1. HOME
  2. イベントレポート
  3. FINANCE FORUM ブロックチェーン技術がもたらす金融イノベーション<アフターレポート>

FINANCE FORUM ブロックチェーン技術がもたらす金融イノベーション<アフターレポート>

2018 年5 月25 日(金)、セミナーインフォ主催「FINANCE FORUM ブロックチェーン技術がもたらす金融イノベーション」が開催された。仮想通貨の中核をなす技術として注目を集めるブロックチェーンは、今後の金融サービスを飛躍させていく上で重要な鍵となっている。本フォーラムでは、みずほフィナンシャルグループ・SBI ホールディングスにおける最前線での取り組みをはじめ、先進企業各社が示す活用可能性を紹介し、ブロックチェーンを通じて金融サービスの未来を探った。

FINANCE FORUM ブロックチェーン技術がもたらす金融イノベーション<アフターレポート>
  1. 〈みずほ〉のデジタルイノベーションとブロックチェーン戦略について
  2. スマートコントラクトによって実現される新しい金融サービス
  3. ブロックチェーン技術の実践的活用
  4. AiFChain ―スマートデジタル資産投資プラットフォーム
  5. ブロックチェーン・DLT の進化とSBI における取り組み

〈みずほ〉のデジタルイノベーションとブロックチェーン戦略について

齋藤耕介氏
基調講演
【講演者】
株式会社みずほフィナンシャルグループ
デジタルイノベーション部
シニアデジタルストラテジスト
齋藤 耕介 氏

みずほはこれまで、新規ビジネスの創出による収益拡大と、業務高度化によるコスト削減を目的に、 資産管理、決済、店頭対応等様々な領域でのFinTech 活用に取り組んできた。業界を超えたイノベーションを起こすべく、多くの企業から出資を募り設立した合弁会社Blue Lab では、特にビッグデータ、人工知能、ブロックチェーンという要素技術に注目し、それらを組み合わせながらあらゆる事業を生み出している。

例えば、貸出領域で提供を開始した「AI スコア・レンディング」は、数分のチャットから得るベース情報と、生活情報を連携して算出したスコアリング結果を基に貸出条件を提示する仕組みで、ビッグデータとAIの組み合わせにより実現している。決済領域では、キャッシュレス化推進とデジタル決済を通した情報収集を狙いとして、3 メガバンク統一規格のQRコードによる決済基盤の創造を模索中だ。他にも、チケットの予約から試合中のキャッシュレス購買等、スタジアムでのユーザ体験の効率化と高度化を進める「スマートスタジアム」や、AI、OCR、RPA の組み合わせで実現させた、手書き非定型帳票の入力作業自動化等、幅広い領域での取り組みを進めている。

ブロックチェーンは、取引情報を記録するブロックが鎖のようにつながって構成されており、参加者全員で台帳を分散所有することに特徴がある。従来の中央集権型のシステムと比べて改ざん耐性が高く、情報共有による効率化、システムのゼロダウンタイム実現、同一環境の利用による低コスト化等、多くのメリットが得られるテクノロジーだ。仮想通貨に代表されるパブリック型ブロックチェーンは、誰でも参加できる一方で、台帳の正当性確認に時間を要する。これに対し、管理者に認可された参観者のみで構成するコンソーシアム型ブロックチェーンは、処理スピードが相対的に速いことから、海外送金やトレードファイナンス等に活用できる見込みがある。

みずほでのブロックチェーン活用例をいくつか紹介したい。トレードファイナンスにおいて、輸出入者、銀行、船会社、保険会社等多くの関係者間で、紙媒体による信用状や船荷証券のやりとりにより、多くの時間やコストを要している現状を打破するため、情報を一元化し関係者が共有できる仕組みを構築した。多くの企業の協力を得て、昨年、ブロックチェーンを活用した世界第1 号の実取引を実現した。また、グローバルサプライチェーンの見える化をテーマに、複数国から調達する部品の受発注データや請求管理を一元管理できる仕組みも、ブロックチェーン上で構築した。ユーザ企業にとっては業務効率化と意思決定迅速化を支えるツールとして、我々にとってはタイムリーな決済や融資を提供するための情報を得る場として活用していきたいと考えている。

本人確認の分野では、複数金融機関がブロックチェーン上で共通インフラを持つことで、利用者の利便性向上と金融機関の業務効率化を図るKYC高度化プラットフォームの構想を、他行と連携して進めている。他にも、送金、シンジケートローン、デリバティブ、証券関連等、あらゆる分野でブロックチェーンを活用した取り組みを行っている。

