デジタル人民元とは?現状・影響・問題点を解説【2022年版】


中国の中央銀行である中国人民銀行が2022年2月に行われた北京五輪で、外国人向けに初めてデジタル人民元を提供しました。中央銀行が発行するデジタル通貨の最先端として世界から注目を集めています。本稿では、デジタル人民元の概要からデジタル人民元がもたらす影響や問題点など網羅的に解説します。

  1. デジタル人民元とは
  2. デジタル人民元と他の仮想通貨の違い
  3. デジタル人民元が作られた背景と現状
  4. デジタル人民元発行のメリットと中国の狙い
    (1)人民元の国際的なプレゼンスの強化
    (2)監視・統制の強化
    (3)金融政策の強化
    (4)AML/CFTの強化
    (5)中央銀行デジタル通貨 (CBDC) 分野でのリード
  5. デジタル人民元の仕組み
  6. デジタル人民元の利用方法
  7. デジタル人民元の問題点とリスク
  8. デジタル人民元がもたらす影響
  9. まとめ
目次

デジタル人民元とは

デジタル人民元とは、中国人民銀行が発行している「法定デジタル通貨」です。実際の通貨と同様に「いつでも・誰でも・どこでも」利用ができることを目的に作られました。これまで中国国内で28都市、6200億元(1兆130億円)の取引が街中の飲食店などで、実証実験として行われています。

スマートフォンに専用アプリをインストールし、店舗にある読み取り機での支払いや、支払人と受取人のスマホをタッチするだけでの決済など、利便性が広がっているのが特徴です。中国では実証実験として実際の街中の買い物から、補助金を政府から個人へ支払うのにも利用されています。

また中国人民銀行が2021年7月に公表した、「中国におけるデジタル人民元(中国数字人民币、e-CNY)の調査研究の進展」によれば、デジタル人民元の正式導入のスケジュールは決まっていません。現在も実証実験は進められており、2022年2月に行われた北京五輪において、外国人向けに初めてデジタル人民元が提供されました。

今後は中国人のみならず、短期で訪れた外国人向けにも利用ができるようにすると考えられています。

参照:中国人民銀行によるデジタル人民元(E-CNY)に関する白書

寄稿
株式会社セミナーインフォ
TheFinance編集部
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