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【連載】新たなフェーズに入った新型コロナウィルスとの戦い~ウィズ・コロナ時代の医療提供のロールモデル

  1. 新型コロナ専門病院都立広尾病院での体験
  2. ウィズ・コロナ時代の医療・看護の態勢整備を急げ

新型コロナ専門病院都立広尾病院での体験

新型コロナ発症後、4日目にホテル収容された。その翌日、症状が悪化。酸素飽和度が85に低下し、深夜、都立広尾病院に救急搬送された。そこで、コロナ患者となってはじめて、医療・看護の提供を受けたと実感した。

救急チームの医師が、面前で症状の経過を丁寧に聞いてくれた。採血、心電図、CT(頭部、肺部)、レントゲン(肺部)と検査が行われた。約1時間で結果が出て、アビガン、レムデシビル、ステロイド剤の投与方針が決まり、リスクの説明も受けた。

病床に運ばれると、担当の医師、看護師は、全員、防護服を着て、フェース・シールド、マスク、手袋をしているが、聴診、検温、酸素飽和度のチェック、点滴、投薬など、私の体に触れ、文字通り「手当て」をしてくれた。

小型の無線端末で、24時間、酸素飽和度、脈拍を計測、モニタリングしているだけではない。1日に、延べ15人前後の医師、看護師が病床までやってきて、症状の変化を繰り返し尋ねる(図表参照)。それらをすべてパソコンに入力して情報共有している。

(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)。

患者1名に対し、担当医師3~5名、看護師約20名がいくつかのチームに分かれ、交替勤務で医療・看護を提供している。チーム内の情報共有だけでなく、役割分担、ルーチン化や現場への権限移譲が明確になっている。

たとえば、酸素飽和度が92に低下すると、現場の看護師の判断で、直ちに酸素供給をはじめるルールだ。「酸素が足りていませんね。酸素吸入をはじめましょう」とその看護師は言って、鼻から酸素を送るチューブのつけ方を教えてくれた。患者の命を守るには迅速な判断と対応が求められる。とても頼もしく感じた。

経験の浅いスタッフもいた。ゴム手袋をして、腕の血管に点滴用の針を刺すのは難しい。先輩看護師の指導を受けていた。昼勤の看護師チームの人数は多いときがある。OJTで経験を積ませて戦力化していくためだ。

ウィズ・コロナ時代の医療・看護の態勢整備を急げ

都立広尾病院では、新型コロナの患者を受け入れ、医療・看護の使命を果たすために必要な態勢整備を行ってきた。その努力の積み重ねが、病床からでも、随所にうかがわれた。チーム医療の徹底により、限りある医療資源をフル活用していた。

都立広尾病院の医療・看護は、ウィズ・コロナ時代のロールモデルと言える。しかし、特別な医療・看護を提供しているというわけではない。チーム医療は、新型コロナの専門病院になる以前から都立広尾病院が取り組んできたことだ。

フェース・シールド、マスクや防護服を着けての医療・看護は、現場の大きな負担になっていると思う。病室に入る度の着脱だけでも時間がかかる。ただ、ウィズ・コロナ時代にあって、どの医療機関でも、もはや当たり前の所作になっている。

そして、何よりも、都立広尾病院のスタッフ全員が、自然体で優しく笑顔であったことが強く印象に残った。

本来、医療とは、このように、患者に安心と安全を与えるもののはずだ。ウィズ・コロナ時代の医療を提供できるのが一部の専門病院だけでは困る。相応規模の民間病院を含め、同レベルの医療提供ができるように態勢を整備しなければ、新型コロナとの戦いには勝てない。

寄稿
正太郎(しょうたろう)
金融、ガバナンス、リスクマネジメント、監査の専門家。
金融専門誌にコラムを執筆。
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