テクノロジー活用に多くのメリットを実感している一方、課題も明確になってきた。情報管理体制、セキュリティ対策、法制度の整備はもちろん、あらゆるコンソーシアムが乱立する中、標準化を図ることも必要だと感じている。 そして我々金融機関にとっては、利用者獲得の工夫が最重要だ。各社システム都合が異なる中、極力多くの企業が参加しやすい環境を整えることと、真に使えるサービスの徹底検証を継続することがポイントになると考えている。

スマートコントラクトによって実現される新しい金融サービス

吉濱佐知子氏
【講演者】
日本アイ・ビー・エム株式会社
東京基礎研究所FSS & ブロックチェーン・ソリューションズ
担当部長
吉濱 佐知子 氏

業界や企業を跨ぐ一般的な商取引において、各社が自社目線で情報を記録した台帳を保有する従来のシステムでは、一連の流れの把握や、相互に矛盾が生じた場合の正当性判断が困難であった。これは、ブロックチェーンを活用、集中的な管理主体を持たず、理論的に一つの台帳を参加者全員で共有し、内容に合意しながら情報を記録していくという手法を採ることで解決できる。

ブロックチェーンを業務に活用する場合は、仮想通貨等で利用されるパブリック型よりも、セキュリティやプライバシー保護等の要件をクリアした者のみが参加するコンソーシアム型が適するケースが多い。多数のブロックチェーン基盤が乱立する中、利用の際はそれぞれの特徴を理解し、目的に合ったものを選ぶ必要がある。例えば、ビットコインに代表されるUTXO 方式の基盤は、コインやトークンのやりとりに適しており、Ethereum のようなスマートコントラクト方式の基盤は、多くの種類の情報を管理したい場合に適している。

Hyperledger Fabricはスマートコントラクト方式をとるコンソーシアム型の基盤で、業務使用可能なオープンソースのブロックチェーン基盤として、多くの参加企業により開発が活発に進められている。ビットコイン同様のブロック構造に加え、任意のデータを格納できる分散データベースを持つため、非常に多くの情報を共有できることが特徴だ。アプリケーションロジックやルールも共有できるため、複雑な処理の実行が可能である。コンセンサスの仕組みも、大量の計算資源と処理時間を要するPoW ではなく、コンピューターによる多数決のような分散コンセンサス形成アルゴリズムを採用しているため、短時間で大量のトランザクションを安定処理することができる。また、認証、暗号化、アクセス制御等で匿名性とプライバシー確保を高める仕組みも備わっていることから、金融システムに適した基盤と言えるだろう。

ブロックチェーンが生み出す価値は2点ある。ひとつは効率的なデータ共有だ。IBM がシンガポールで現地銀行等と協働で開発したKYC 情報に関する銀行間共通プラットフォームは、ブロックチェーンをデータ共有基盤として利用したもので、顧客の利便性向上や銀行の業務効率化が図れるとともに、耐監査性も高まるという効果が実証実験で明らかになっている。データ共有基盤としては、ダイヤモンドの来歴管理に利用される等、最近では非金融の分野への活用も広がっている。

もう1点は、複数の企業や組織を跨ったビジネスプロセス自動化で、スマートコントラクトの仕組みがこれを可能にする。ドラフト作成後に両者でのレビューと承認を得て、署名済文書をやりとりするという従来の紙ベースでの契約管理をブロックチェーン上で行うことで、改変や承認等の全てを記録して改ざん不可能な状態で契約データを保存し、その後の発注、検収、請求という各プロセスが契約に準じているかの確認や、前後プロセスとの整合性確認等を自動履行できる仕組みが既に実現している。今後はここにIoTを組み合わせることで、例えばセンサーで商品受取を検知後、検収書を自動発行する等、さらなる発展も期待できる。

スマートコントラクトは証券市場におけるポスト・トレード処理に活用できることも実証されており、スピード改善、コスト削減、安全性確保の観点で非常に有効なソリューションだと言える。IBM Research では、自然言語の契 約書を基に契約ロジックを実行するスマートコントラクトを自動生成するツールを用意する等、より多くの企業がこの技術を導入できるような技術開発を行っている。

