2021年4月27日(火)開催 FINANCE WEBINAR 金融機関におけるデータを活用した業務効率化<アフターレポート>


2021年4月27日(火)、セミナーインフォ主催FINANCE WEBINAR「金融機関におけるデータを活用した業務効率化」が開催された。 近年、人工知能(AI)などテクノロジーの発展により、利用可能なデータの範囲は飛躍的に拡大し、ビッグデータの分析技術は日々進歩し続けている。AI・ビッグデータ分析の活用は、業務プロセスの可視化や業務の自動化など、金融業界においても多くの課題解決に繋がると考えられ、様々な活用事例が出てきている。本イベントでは、金融機関による、データを活用した業務効率化の最新事例をご紹介いただいたほか、協賛企業各社による最新技術をご紹介した。

  1. ひろぎんホールディングスにおけるDXへの取組み
  2. オンライン営業は営業組織の必須要件に!商談データを活用した業務効率化とは?
  3. VOC/NPS調査データの活用によるDX推進
    ~お客さま中心主義を実現するロイヤルティの醸成~
  4. 金融機関の人脈データベースを活用したデジタルマーケティング
  5. 【紹介動画】Celonis株式会社
目次

ひろぎんホールディングスにおけるDXへの取組み

石原 和幸 氏

基調講演➀

【講演者】
株式会社ひろぎんホールディングス

デジタルイノベーション部
デジタル戦略グループ デジタル戦略室長
兼 株式会社広島銀行
デジタル戦略部 デジタル戦略室長

石原 和幸 氏

<はじめに>
ひろぎんホールディングスは、広島銀行を中核会社とする金融グループである。中核会社である広島銀行は法人向け事業評価性をベースとした非金融のコンサルティングサービスに強みがあり、地域の中小企業と長期にわたって友好関係を築いてきた。2020年10月にはグループ全体を持株会社体制に移行させるとともに、地域総合サービスグループとなるべく顧客軸・業務軸の深化、さらにデジタル戦略にも取り組んでいる。今回は主に、グループとしてのデジタル戦略および取り組み概要についてお話しできればと考えている。

<持株会社への移行と新体制におけるビジネスモデル>
広島銀行は2020年9月末時点で、預金等残高8兆3,237億円、貸出金6兆5,903億円となっており、いずれも中四国地方に本店を置く地域金融機関では最大(単体比較)となっている。利益水準も親会社株主に帰属する中間純利益が106億円と全国の地域金融機関の中でも10位以内の水準となっており、規模に対する収益性が高く、法人分野に強く地域の中小企業と良好な関係を築けているのが特長だ。

現在、地方銀行では銀行同士での合従連衡など他社との連携が活発化している。そうした中、我々がとったのが地域を超えた銀行同士の合従連衡ではなく、「地域の中で業務軸を拡大していく」という戦略である。
マイナス金利や競争激化、新型コロナウイルスの感染拡大といった外部環境を踏まえると、銀行を中心とした従来の体制では持続的成長が困難であると認識し、持株会社体制の移行に至った。今後は銀行を中心としつつも、グループ各社との連携を強化し、さらに銀行以外のグループ会社の収益を拡大していきたいと考えている。我々の最終的な目標は、金融を中心として、顧客のあらゆるニーズに対応できる地域総合サービスグループになることである。
多様化・高度化する顧客ニーズをとらえつつ、非金融分野を含め、あらゆる課題の解決に徹底的に取り組み、そして、地域の発展に積極的にコミットしていきたい。それが我々のビジョンだ。

そして、そのビジョンを実現するための戦略が顧客軸・業務軸の深化・拡大である。我々には長い歴史の中で培ってきた顧客との確固たる信頼関係がある。この信頼関係を下に、金融にとどまらない幅広いソリューションを提供することで他社との差別化をはかっていきたい。それが我々の持続的な成長、すなわち地域におけるリスクテイクができる経営基盤の確立につながるはずだ。地域の企業を資金的に支援するだけでなく、新たなビジネスにも積極的に投資していきたいと考えている。

