FINANCE FORUM 金融機関における生産性向上のための業務改革<アフターレポート>


2019年12月5日(木)、セミナーインフォ主催「FINANCE FORUM 金融機関における生産性向上のための業務改革」が開催された。金融機関の基礎的収益力は、趨勢的な低下が続いている中、生産年齢人口の減少や、労働市場における競争力確保などさらなる課題に直面している。そのような中、デジタライゼーションを含む環境変化に伴い、金融サービスのあり方も大きく変容しつつある。デジタル化によって定型業務を圧縮し創出された時間を、付加価値を生み出す新しい業務に充当し、より生産性の高い働き方の実現が求められている。本フォーラムでは、先進各社によるさまざまな業務領域において披露する最新技術を活用した事例などをご紹介した。

  1. 金融機関の業務改革と働き方改革の「現在地」
  2. “金融企業の働き方改革”を支える業務デジタル化クラウド「SmartDB」のご紹介
    ~三菱UFJ モルガン・スタンレー証券における取り組み事例紹介~
  3. 金融機関における新しい文書審査事例のご紹介
    審査ワークフローにおける生産性・正確性の向上とペーパーレスの実現
  4. 金融業界における自然言語AI活用の効率化と生産性向上、
    対話AI事例と今後の展望について
  5. 千葉銀行が取り組む業務改革とデジタル化
目次

金融機関の業務改革と働き方改革の「現在地」

岡 俊太郎 氏

基調講演

【講演者】
日本銀行
金融機構局 金融高度化センター
企画役

岡 俊太郎 氏

本セッションでは、日本銀行金融高度化センターが2017年に開催した「業務改革」セミナー、2018年に開催した「金融機関の働き方」セミナーでの議論を踏まえ、それぞれのセミナー開催から時間が経ち、状況に変化があったため、金融機関の業務改革・働き方改革の「現在地」についてお話ししたい。

2017年に開催した「業務改革」セミナーでは、金融機関の業務改革の目的を「生産性向上」としていた。そして、業務改革においては、トップダウンやトップを支える推進組織、変革をリードしていこうとする企業文化、テクノロジーへの理解、客観的なデータ活用、徹底と継続などが重要であると議論した。

しかし、現在では、業務改革について、さらに深い議論が必要になってきたと認識している。この背景は、一段と厳しくなっている金融機関の収益環境や、人口減少・企業数減少といったマクロ環境の変化があげられる。しかし、より大きな背景としては、足許、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」への要請が高まっていることがある。

DXは、業務改革の「発展形」であると考える。ただし、従来の業務改革との大きな違いは、「カスタマー・エクスペリエンス(CX:顧客経験価値)」の向上を強調していることにある。CXを意識した業務改革は、金融機関がこれまであまり強く意識していなかった視点である。

なぜCXが重要になってきたかというと、市場が成熟化し、商品やサービスがコモディティ化しているなかで、「顧客の都合」を重視し、顧客のロイヤルティを高めなければ、収益を獲得することが難しくなってきたためである。勿論、「金融機関の都合」、すなわち金融機関自身の業務効率化や生産性向上を重視した業務改革も引き続き重要な視点であるが、今後、「顧客の都合」を意識した業務改革を構想することも重要になるだろう。    

なお、DXが進展すると、これまで人間が行ってきたオペレーションをデジタルが担い、人間がより付加価値の高い業務にシフトするという役割分担が明確化する。このため、金融機関で働く人材の再教育が、業務改革の中で最も大事なテーマになると考えられる。

2018年に開催した「金融機関の働き方」セミナーでは、共働き世帯の増加、労働市場における競争激化、生産年齢人口の減少などの環境変化から、金融機関も働き方を見直す必要があると議論した。また、金融機関の働き方の評価・評判も課題だ。銀行・信金上位20社の評価は、風通しのよさ・相互尊重などの要素で、全業界上位20社を下回っているというデータもある。

