本邦金融機関におけるリスクベースの内部監査の実務~内部監査部門長/品質評価者・指導者による個別監査の監督・指導のポイント~


新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の影響により、 内部監査実務にも変化が求められるフェーズに入った。また、リモートでの監査も多くなり、監査プロセスにおける課題((1)With/Afterコロナ環境下における効率的・効果的な内部監査の要請、(2)現行監査メソドロジーの見直し<監査品質・監査資源・所要時間等>)も浮き彫りになってきた。こうしたなか、内部監査部門長/品質評価者・指導者(以下、監査部長等)による監査実務の把握が困難な状況に陥っていないだろうか。本記事では、その解決に向けて、監査部長等の立場・視点から考察してみたい。

目次

最後に

内部監査の実務における様々なバイアス等の留意点を踏まえ、リスクベースの内部監査の実務設計・構築が必要である。また、個別監査の結果をまとめて振り返り、全体を通して出てきた課題をつなげて考えると、新たな発見を見出すこともできる。 こうして、監査部長等による個別監査の「監督・指導」の要点を押さえることにより、「内部監査の果たすべき役割」が発揮されることを期待したい。

記事における意見やフレームワーク等は筆者の個人的見解によるものである。勤務先(明治安田生命保険相互会社)の事例ではなく、公式な見解を示すものではない

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寄稿
明治安田生命保険相互会社
監査部 上席監査品質指導役
十河 隆 氏
保険金部、契約部等を経て、監査部にて内部監査を14年間従事。かつて、保険金部在任時「不適切な保険金等の不払い」による行政処分を受け、未曽有の事態に対応、その際、内部監査の重要性を痛感した。現在は内部監査のスーパーバイザー業務を専任。内部監査にかかるセミナー講演、日本内部監査協会 CIAフォーラム研究会座長として、内部監査部門・内部監査人の悩み、課題解決に向けて研究活動を取りまとめている。
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