<ひろぎんホールディングスのDX>
ひろぎんホールディングスの中には、ホールディングスの中に経営企画部やグループ営業戦略部等の傘下の会社を統括する部署があるが、その部署と同様の位置付けで単独の部署として設置したのが「デジタルイノベーション部」だ。デジタルイノベーション部はグループ全体のデジタル戦略やデータ利活用の統括部署の位置づけであり、グループのDXの牽引役を担っている。デジタルイノベーション部の部長はホールディングスの社長である部谷が兼務しており、スピーディーな意思決定が可能な体制となっている。

これまで述べた経営環境・成長戦略を踏まえ、ひろぎんホールディングスではグループ一丸となってDXに取り組んでいる。デジタル戦略の基本方針は、デジタルテクノロジーや情報資産データの活用高度化、高度なアライアンス戦略、デジタル人材の整備活用であり、これらを通して地域総合サービスの実現、顧客・地域の課題解決をはかっていくというものである。ベースとなるのはマーケットインや失敗を恐れずチャレンジし続ける、異文化/多様性を認める組織文化である。

DXの重要取り組み事項としては、①デジタル新ビジネス創出、②キャッシュレス対応、③アプリ等Webチャネルの機能強化、④グループ各社業務のデジタル化、⑤データ利活用高度化を掲げている。広島銀行デジタル戦略部は総勢32名の陣容で対応しており、そのうち約半分はデジタルビジネス推進室を担当しており、②キャッシュレス対応と③アプリ等Webチャネルの機能強化を担当している。残る半分はデジタル戦略室を担当しており、ホールディングスのデジタルイノベーション部を兼務しながら、①デジタル新ビジネス創出④グループ各社業務のデジタル化⑤データ利活用高度化を担当している。デジタル戦略室は、大手コンサルティングファーム出身者やIT統括部/企画部署出身、他社への出向経験者等、多様なマネージャークラスの人材で構成されており、そこに社内インターンで優れたマインドを有する若手を配置している。デジタル人材の育成については、昨年スキルセットを整理し、ビジネス/テクノロジー/デザインのスキルのレベルを定義づけOJT計画を策定し、取り組んでいる。

個別の取り組み事例をいくつか紹介する。デジタル新ビジネスへの取組みについては、地元の中小企業向けの事業改善に役立つものや高齢富裕者層向けのコンサルティングサービス等の、我々の強みに立ち返って考え、有望領域に絞った戦略を描いている。①ひろぎんパーソナルサポートサービスの実証では、高齢者向けの対話サービスや学習サービス、共有相談サービス等の機能を搭載したアプリケーションを共同開発し、ビジネスモデルについて検討している。②事業承継サポートサービス実証は、WEBを活用した事業承継のマッチングサービスである。自社に最適なアドバイザーを選択し連携できるサービスとなっている。ほかにも③補助金・助成金診断サービスがある。
また、アプリ/キャッシュレスへの取組みとして、独自アプリである「ひろぎんアプリ」、独自スマホ決済サービスである「こいPay」が挙げられるが、ともにマーケティングをしながら機能改善を行っている。

他にも昨年度からAI融資商品を創設し取り組みをスタートしたほか、2021年1月に銀行業高度化会社としてひろぎんITソリューションズを設立した。データ利活用高度化への取組みは、広島地域内で異業種と連携しデータ連携基盤の構築をした例などがある。最後に、人材育成・運営の面では、来年度の新卒採用からIT・デジタル人財採用コースを新設し多様な人材確保に取り組んでいる。

<おわりに>
DXについては正直なところ、取り組みの入り口段階という認識をしている。本日お話しできなかったような課題や悩みもあり、これらについては他の企業と共有しながら一緒に取り組んでいけたらと考えている。「アライアンス」を基本方針に掲げている当グループである。もしご興味を持たれた企業様がいれば、お声がけいただけると幸いだ。

オンライン営業は営業組織の必須要件に!
商談データを活用した業務効率化とは?