ブロックチェーン技術の実践的活用

高橋正敏氏
【講演者】
コグニザントジャパン株式会社
金融事業部
ディレクター
高橋 正敏 氏
久保田耕司氏
【講演者】
コグニザントジャパン株式会社
シニア プロジェクトマネージャ
久保田 耕司 氏
ラニーシュワヤイルプツル氏
【講演者】
コグニザントジャパン株式会社
クライアント サービス エグゼクティブ
ラニーシュ ワヤイルプツル 氏

昨今は日本でも、様々な領域でブロックチェーンを基盤としたコンソーシアムの確立が盛んに行われている。業界全体でテクノロジー活用を進めようとするこの動きは、本来ブロックチェーンが持つ意義に沿ったものだと言えるが、個々の企業における取組状況を見ると、実証実験や稼働のフェーズに入っている企業は僅か1割程に留まっており、過半数の企業が未だ様子見の状況にあるのが実態だ。

従来のシステム構築や業務改善と異なり、まだ事例の少ない最先端テクノロジーの分野に取り組むにあたっては、グローバル規模で最新情報を収集することが非常に重要だ。その点で、世界35 の国と地域で20 年以上IT ソリューションの実績を積み、豊富な技術者を強みとして数多くのブロックチェーン関連プロジェクトを手掛けてきた当社は、あらゆる企業の強力なパートナーになれるものと自負している。

業界全体での向上を目指す場面において、API が果たす役割は大きい。既存金融機関が持つ機能の一部を新興FinTech 企業が利用できれば、利用者目線でより良いサービスの提供が活発化する。オープンAPI 導入にあたっては、参加者全体の利益最大化、事業の継続性、法令順守というビジネス原則を押さえることがポイントだ。IT面では、基準への準拠、データ共有とセキュリティ確保、相互運用性と技術 の独立性、そして開発者が開発しやすい設計を重視すること等が重要となる。

当社がシンガポールで、政府、保険会社、医療機関と連携して取り組んだ事例を紹介したい。シンガポールでは、個人の医療情報が政府機関で一元管理されている。我々は、保険の査定プロセスを便利で安全に進められるよう、医療情報自体は政府機関で保管したまま、それに基づいて算出された査定情報だけを利用者が自身のスマホアプリで取得し、保険会社に提供する仕組みをブロックチェーン上に構築した。関係者間でやりとりする情報を、真に必要な査定情報のみに限定することで、プラバイバシーと効率性の両方の向上を実現したこのスキームは、あらゆる金融サービスに応用可能だと考えている。

また、カスタマーオンボーディング時の本人確認プロセスは分散台帳技術の適用領域として有望視されている。当社ではプロトタイプを作成した。利用者は必要な情報や書類を分散台帳プラットフォームにアップロードしておき、金融機関はプラットフォームからそれらのデータをダウンロードする。このようなプラットフォームを業界全体で合意し実現できれば利用者と金融機関双方の手間軽減と時間短縮となるだろう。

インドでは生命保険市場が急成長しており、査定の迅速化および簡略化と、不正請求を防止する仕組みの構築が喫緊の課題となっている。これを背景に、主要な生命保険からなるインド保険コンソーシアムが発足し、ブロックチェーン活用による情報共有プラットフォームの開発を行うリーディング企業として当社が選ばれた。情報機密性保持が一つの大きな目的であったこのプロジェクトでは、ネットワーク内で共有する情報の範囲を柔軟に制御できる仕組みを実装している。モニタリング機能を担う規制当局に対しては、全保険会社の情報のリアルタイム閲覧を可能にする一方で、一部の保険会社には優先ネットワークを設定し、グループ内外で取得できる情報の範囲やアクセス方法を区別している。同一ブロックチェーン上でも機密性コントロールが行えるこのアプリケーションは、今後の汎用化を想定し、様々な機能の実装が可能な仕様となっている。

これまでの知識やノウハウの蓄積をベースに、今後も多くの企業と活発な議論を重ねることにより、あらゆる業界でのテクノロジー活用をサポートしていきたい。

AiFChain ―スマートデジタル資産投資プラットフォーム

福沢栄治氏
【講演者】
AiFC 株式会社
代表取締役兼CEO
Business accelerator
福沢 栄治 氏

近年各国で規制や管理が厳しくなりつつある中でも、仮想通貨やICO 等のデジタル資産の時価総額は 急増しており、デジタル資産市場は拡大傾向だ。この分野で世界をリードする総合金融サービスプロバイダとなることを目指す当社は、研究、投資銀行、資金管理、チャネルという4 大機能の一体化を実現する、デジタル資産スマート投資プラットフォームAiFChainを開発している。