このセミナーでフォーカスしたのは、金融機関の「働きがい」を高めることについてである。働き方改革において、当初は「働きやすさ」が強調されてきたが、時間が経つにつれ、「働きがい」や「エンゲージメント」を重視しなければならないという認識が広まっている。ちなみに、「エンゲージメント」とは、企業と従業員の相互理解を意味し、これにより組織の成長と個人の成長が両立する。「エンゲージメント」が、企業の利益成長と相関していることを示すデータも出ている。

「働きがい」を高めるためには、顧客視点を持った働き方を意識することや、人事慣行の問題を改善することが重要である。顧客視点を持った働き方に関しては、過度なノルマやセールスによって、「金融機関の都合」を顧客に押し付けるのではなく(プロダクト・アウトではなく)、「顧客の声」をしっかり聞くこと(カスタマー・イン)が重要となる。人事慣行については、働きがいを阻害する、過度な年次管理や減点評価主義、「総合職と一般職」という職種の区分、中高年齢層の消極的な活用などを見直すことが考慮されよう。

“金融企業の働き方改革”を支える
業務デジタル化クラウド「SmartDB」のご紹介

~三菱UFJ モルガン・スタンレー証券における
取り組み事例紹介~

金井 優子 氏

【講演者】
株式会社ドリーム・アーツ
カスタマーサクセス統括本部
副本部長

金井 優子 氏

金融業界は合併・再編を繰り返し、その結果として、レガシーシステム・業務システムの個別化や依然として残る紙業務など、さまざまな課題が山積している。弊社と楽天インサイトの調査によると、働き方改革は何かしら取り組んでいるが、生産性向上にはつながっていないと感じている現場スタッフが多い。さらに金融業界にフォーカスしていくと、DXへの取り組み状況は全業種の中で3位と高い位置にいるが、実際には現場スタッフの目の前の業務のデジタル化は後回しになっているのではないだろうか。

また、日本においてIT人材は年々不足傾向が強まっているため、現場の雑務をITで解消するまでの道のりはさらに遠いのが現状だ。特に日本企業におけるIT人材は、アメリカで進む内製化とは異なり、その7割以上がベンダー企業に依存する構造になっている。このような状況下がより顕著な大企業をもっと速くする鍵は、「非IT人材」による自立型の業務改革である。今後は、IT部門・現場部門が一体化した業務改革が必要となるだろう。

ここで、三菱UFJモルガン・スタンレー証券様の業務デジタル改革の取り組み事例をご紹介する。合併を繰り返したことで個別システムが乱立し、運用先もバラバラに管理していた。ユーザー部門では必要な情報が探せない、メールが増える、などの課題があった。一方システム部門は300近くの業務に関わっており、制度改正・老朽化対応に追われる状況。そのため、顧客サービス・業務高度化など戦略領域への注力が難しかった。この状況を改善するべく、システム統合・アプリケーションプラットフォームの標準化・戦略領域への資源の集中を目指し、取り組みが始まった。

弊社の提供する「SmartDB」と「INSUITE」によって、「Synergy(シナジー)」という全社のポータル基盤を構築し、Notesで運用していた掲示板・人事申請など各業務システムを統合していった。まず全社ポータルの整備として、必要情報をすべて集約し、あらゆる業務システムの入り口となるようにした。掲示板はカテゴリごとの整理・検索機能の強化を施した。またそれまで同社は業務依頼をメールで行っていたが、「SmartDB」で業務依頼ができる「ToDo機能」を構築し、メールでの依頼を廃止した。

これらの取り組みの結果、ポータルの閲覧率100%、全社宛てメールの30%削減、17システム統合・6部門ポータル作成といった成果が得られた。合わせて、意思決定の迅速化や情報集約化、コスト削減などに高い評価をいただくことができた。プログラミングなしでシステムを構築できる「SmartDB」の特徴を生かし、ユーザー部門が自分で変化に対応できたことは大きい。自分ごととして仕事をとらえることにより、「自律的な組織コンピテンシー」の形成につなげることができたと考える。

「SmartDB」は、ユーザー自体が主体となって自部門の業務デジタル化を実現するためのプラットフォーム。IT部門主導ではなく、現場がITを活用した業務改革をクイックに実現できるのがポイントだ。デジタル化業務改革の成功体験を生み、他業務・他部門へ横展開をしていける。結果としてITを活用する人材の増加にもつながる。