横山 豊 氏

【講演者】
ベルフェイス株式会社

エンタープライズ金融営業本部
金融第二営業部

横山 豊 氏

<はじめに>
当社は、オンライン営業システム、いわゆる非対面の面談で利用するためのシステムを開発・提供している企業である。
本セッションでは大きく分けて、2つのテーマについてお話しできればと考えている。
1つ目はオンライン営業についてである。新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、非対面の営業、いわゆるオンライン営業が非常に増えてきている。オンライン営業の実態、状況、各社の取り組みについて共有させていただきたい。
2つ目は、商談データを活用した人材育成についてである。オンライン営業の普及に伴い、商談データを録画・録音して人材育成に役立てるという企業も増加している。こうした企業の取り組み事例についてもお話しできれば幸いだ。

<新型コロナウイルス感染拡大とオンライン営業>
新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、営業スタイルには大きな変化が起きた。
金融機関を含め、リモートで仕事をするということがコロナ以降急速に拡大したような印象がある。社外の打ち合わせ、名刺交換といった活動もオンライン化しようという動きが出てきている。
1回目の緊急事態宣言が解除された後は出社率も上がってきているかもしれないが、テレワークに取り組む企業は以前より増えているのではないか。
そして、テレワークの普及とともに、オンラインで営業を受けることも一般化しつつある。
とはいえ、取り扱っている商品、あるいは商品の特性によっては、どうしても対面で営業しなければいけないケースもあるだろう。
そこで弊社が推奨しているのが、複数の営業チャネルを持つことだ。対面営業が求められる場面がある一方で、非対面での商談に対するニーズが高まっているのも事実である。お客様の要望にあわせて、オンラインと対面を使い分けていく必要があるのではないか。
今後よりいっそうオンライン営業が一般化・定着することが考えられる以上、オンラインでの営業に対応できるようにしておかないと機会損失を招く恐れすらある。

<オンライン営業の勘所>
営業活動においては、どの商談も重要なものであって失敗は許されない。そうである以上、訪問・オンライン問わず、お客様に迷惑をかけない、ストレスを与えないことは営業活動を成功させるためには大切なポイントといえる。
オンライン営業であれば、音声が安定しない、途中で画面が止まる、あるいは接続が切れないといった事態は避けなければいけない。こうしたトラブルが起きれば顧客満足度が低下するだけでなく、クレームを招くおそれもある。
お客様にとって快適なオンライン営業を実現するためには、インターネット環境を含めたお客様の状態を把握していく必要がある。お客様のインターネット環境、ITリテラシー、オンライン営業への慣れといった、営業する側にはどうしようもない問題もある。だからこそ、実際にオンライン営業システムを導入する上では、「どのような環境でも利用できる」という視点でシステムを選ぶことが重要だ。

<データを活用した人材の育成>
オンライン営業には、データを活用して人材を育成できるという強みもある。
営業の現場では競合他社との差別化が図れない、部内のリソースが不足しているといった問題が起きがちだ。しかしオンライン商談を通して得た商談データを活用し、また営業活動を可視化することで、これらの課題を解決できる可能性がある。
たとえばベルフェイスにはレコログという商談の様子を記録できる機能がある。この機能を使えばハイパフォーマーの商談の様子をデータ化し、会社の資産として蓄積していくことも可能だ。

<まとめ>
オンライン商談には移動時間の削減などの効果が期待できるだけでなく、データの蓄積・活用を行うことで社内の組織力アップ、スキルアップにつながるというメリットも期待もある。
対面を非対面に変えるだけでなく、得られたデータを蓄積し、活用する。これが当社の考える営業分野のDXである。

講演企業情報
ベルフェイス株式会社:https://bell-face.com/

 

