これからのクラウド時代に対応した目指すべき次世代インフラ基盤とは
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【講演者】
- ニュータニックス・ジャパン合同会社野田 裕二 氏
<ニュータニックスのご紹介>
当社は2009年にシリコンバレーのサンノゼで設立、2011年に製品出荷を開始したHCI(ハイパーコンバージドインフラ)分野を生み出した会社だ。創業者はGoogle社の分散ファイルシステムの作成に携わった経験から、クラウドの良さをオンプレミスで実現するために当社を立ち上げた。2020年末からCEOも2代目となり、マルチクラウド環境にフォーカスしたソリューションの展開を加速化している。顧客もForbes100のうち80社、Gobal2000のうち980社でご利用いただいている。ニュータニックスはWebスケールアーキテクチャとして、必要なリソースを必要な分だけブラウザを経由し、UIベースの操作ですぐに拡張できるのが大きな特徴だ。HCIの特性上、従来のサーバのストレージやネットワークといった機能をすべてサーバ側へ集約し、管理者レベルでストレージと仮想ネットワークを管理可能だ。その結果、運用効率化および社内ITの内製化に貢献し、コストを5年で約60%削減できる。
<DXへのアプローチ>
当社は、お客さまのビジネスを加速させるためには、アプリケーションをマイクロサービス化させ、アジャイル開発を促進し、モード2へのシフトを成功させる必要があり、3つの段階を踏んで実現したいと考えている。最初のステップが「ITのモダナイズ化」で、仮想基盤の共通基盤化の実施、HCI活用によるリソースの柔軟な提供を目指す。2つめのステップは「セルフドライビングDC」で、データセンター全体を自動化させ、運用負荷の削減やセキュリティ強化、トラブルが起きにくい基盤の作成を目指している。最後のステップが「マルチクラウド対応」で、マルチクラウド環境における運用管理面での課題やコスト、コンプライアンスなどの課題を解決できるマルチクラウド対応基盤を作成し、「モード2」へのシフトを支援する。<マルチクラウド対応までの3つのステージと課題解決>
ステージ1の課題は、IT のモダナイズ化である。運用者の技術スキルのサイロ化、ITインフラへの投資の予測の困難さ、ビジネス部門の要求に対するインフラの対応の遅さなどが挙げられるが、これらは全てHCIで解決できる。HCIとはサーバに内蔵したSSDやHDDを束ね、1台の共有ストレージ装置のように見せるソフトウェアだ。設置スペースの削減、構築・運用のシンプル化、拡張の容易性といったメリットがある。ステージ2の課題はセルフドライビング DC 実現であり、さらなるセキュリティ対策の実施、運用にかかる手間を極力省くこと、トラブル時の対応に時間がかかることの3点だ。ニュータニックスは標的型攻撃に対するセキュリティを強化し、マイクロセグメンテーション機能を提供している。また、ファイルサーバー環境も機能として提供しているため、運用負荷の軽減、ファイルの監査証跡機能、退職者の内部情報持ち出しの検知が可能だ。データベース運用も、データベースのデプロイやパッチの適用、バックアップ等を自動化させる機能を有しており、運用の簡素化ができる。管理ツールの「Prism」は、ローコード/ノーコードの自動化機能や運用状況の自己学習機能があり、トラブルを未然に防ぐ環境の構築が可能だ。
ステージ3のマルチクラウド環境における課題については、アプリケーションのクラウド移行が大変、各クラウドの運用スキル習得のハードルが高い、マルチクラウド環境でコスト最適化が難しいといった点が課題だ。クラウド移行に関してはパブリッククラウドのべアメタルインスタンスへ、ニュータニックススタックを自動でデプロイするソリューションが有効だ。アプリケーションを改修することなくオンプレミスからパブリッククラウドへ移行ができる。また、管理ツール「Prism」で複数環境を一括管理でき、各クラウドのスキルを習得せずにマルチクラウド環境を運用可能だ。コストの最適化については、各クラウドそれぞれの課金の仕組みや購入方法も異なるので、手計算でコストを把握するのは、ハードルが高く、ニュータニックスのSaaSを活用することで、コストの可視化や状況把握ができ、最適化につながる。また、現在のリソース使用状況から将来かかる費用を予測して提示することができるため、自動化ポリシーや仮想マシンの適切なサイズの推奨、仮想マシンの配置場所を提案し、その提案通りの操作をすることにより、クラウド全体の支出を最適化することが可能だ。
<DX対応したお客さま事例>
本事例のお客さまはすでに仮想化共通基盤を作成しており、ステージ2のITのモダナイズ化、セルフドライビングデータセンターの実現を目指すため、ニュータニックスを活用し、自動化による運用の簡素化や、セキュリティの向上、そして、トラブルの起きにくい基盤を作成に向け、取り組みを行った。お客さまが目指すゴールは、2028年のマルチクラウド対応であり、複数のパブリッククラウド環境への対応、およびクラウドネイティブアプリ作成基盤の実現を目指している。このような形で、5年から10年先の目指すべきゴールを定め、インフラ側からデジタルトランスフォーメーションを成功させようとしているお客さまもいる。<まとめ>
ニュータニックスは、マルチクラウド環境をあたかも1つのクラウドとして運用しているかのように管理できる。オンプレミスのプライベートクラウド、およびAWSやAzure、そしてGCPのようなパブリッククラウドを含めたマルチクラウド環境の管理は「Prism」から行え、その際の仮想マシンの移行も、アプリケーションの改修もなく、スムーズに移行することが可能だ。3つのステージを経由して、お客さまのマルチクラウドへの対応、いわゆるITインフラのDXの成功を支援したい。各ステージにおける課題は、ニュータニックスのソリューションで解決可能だ。