「SmartDB」の特徴・強みとして、プログラムの知識を持たない「非IT人材」でも、複雑な業務をアプリ開発できる点がある。画面上の操作だけで業務をデジタル化できるため、業務を把握していることが重要となる。きめ細やかなワークフローを設定できるのも特徴で、日本の大企業の商習慣(複雑な承認経路)にも対応可能だ。日々の雑多な業務を現場担当者自らがデジタル化し、業務改善サイクルを回しながら最適化していくことができるのが、「SmartDB」の最大の強みだ。

講演企業情報
株式会社ドリーム・アーツ:https://www.dreamarts.co.jp/

金融機関における新しい文書審査事例のご紹介

審査ワークフローにおける生産性・正確性の向上と
ペーパーレスの実現

横田 史朗 氏

【講演者】
ミールソリューションズ株式会社
代表取締役

横田 史朗 氏

ミールソリューションズ株式会社では、Webブラウザー上で操作するエディタを核にして、様々な業種の企業様にドキュメントソリューションを提供している。特に保険会社様では、募集文書の作成・審査・承認・アーカイブなどの業務でご利用いただいている。導入目的としては、これらの業務改善、ペーパーレスへの対応、働き方改革への貢献などがある。本セッションでは、3つの事例を通して、システムのデモンストレーションをご覧いただく。

最初にご紹介するのは、保険会社における募集文書の審査ワークフローの事例である。文書の修正・審査・承認・アーカイブなど、一連の流れをすべてシステム化したものだ。申請状況の一覧を開くと、上のタブでワークフロー別に分かれている。文書の作成担当者・上長・事務局など、複数のメンバーが関与しながら承認まで進めていけるシステムだ。会議体を持たずに関係者とやり取りができ、インターネット上で完結するので、テレワークにも適している。

文書の校正(赤入れ)を紙で行う企業が多いが、これについてもシステム上で実現しているので、紙に印刷する必要はない。付箋のような形で指摘内容が保存される仕組みだ。赤入れした指摘事項は、自動的に作成される修正連絡票で確認できる。文書の作成担当者は、指摘内容を確認したうえで、「指摘通りに対応する」などのアクションを選ぶ。「指摘に対して意見を述べる」を選ぶと、関係者間で協議することもできる。文書に関するやり取りは全て記録されるため、別途メールで残したり対面で集まったりする必要もない。このシステムを導入した結果、保険会社では1年間で約2,000万円の印刷費用の削減、ペーパーレス化の実現、審査期間の短縮などの成果に繋がった。

次にロングドキュメントと呼ばれる、しおりや約款など100ページを超えるような文書の実例をご紹介する。多ページの文章を複数のパーツに分け、そのパーツごとに管理する仕組みだ。パーツ単位で編集ができるので、複数メンバーで協力しながら大規模な文書を作成できる。パーツは複数の文書で共有でき、一部を改定すると複数の文書に反映させることも可能だ。差分チェック機能を使えば、文章や画像の変更箇所が簡単に分かる。専用のエディタを使いながらパーツを作成していくが、表組を作ることも可能で、多段組にしたり左右に流したりすることもできる。

デモンストレーションで最後にお見せするのは、犯罪収益移転防止法の対応のために不動産会社様で実現している、本人確認の効率化の事例だ。専用アプリをインストールした端末をお客様に渡し、反社会的勢力でないことの確認や署名を端末で行ってもらう。運転免許証などはその場で写真を撮影して保存できるので、紙でコピーを取る必要はない。サーバにデータを送信すると、端末からデータが消去されるため、個人情報を残さずに本人確認を終了させることが可能だ。営業担当者は、お客様からどの資料を受け取ればいいのか分からなくなり、書類に不備ができることがある。そのような時、システムでアラートを出すことで、漏れなく必要な本人確認書類を収集できる機能も備えている。