VOC/NPS調査データの活用によるDX推進
~お客さま中心主義を実現するロイヤルティの醸成~

松丸 剛 氏

基調講演➁

【講演者】
住信SBIネット銀行株式会社

社長室 兼 企画部 部長代理

松丸 剛 氏

<はじめに>
お客さま中心主義を実現するロイヤルティの醸成について、取組みの事例を中心に紹介する。DX推進は業務効率化に閉じたものではなく新規事業やビジネスモデル改革を含めたテーマであるが、本日は業務効率化にフォーカスして紹介する。

住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスを株主に持ち、2007年創業したネット専業銀行である。2021年3月末時点で口座数451万口座、預金残高6兆2938億円の規模となる。創業来、お客さま中心主義を事業活動の原点におき、「創造」と「変革」をキーワードに、金融業における近未来領域の開拓等のマインドをもって取り組みを続けてきた。昨年新しいビジョンを公表し、現在は「銀行をインストールする。そして世界をアップデートする。」をコンセプトに、バリューとして、NEO(今までにない新しさを。)、FLEXIBLE(銀行にとらわれない柔軟性を。)AGILE(あらゆる行動に早さと速さを。)の3点を表明し、DX推進に取り組んでいる。我々の銀行の新しいサービスの形として、銀行以外の事業者が銀行サービスを提供するBaaS型のNEOBANKサービスを展開している。

<ロイヤルティ醸成の基本思想>
このような取り組みを推進する背景を紹介する。
我々が大事にしているのはお客さま中心主義、言い換えれば「顧客ロイヤルティの醸成」の概念である。ロイヤルティとは企業・ブランドへの愛着・好意を意味する。お客さまには銀行に求める一定のサービス水準があり、その水準を上回れば顧客満足度が上がり、逆に下回れば顧客満足度は下がってしまう。私たちが考えているロイヤルティ醸成とは、お客さまが元々抱いている事前期待を超えた想定外の価値、感動である。お客さまからの期待を超えた感動体験を提供していくことで、お客さまにロイヤルティを体感していただきたいと願っている。

<ロイヤルティ醸成に向けた仕組み>
ロイヤルティ醸成に向けた取り組みの起点となるのは、VOC(ボイスオブカスタマー)である。カスタマーサポートの活動を通じて得たVOCは、お客さまのつまずきや不満が明らかになる、もっとも重要な素材である。収集したVOCを全件データベース化し、それをテキストマイニングで分析している。これによって、お問合せの理由、すなわちお客さまが何につまずきを感じてお問合せをしてきたのかが明らかになる。
VOCはお客さまのリアルな実感である。これを放置していては意味がない。そこで、これらのお問合せから得られたデータを顧客属性や取引データとともに分析し、顧客体験改善に向けた改善施策を立案・実施している。

<サービス改善の体系>
上記のような取り組みの他にも弊社ではNPS調査でお客さまの推奨度合いを半年ごとに確認しており、ここから得られたデータも活用してサービス改善に役立てている。
これらのデータ収集、分析、あるいは改善のための議論は企画部が事務局となり、代表取締役を委員長とする月例の会議体の場で行われる。
さらに、現場の各部署にもお問合せ内容が共有されるため、現場は現場で改善ができる環境にある。
トップダウン、現場という2つのルートでサービス改善に動く、ダブルループサイクルが機能している。

<ロイヤルティ醸成に向けた取り組みの3ステップ>
当社のロイヤルティ醸成に向けた取り組みは次の3つのステップで進む。
ステップ1は、「VOCの見える化機構の構築・運営」である。お客さまからいただいたお問合せを見える化する段階である。いつ誰が何の取引をした際につまずいたのか。お問合せを元にVOCとしてテキストデータ化することで見える化し、さらにどこの部署・どの商品でつまずきが多いのかも分布図で一覧化している。

続くステップ2は「ロイヤルテイ醸成要素の把握」である。収集・分析したデータを元に対応すべき課題を洗い出す段階である。すべての問題を改善しようとすると時間もコストもかかってしまう。そこで、どこを改善すれば顧客ロイヤルティ醸成につながりやすいのかを考え、優先して取り組むべき課題をNPS調査結果に基づき明確化している。