AiFChain は、ビッグデータ、人工知能、ブロックチェーン等の各分野における、あらゆる最先端テクノロジーをコア技術として採用することで、自然言語や画像を含む様々な情報を収集し、技術分析、ファンダメンタルズ分析、市場センチメント分析、評価比較等、高レベルの金融分析を行い、研究レポートの自動生成を可能にする仕組みを実現した。スマートクローラー、ナレッジマップ、機械学習技術を利用してデータ分析能力の大幅向上を行い、また、人工知能技術を利用して予測アルゴリズムと合わせたデジタル資産の量化投資機能を改善している。

ビッグデータシステムとスマート分析システムのリリースを経て、今年中にAiFChain1.0 をリリースし、来年には機能を追加した2.0 のリリースを予定している。今後は、グローバル化投資銀行サービスとして、売買両サイドでの顧問、コンサルティング、融資の提供へと、事業を展開していく方針だ。チームメンバーは各分野のトップレベルの専門家で構成しており、今年3 月には12 ヵ国から600 名以上の参加者を集めてアジア太平洋ブロックチェーンフォーラムも開催した。今後も多くの関係者と活発な議論を続け、サービスを発展させていきたい。

豊馳氏
【講演者】
Genesis Capital
CEO
豊 馳 氏

仮想通貨取引等、各国の政策変化に大きく影響を受ける分野もあるが、ブロックチェーン市場全体としては世界規模で爆発的に成長しており、今後はインターネットの普及速度を遥かに超えるスピードで発展していくと予想されている。現在世界のプロジェクトの過半は中国で行われているが、最近ではシンガポールやアジア新興国でも多くの取り組みが始まっている。日本はガイドラインが整いつつある環境で、政策としても比較的積極的だと言えるだろう。ブロックチェーンはあらゆる分野において、従来の中央集権的な仕組みを分散化し、グローバル規模で発展させていくチャンスを秘めている。今後の更なる発展には、透明性を高め、より多くの理解を得ながら参加者を拡大していくことが重要だ。

高航氏
【講演者】
株式会社IFG
バイスプレジデント
高 航 氏

ブロックチェーンは、低コストかつ非暴力的手段で、企業や国の境界を越えたコンセンサスを形成できる点、また、コストに見合う規模に収める必要がある中央集権的システムと異なり、大規模に展開できる点に大きな価値がある。多元的で複雑な社会を持つ中国では、社会ガバナンスの場面でブロックチェーンを活用することで、山積する社会問題を解決しようとする動きが始まっている。組織変革にも応用でき、小規模企業であってもバリューチェーンに基づいて多国籍企業になることが可能だ。生産能力や社会関係を再編成し得るブロックチェーンの活用を加速させるには、技術的インフラと法的ルールの整備を急がなくてはならない。また、ネットワークの範囲を狭く限定すると、コスト面から中央集権型管理のほうが効率的だという結果にもなり兼ねないため、あらゆる境界を撤廃し、大規模な仕組みをいかに構築できるかという点もポイントとなる。

ブロックチェーン・DLT の進化とSBI における取り組み

藤本守氏
【講演者】
SBI ホールディングス株式会社
執行役員 ブロックチェーン推進室長
藤本 守 氏

現在のFinTech は、インターネットの爆発的普及により浸透した既存の金融サービスを、AI、ビッグ データ、RPA 等の技術を使って発展させている段階にある。次に進むべきステップは、ブロックチェーンを活用した革新的な金融サービスの提供だ。当社は、ブロックチェーンを基盤とするプラットフォームを中核とし、様々な領域の金融システムとつながるアプリをFinTech 企業と共同開発することで、「新FinTech 生態系」の完成を目指している。それに加えて、仮想通貨やSTO に代表されるデジタルアセットの分野でも、取引所、ファンド組成、ファイナンス等を含めたエコシステムを構築し、これら2 つをモバイルチャネルに載せて提供することが、当社の戦略の大枠だ。

ブロックチェーンに関して、当社は数年前に研究を開始し、いくつかの領域をターゲットとした実証実験を行ってきた。その中から、今年中の商用化を目指しているプロジェクトを3 点紹介したい。