審査ワークフローのシステムの導入においては、紙でないと審査できないと抵抗感を示す方もいる。しかし27インチのディスプレイを利用すれば、A3サイズが実寸で確認できる。細かい表などは、画面で拡大してチェックできるのもメリットだ。大型モニターは価格が安くなっているため、システムの導入コストが抑えられることも好評をいただいている。

講演企業情報
ミールソリューションズ株式会社:http://meal-solutions.co.jp/

金融業界における
自然言語AI活用の効率化と生産性向上、

対話AI事例と今後の展望について

鈴木 英彦 氏

【講演者】
Automagi株式会社
デジタルイノベーション部
部長代理

鈴木 英彦 氏

森脇 健 氏

【講演者】
開発部
コンサルタント

森脇 健 氏

Automagi株式会社は、AIソリューションとSI事業を中心に展開するベンチャー企業だ。大手携帯キャリアにて開発経験のあるメンバーが中心に創業した経緯もあり、大規模開発経験に基づく技術力を強みとしている。すべて内製の自社エンジンで開発、ISMSも取得しているため、金融機関の審査をクリアする体制がある。東京大学との共同開発によるアカデミックなノウハウの蓄積もある。

独自プロダクトで提案しているAMYは、自然言語解析、動画・画像認識などの機能があるソリューションだ。導入事例として、みずほ証券様の社内問い合わせ業務で、AIチャットbotシステムの構築を行った。運用コスト削減、月間1万件の問い合わせ対応をbotで対応している。大手不動産会社様に対しては、モデルルーム来場者の映像を分析するためのAIシステムを提供。来場者の属性・感情の情報分析や、マーケティング活用の分析の目的でシステムを構築した。金融機関からも、窓口に来る人の分析、ATMでのオレオレ詐欺対策などに役立てたいという話を頂いたことがある。

AI関連の国内市場は、2015年の3兆円から2030年で87兆円と、約30倍の成長が見込まれている。金融業でも、チャットボットの活用、与信・融資審査、株価予測などでAIの活用が進むとみられる。ここ数年で、囲碁・将棋、自動運転、無人店舗など、AIの活用領域は確実に広がった。これらの技術革新のベースは、深層学習技術のブレイクスルーに加え、センサー・半導体・通信などIT技術の革新だ。AI活用は、今後さらに身近になるだろう。

当社は、AIによる生産性向上に関するご相談を頂くことも多い。重要なポイントとしては、AIは手段であり、目的ではないこと。AIを利用して何を実現するかが大切だ。また、一社で成し遂げるのは難しいため、AIベンダー・ソリューションベンダーとの協業も重要となる。ソリューションを考えるときは、業務面・技術面・効果・予算の4つの視点を重視している。

ビジネスAIは、画像系AI、自然言語AI、音声系AI、予測系AIの4種類がある。文字・音声・画像は、文字や数字に置き換えられ、自然言語AIの判断で処理される。数字は予測AIの判断により、予測・レポートなどに行活かされる。これらがアプリケーションやRPAの処理実行につながる。文字や数字といった入力情報を自動処理するのに役立つのが、当社の自動化AIソリューションである『AMY AGENT』だ。

AMY AGENTはAI(機械学習)と自然言語ノウハウ、幅広い会話方式を兼ね備えたAI自動応答エージェントだ。顧客ごとにクラウド環境を構築し、独立した占有環境にて、強固なセキュリティ対応を提供するのが特徴となっている。マルチサイト機能により、1ライセンスで複数の部署において多彩なチャットボットの活用ができるのも強みだ。みずほ証券様では、社内問い合わせ業務でAMY AGENTを活用いただいている。社外問い合わせの自動化、品質向上やコスト削減を目標に導入された。2019年11月時点で月間処理件数は部門合計約10,000件になり、1,040万円(約7人月)の時間創出につながった。

ここでAMY AGENTの、対話AIについてご紹介する。AMY AGENTのAIが電話に出ている状態で話しかけると、回答が音声で返ってくる。例えば「当日中の銀行振込は何時まで?」といった質問に対し、24時間に渡って対応可能だ。担当AIを途中で変更できるといった遊び機能も付いている。