最後のステップ3は「CX向上/ロイヤルティ醸成」である。具体的にどのようなUI/UXを導入するべきかを検討する段階である。ステップ2で発見したロイヤルティ醸成につながりやすい項目を改善できれば、お客さまの推奨意向にもプラスの効果が出てくる。どのような技術を導入し、DX推進・CX向上を実現していくのか。そのための具体的な施策を検討するのがステップ3である。

<ロイヤルティ醸成要素の検証>
ここからは、当方が一般社団法人情報処理学会で発表した論文「CX創造を牽引するVOC分析機構」に詳述しているものだが、本講演の時間の関係でロイヤルティ醸成の取組について要点のみ紹介する。
VOCの見える化機構の運営は、全体俯瞰、課題検知、要因特定の3つのプロセスで行う。VOC分類のためにテキストデータにタグ付けし、お客さまの行動段階別につまづき発生数を見える化する。これにより、申込段階でのつまづきや既存サービスでのつまづきかが把握できる。このようにすることで顧客体験の通信簿のようなものが毎月明確になる。
つづいてこれらは、「顧客視点×自社視点」で設計した4象限の課題検知フレーム(縦軸が顧客視点要素、横軸が自社視点要素)に振り分ける。第1象限はすぐに対応すべき個別専門的な領域(即時×個別・専門)、第2象限はすぐに対応すべき標準的な領域(即時×標準)、第3象限は即時性の低い標準的対応領域(非同期×標準)、第4象限は即時性の低い個別専門的な対応領域(非同期×個別/専門)となり、お客さまのつまづきがどこに属するのか振り分けることで、優先的に対応すべき課題はどこにあるのかを認識する。
対応すべき課題が特定されたら、それぞれの領域に沿った改善施策がDX推進/顧客体験の向上に拘って検討・立案される。

「非同期×標準」への施策例としては、自己解決導線(Q&Aページ誘導&有人チャット機能)強化が挙げられる。
「非同期×個別・専門」への施策例としては、お客さまの都合に応じたお問合せのしやすさを目的にテキストコミュニケーションの利用促進が挙げられる。
「即時×個別・専門」への施策例としては、返信時間短縮およびAHT短縮を目的にエスカレーションフローの改善が挙げられる。
「即時×標準」への施策例としては、コールセンターが中心のサポート体制であり、KPIを使いながら筋肉質な運営体制への進化などが挙げられる。
こうした改善活動の効果は、半年ごとのNPS調査を行い、ロイヤルティ醸成へのインパクトを確認する。十分な効果が発揮できていない活動領域については、顧客体験がどうすればよくなるかを継続して検討を重ね、効果検証をPDACを回していくアプローチを展開する。

<まとめ>
当社のDX施策の特徴は、VOC、NPS調査データを活用することを通じて徹底的にお客さまの体験に寄り添うことに拘り、CX向上を軸とした業務改善を行っている点にある。これらの施策を通して、これからもお客さま中心主義を事業活動の原点におき、顧客ロイヤルティの向上に取り組んでいきたい。

金融機関の人脈データベースを活用したデジタルマーケティング

六車 裕次郎 氏

【講演者】
Sansan株式会社

Sansan事業部
金融・公共営業部 チームリーダー

六車 裕次郎 氏

<はじめに>
当社は、主にこれまで法人向け・個人向けに名刺管理サービスSansanを提供してきた。
本セッションでは「金融機関の接点データベースを活用したデジタルマーケティング」と題し、ウィズコロナにおけるDXのあり方、マーケティングデザインについてお話しいたします。

