米国では、金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)が9月19・20日に開催された。今回の決まった金融政策のポイントと今後の展望を紹介する。
米国の金融政策ポイント① 政策金利は据え置き
FRB保有資産を縮小へ
9月19日、20日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り、①政策金利(FFレート)の誘導レンジを1.00%~1.25%で据え置き、② 連邦準備制度理事会(FRB)保有資産の縮小開始、を決定しました。
米国の金融政策ポイント② 経済見通しはほぼ修正なし
政策金利の予測値も同様
声明文では、「景気は緩やかに拡大、物価は低い水準で安定」との見通しを維持しました。米南部を襲った大型ハリケーンの影響は一過性のものであり、景気や物価の基調は変わらないと判断しました。
FOMC参加者による経済予想にも、大きな修正はありません。将来の利上げについては、2017年、18年とも年3回の利上げ予想を据え置きました。17年は、既に2回の利上げを実施しているため、計算上は、あと1回の利上げを想定していることになります。ただし、物価上昇に確信があるわけではなく、12月の利上げ余地を残したと見るべきでしょう。
FRB保有資産の規模縮小は、10月から実行に移す予定です。6月13日、14日開催のFOMCで公表された計画に沿って進める方針です。
今後の展開
緩やかなペースでの利上げ継続の見通し
今回の決定はほぼ事前予想通りでしたが、年内の追加利上げの可能性が改めて示唆されたことから、FOMCの姿勢は想定以上にタカ派的とみなされ、米国市場では債券利回りが上昇(債券価格は下落)、米ドルが主要通貨に対して買われました。
米景気は順調に拡大を続けているものの、物価上昇率がFRBの目標値を下回っていること等から、今後も金融緩和の解除は緩やかな速度で進められる見通しです。従って、金融市場が大きく混乱する可能性は低いと考えられます。
転載元:三井住友アセットマネジメント株式会社
(マーケットレポート・マーケット情報)
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