一方でNFTは非代替性のトークンです。同じトークンは存在しないため、価値は相場ではなく、取引によって決まることが多くあります。前述したイーロン・マスク氏が出品したNFTも、イーロン・マスク氏が手がけた唯一無二の作品であるという希少性などから高値が付いたと考えられます。
他にもスポーツのチケットや不動産情報は、代替性がないものとして考えられます。
こうした他に代替性があるものかどうかの違いが、暗号資産とNFTの違いになります。

NFTが注目される理由

NFTの市場規模は近年急速な拡大を見せています。2019年、約300億円の市場規模だったものが、2021年には2兆円規模にまで拡大をしています。また、2023年の305億4,000万米ドルから2024年には432億2,000万米ドルへと、拡大すると言われています。

参考:
NFT市場が2年で300億円→2兆円に急拡大したワケ「保有する」だけではない、アート作品につけられた「価値」
NFT(非代替性トークン)の世界市場レポート 2024年

こうしたNFTが注目された背景には、NFTの持つ特徴が考えられます。NFTには「非代替性」や「取引可能性」、「相互運用性」「プログラマビリティ」という特徴があります。

「非代替性」とは、NFTが唯一無二の価値を持つものであるという証明のことです。そのためデジタルアート作品などの場合、世界に一つだけのものとして証明して販売を行うことができました。結果として購入者としても価値のあるものを手にすることが可能です。

また「取引可能性」とは、データの所有者が自身の持っているNFTを自由に他者に売買できるというものです。例えばデジタルデータとして描かれたマンガのイラストを購入した人が、他の人に改めて所有権を移転するなどです。

加えて「相互運用性」とは、NFTの規格に沿って発行されたサービスであれば、どこでも取り扱うことが可能という意味です。つまり規格に遵守したマーケットプレイスであれば、取引が可能なため、デジタルアートの作者などは、規格に遵守していれば世界中の人に作品を見てもらうことが可能になりました。
最後に「プログラマビリティ」です。「プログラマビリティ」とは、NFTに付加機能をプログラムできることです。プログラマビリティを活用することで、NFTの作者が2次流通などの際に、購入代金の一部が作者に振り込まれるなどのプログラムを組むことが可能になります。

これまでのトークンでは実現できなかった希少性や、作者、購入者にそれぞれメリットがあること、アート作品にとどまらず、不動産の証明やスポーツチケットなどあらゆる分野にも活用できることから、NFTが注目を集めています。

NFTの歴史と有名事例

NFTが注目を集め始めたのは2021年の夏頃ですが、起源は2017年まで遡ります。

2017年:「クリプトキティ(Cryptkitties)」の登場
NFTの起源とされているのが、2017年にイーサリアムブロックチェーン上に誕生した「クリプトキティ(Cryptkitties)」というゲームです。
クリプトキティは、猫を交配させたり、売買させたりするゲームで、それぞれの猫がNFTの特徴である「非代替性」を持っていました。結果としてレアリティの高いデジタルキャットも誕生し、約1,700万円で取引されるなど盛り上がりを見せていました。

2018年:「ソラーレ(Sorare)」の登場
「ソラーレ(Sorare)」とは、現実世界のサッカーの試合結果が、ブロックチェーン上のスコアにも反映されるカードサッカーゲームのことです。
実在している選手のカードをデジタル上で購入してチームを作成、他のプレイヤーとカードの取引などを行います。ソラーレでは、NFTの技術を活用してレアリティの高い選手のカードの発行枚数を制限するなどをしています。結果として、ゲーム内において高値で取引されるようになり、人気を集めました。
ソラーレをきっかけに、スポーツ市場でもNFTが注目されるようになったともされています。

2021年:TwitterにてNFTのアイコン設定が可能に
Twitterのユーザーが設定できるアイコンをNFT化できるとして大きな話題になりました。通常のアイコンとは異なり、円形から六角形に表示されるような仕組みとなっています。
2021年3月、Twitter社のCEOであったジャック・ドーシー氏が、Twitter自体のツイート第1号とされる自身の初ツイートのNFTをオークションに出品したところ、291万5835ドル(約3億1640万円)で落札されました。

参考:TwitterのドーシーCEOの初ツイートNFT、3億円超で落札 全額寄付

実際に落札したハカン・エスタビ氏は、「これはただのツイートではない。数年後には、これに「モナ・リザ」と同じくらいの価値があることにみんなも気づくだろう」とツイートしたことで、金額と共に大きな話題となりました。

2021年:NFTアートが6,930万ドル(約75億円)で落札
NFTが大流行したきっかけとされているのが、2021年3月のNFTアートの高額落札です。
ビープル(Beeple)氏が作成したデジタルアート作品が、オークションにかけられ、6930万ドル(約75億円)で落札されました。従来では見られなかった高額落札がされたことで、デジタルアート作品のNFTが急速に高い利益を生む創作分野として確立されていきました。

作品を手がけたビープルは、「アーティストたちはこの20年以上、ハードウエアとソフトウエアを駆使して作品を創り、インターネット上で配信してきたが、これを真に所有し収集する実際の方法はなかった。NFTによりこれが変わった」と述べており、今後はデジタルアートとしての価値がさらに高まると示唆しています。

参考:デジタルアート、75億円で落札 NFTで史上最高額

2022年:大手日本企業のNFT市場参入
NFTが注目を集めたことで、日本の大手企業でもNFT市場へ参入してきています。
メルカリや楽天、サイバーエージェントなどです。楽天ではすでにNFTの取引が行える「楽天NFT」というマーケットプレイスを運営しており、すでに構築されている1億を超える楽天経済圏を活用して、NFT市場の拡大に寄与したいとしています。

参考:楽天参入で”NFTの民主化”が加速する|誰でもNFTを持つ時代がやってくる!!

またサイバーエージェントでは、2022年5月にメタバース空間におけるファッションの研究・事業開発を目的にデジタルファッションに特化した専門組織「Meta Fashion Factory(メタファッションファクトリー)」を設立しています。
メタバース空間上で、NFTを活用したデジタルファッションの販売などを行うことで、自己を表現する新たな手法としての、これまでにはない新しいファッションの形をプロデュースしていきたいとしています。

参考:メタバース空間においてNFTを活用したデジタルファッションの研究・企画・制作・販売を行う「Meta Fashion Factory」を設立

2023年:ビットコインオーディナルズ
ビットコインの最小単位である「サトシ」に、画像やテキストなどのデータを紐づけることで、ビットコイン上でNFTのように扱えるようにした技術です。これまではイーサリアムなどのプラットフォームが主流でしたが、ビットコイン上で直接デジタル資産を扱えるようになり、新たなデジタル資産の在り方として注目されています。

参考:仮想通貨ORDI(Ordinals)とは

2024年:SOBAプロジェクト
NFTの売買で発生する手数料、通称「ガス代」を業界で初めてWEB上でリアルタイムに自動算出するガス代予測サービスの無料提供が開始されました。NFTのデータは、購入されるまでオープンシーのデータベースに保存され、ブロックチェーンに書き込まれることはなく、作成者がガス料金を支払う必要がなくなるため、創作の門戸が低くなるという利点があります。

参考:業界初となるNFT取引時のガス代を予測するサービスを無料提供開始

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金融サービスにおけるブロックチェーンの可能性と効果的活用のためのベストプラクティス

TheFinance編集部
寄稿
株式会社セミナーインフォ
TheFinance編集部
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