<コロナ禍におけるビジネスの変化>
コロナ禍にあって、ビジネス上で大きな変化が起きている。この変化を端的に表現すると、「接点はオフラインからオンラインへ」となる。
ここで弊社が第1回緊急事態宣言の後に実施したアンケート結果を紹介したい。
このアンケート結果によると、緊急事態宣言の前後でオンライン商談の占める割合が例年の約2.5倍と激増する一方で、名刺交換の枚数は3割減少している。
またオンライン商談の件数が急増する中、オンライン上での営業活動に不安を感じる、あるいは新しい営業スタイルの導入に苦戦している方も少なくない。さらに、オンライン商談を通して得られた人脈を顧客データとして管理する必要性がある、と感じている方も多いことがわかっている。
ビジネスを取り巻く環境が大きく変化する中、今の状況に不安・危機感を覚えている人が多数に上る、という結果となった。

<地域金融機関のDX実態調査>
上記で紹介した一般的なビジネス環境の概況調査に加え、弊社では地域金融機関のデジタルトランスフォーメーション推進の実態調査も行った。
以下、その結果について概要を述べる。
まずDX推進については、必要性を感じているという回答が大半である。その一方で実際に推進に着手している・着手できる見込みがある、との回答は全体の半数を下回った。この結果からはDX推進の必要性そのものは感じているものの、なかなか着手できないという企業が多い現状が伺える。
また実際にDX推進に取り組んでいる・これから取り組む予定の企業の具体的な取り組み内容としては、業務プロセスの改善・刷新、部門間連携の強化のほか、さらにビジネスモデル自体の変革を目指す、といった回答が得られた。
もっともすべての企業が、DX推進に積極的に動ける環境にあるわけではない。組織内のITリテラシーが低い、DXを推進するための人材が不足している、といった理由により、DX推進に対して障壁・課題を感じている方もいる。

<上記アンケート結果についての考察>
以上のアンケート結果からはコロナ禍にあって、オフラインからオンラインへという形で企業を取り巻く環境が大きく変化したことが伺える。さらにはオンライン接点の増加に伴ってキーマンの捕捉が困難になったり、商談の質が低下したりといった状況も見て取れる。
その一方で、営業活動に必要となる社内でのDXも進んでいない企業は多い。
これらの要因が組み合わさった結果、今、各社では顧客エンゲージメントの低下という問題が起きているといえるのではないか。

<Sansanを活用したマーケティングデザイン>
それでは、こうしたオンライン接点の増加に伴う課題を解決するためにどうすればよいのか。
弊社が提供しているサービスを用いたマーケティングデザインを1つの回答としてご紹介したい。
一連の流れの起点となるのは、オンライン名刺を活用した人脈の蓄積である。これは当社が2020年6月にリリースしたオンライン名刺交換機能を利用したものだ。オンライン上で時・場所を選ばず名刺交換を行える仕組みを整えることで、非対面のイベントやセミナー、商談でもお客様との接点を社内に蓄積していくことができる。
そして、オンライン名刺交換で得た情報を活用、ターゲットを絞ったメール配信を行う、あるいはウェビナーを開催する、といった形でオンラインにおける発信・集客力を向上させることが可能になる。
オンライン名刺を使った、人脈の蓄積、メール配信機能を使った集客、イベント開催、アンケートなどの活用をした顧客理解の進化、このすべてのプロセスをSansan内で完結できるようにしている。もしご興味がある方はお問い合わせいただければ幸いだ。

講演企業情報
Sansan株式会社:https://jp.sansan.com/​

 

Celonis Execution Management System(EMS)

【MOVIE SOPNSOR】 Celonis株式会社
 

プロセスマイニングとは、システムやアプリケーションのイベントログを蓄積し、業務上のプロセスフローを統合化したデジタルツインを作ることでフローを可視化し、分析可能にすることで、業務効率化を支援する手法です。Celonisのプロセスマイニングを活用することで、Celonis EMSは、ビジネスの業務実行能力を測定し、それがどこで躓いているかを特定します。Celonisはプロセスマイニングのナンバーワンカンパニーとして、グローバルで、2,000件以上の導入実績をあげています。

企業情報

Celonis株式会社:https://www.celonis.com/jp

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