国内外為替一元化コンソーシアムは、Ripple 社が提供する、ILP 分散台帳プロトコルを利用した国際送金ソリューションを、国内送金にも活用する目的で立ち上げた。SWIFTを利用する従来の国際送金では、リアルタイム送金が困難な点、国内送金では、銀行間システムの維持管理コストがかかる点がそれぞれ課題となっているが、これらをまとめて解決する ことをコンセプトとして、国内、海外両方の送金を同じプラットフォーム上で行えるRC クラウドを開発した。これにより、金融機関はシステムコストを削減しつつ、24 時間リアルタイムで国内外送金の提供が可能となる。金融機関の導入負担を軽減すべく、RC クラウド上には共通ゲートウェーを構築しており、インテグレーションを行いやすい仕組みとしている。

これと併せて、ユーザ向けアプリ「Money Tap」も開発した。コンソーシアム参加銀行の口座を持つユーザ同士であれば、携帯電話番号やQR コードを用いて、P2P での送金を行うことができる。今後は海外金融機関も含めて参加者を増やすことで、国内外送金をもっと手軽なものにしていきたいと考えている。

本人確認分野では、NEC と共同で、日本取引所グループが提供する業界連携型DLT 実証実験環境を活用して、実証実験を行った。現在、顧客が複数の証券会社で口座開設や住所変更を行おうとすると、全ての証券会社に本人確認書類を提出する煩雑な手間が発生する。これを、分散台帳技術を使った共用インフラ上で行うことで効率化を図り、最終的には業界 共通のユーティリティを構築することで、KYC プロセスの標準化と、各証券会社のコスト負担の軽減を狙っている。

このコンソーシアムでは、ユーザからの代行依頼を受けてデータ保管および証券会社への代理申込みを行うユーザエージェント部門と、証券会社から業務委託を受ける口座開設部門に分けて設計することで、マイナンバー法、犯収法という異なる法律の両方に準拠し得る仕組みを実現した。14の金融機関が参加した実証実験では、多くの企業が負担軽減効果を実感している。

キャッシュレス化推進のために取り組んでいる、次世代少額決済インフラ「Sコインプラットフォーム」は、参加企業それぞれが、1つのプラットフォーム上で、仮想通貨や電子マネー等様々な種類のコインを発行することができる。決済手段には、生体認証や電子スタンプをはじめ豊富な手段を実装する予定で、企業とユーザそれぞれが自由に選べる仕組みを目指している。買い物時の決済に留まらず、ポイント付与や地域通貨発行等、あらゆる用途に応用可能なこの仕組みが、今後コインエコノミーの発展を支えていくものと期待している。

新着の記事
新設される内部通報制度の認証制度・自己適合宣言登録制度とは

公益通報者保護制度が施行されてから10年以上経過し、多くの企業が内部通報制度を活用している中、消費者庁は公益通報者保護法の適用要件や効果の見直しなどとともに、事業者に対するインセンティブとして、事業者の内部通報制度の実効性の向上を図るための認証制度を導入することを決めた。本稿では、今年度より新設される予定のかかる認証制度について解説する。

【連載】不祥事とガバナンスの再構築~正しく「3線」防御の態勢を整備せよ

日本では「3線」防御というと、「3回、チェックすれば間違いが少なくなる」という程度の浅い理解にとどまっている。以下では、正しく「3線」防御の態勢を整備するうえで、日本独自のガバナンスのどこが問題なのか、また、日本企業・金融機関は、今後、何をすべきかを記載したい。

【連載】不祥事とガバナンスの再構築~ビジネスモデルの行き詰まりがミスコンダクトを誘発する

最近の不祥事の多発は、経営環境の変化に伴うビジネスモデルの行き詰まりと決して無関係ではない。ガバナンス改革は着実に進展しているが、日本独自のガバナンス慣行が有する弱点、限界を理解しないまま、ガバナンス改革を中途半端に終わらせることは危険であることを知る必要がある。とくにスルガ銀行の失敗は多くの金融機関にとって教訓とすべき点が多い。
本連載(全2回)では、近時の不祥事を例にあげ、日本独自のガバナンス態勢の問題点、正しく「3線」防御の態勢を構築する必要性について解説していく。

AI・アナリティクスを活用したデータ駆動型バンキングサービス

銀行のスマートバンキング化の動きが加速している。スマートバンキングはキャッシュレスなどの物理的な利便性に焦点を当てられがちだが、AIやデータアナリティクス、ディープラーニングと組み合わせることで、顧客体験に革命を起こすことができる。スマートバンキングとAIがもたらす銀行とITの未来を読み解く。

The Finance をフォローする