当社では、数々の現場視察、ビジネス開発提案、実証実験を通して、多様なユースケースを蓄積している。ご相談に応じて、保有技術を組み合わせた最適なソリューションの提供をしているので、お気軽にご相談いただきたい。

講演企業情報
Automagi株式会社:https://www.automagi.jp/

千葉銀行が取り組む業務改革とデジタル化

森本 昌雄 氏

特別講演

【講演者】
株式会社千葉銀行 参与
兼 T&Iイノベーションセンター株式会社
代表取締役会長

森本 昌雄 氏

千葉銀行のデジタル戦略は、3つの柱で進めている。まず「行員のデジタル化」として、ツールを使いこなしながら業務を効率化していく。具体的には営業ツールでのスマホ・タブレットのお活用、コミュニケーションでのビジネスチャット、ワークフロー導入などがある。次に「業務のデジタル化」で、融資業務効率化やAI・RPA・チャットボットの活用などに取り組んでいる。 3つめが「サービスのデジタル化」で、フィンテック等を活用しながら、非来店顧客に対するサービス提供を考える分野だ。

業務改革の全体像としては、デジタル戦略による効率化で業務量を削減し、本来取り組むべき領域へシフトすることが目的だ。キャッシュレス決済・モバイル端末・生体認証といった環境変化があり、窓口の役割は今後、事務手続からコンサルティングへと変化するとみられる。そのために業務プロセスの見直しを行うこととなった。

具体的な施策として、顧客の利便性向上と窓口業務の効率化を目的として始めたのが、店頭タブレットの「TSUBASA Smile」だ。普通預金新規やキャッシュカード発行などの取引を、顧客と相談しながら進められる。現在一部の店舗で導入しているが、2020年度には全店展開をする予定だ。融資業務では、格付・担保評価などをシステム・帳票がバラバラに存在していることが課題だ。各種プロセスを一元管理するシステムを現在開発中で、来年2月に導入する予定となっている。ビジネスチャットは現在1日あたり2万件利用され、予想以上に好評だ。これらの取り組みにより、約350人の行員の再配置が完了するという成果に繋がっている。

業務改革では、アライアンス行との連携も重要な柱となっている。千葉銀行を含む9行で連携しているのがTSUBASAアライアンスだ。営業・事務も含めあらゆる項目を調査・検討している。第4次オンラインで何を準備すべきか、企画・システムなどに関して協議・議論するところからスタート。システム面を中心に進めてきたが、今後はフィンテックなど新たな領域でも連携して取り組む。

武蔵野銀行様と連携している千葉・武蔵野アライアンスは、首都圏を基盤とする両行ならではの連携として、店舗ネットワークの効率化に取り組んだ。共同店舗である秋葉原支店浜松町法人営業所、シンガポール駐在員事務所、池袋支店の設置を行った。東邦銀行様とも店舗運営の効率化のため、共同拠点として水戸法人営業所を設置した。

第四銀行様とは事務共同化として、基幹システム・事務部門の共同化を推進している。また相続関連業務では千葉銀行は早くから遺言信託などに取り組んできた背景があり、他行の相続関連業務・信託業務をバックアップしている。千葉に大きな被害をもたらした先日の台風15号で、千葉銀行の鋸南支店は営業休止となったが、TSUBASAアライアンスで連携する東邦銀行様から移動店舗を提供いただいた。鋸南支店の駐車場に用意し、ATM取引をはじめ、法人・個人を問わず相談をお受けする窓口も開設することができた。

サービスのデジタル化の推進役として、T&Iイノベーションセンターをご紹介する。フィンテックの調査・研究、サービス開発を行っている会社だ。もっとも大きな取り組みは、オープンAPIによるオープンイノベーションの促進だ。外部の各種取引を共通基盤にAPIでつなぐ方式で、非対面で完結するサービスを拡充させる。APIサービス事例として、マネーフォワードなどPFMとの連携、finbeeとの連携、デジタル通帳などがある。APIを生かし、オムニチャネルやキャッシュレス決済も推進中だ。

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