エクスペリアンが推進するクラウド型金融リスク管理プラットフォームのご紹介
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【講演者】
- エクスペリアンジャパン株式会社
デシジョンアナリティクス ゼネラルマネージャー長谷 一生 氏<エクスペリアンの事業概要>
当社のミッションはデータを最大活用し、個人や企業、社会に好機をもたらすことで、より良い未来を築くお手伝いをすることである。長年グローバルで培った信用情報サービスの知見、AIやマシンラーニングを活用した金融ビジネスに特化したアナリティクス技術、柔軟かつ動的にシミュレーション可能な審査エンジンが強みだ。日本国内では企業信用情報サービスやリサーチサービス、信用リスク管理・アナリティクス等を提供している。グローバルでは、44カ国の営業拠点をベースに、1万7,800名の従業員が、約90カ国で事業を展開しており、1年間に35億件以上の審査を行い、13億人以上の個人と1億6,000万社以上の企業に対する信用情報を提供する信用データとアナリティクスにおけるマーケットリーダーである。一方、日本国内では、海外企業の信用情報サービス、各種リサーチサービス、信用リスク管理ソリューション、オンラインでのID認証と不正検知、アナリティクスサービス、顧客セグメンテーションのサービスを提供している。金融機関のお客さまに、信用リスク管理ソリューションとアナリティクスを通して、お客さまの戦略目標をサポートする分析をベースに、顧客への適切な意思決定を行い、持続的に大幅な成長と収益拡大を実現するための支援を行っている。
<クラウド型信用リスク管理ソリューションとは>
オンプレミスの審査システムは、初期投資が高く、維持・拡張のため高いコストを支払う必要がある。クラウドにすることでこれらの費用を資産から販管費に移すことができ、使用した分だけ支払う従量課金に移行可能だ。スケールアップやダウンが容易であり、インフラが陳腐化してしまうリスクを軽減することができる。また、バージョンアップの対応については、システムを定期的にアップデートし、最新でセキュアな状態で提供される点や提供までのリードタイムも非常に短いといった点もメリットだ。信用リスク管理のワークフローでは、顧客のステージに合わせた、さまざまな戦略や意思決定が要求されるため、初期与信・途上与信・回収の各フェーズに合わせた対応が必要となる。当社の「PowerCurve」シリーズはいずれのフェーズにも対応可能だ。エクスペリアンのクラウドへの取り組みについて、これまで長年、オンプレミスで提供してきた製品群を、順次クラウドサービスへと転換している次第だ。すでに米国、英国、そして、アジア・パシフィックにおいては、オーストラリア、シンガポール、インドで、すでに、クラウドによる信用リスク管理やID認証、不正検知ソリューションを提供している。来春には、日本でもサービスを開始する予定だ。
当社のプラットフォームでは、高度なカスタマイズが可能なオプションと汎用的なテンプレートを用いるオプションの2種類を用意している。単一のポータルサイトから展開されているアプリケーションへのアクセスを可能にし、外部のビジネスインフォメーション機能などへ接続可能となっている。さらに、本番環境とテスト環境の複数の環境を提供し、お客さまは自由に新しい戦略をシミュレーションすることが可能だ。ダウンタイムのない、シームレスなアップグレードにより、お客さまは、常に最新の製品を利用頂ける。
その他、セキュリティ面でも、金融機関のお客さまのセキュリティ要件を満たす設計であり、お客さまのビジネスの成長や季節変動にも柔軟に対応でき、システムが自動的にキャパシティをスケーリングする。また、BIツールもプラットフォーム全体で共有されるため、全てのアプリケーションからレポート作成ツールを利用できる。
<クラウド型信用リスク管理ソリューション「PowerCurve」>
初期与信における顧客獲得のプロセスは、審査判定の自動化やシステム統合など現在のシステムで対応できない課題を抱えている。「PowerCurve Customer Acquisition」、あるいは、「PowerCurve Origination」でこれらの課題を解決できる。「PowerCurve」では、初期与信のプロセスをデジタル時代へと移行させ、顧客情報を収集する負担を軽減し、さまざまな信用情報、不正情報、内部データを活用して、顧客の全容を把握することが可能だ。高度な分析と、迅速かつ自動化された審査判定を適用することで、堅実で収益性の高い顧客を獲得し、リスクが高すぎる顧客をかわすことができる。また、不確実性がある場合、スマートなワークフローにより、例外を迅速に解決する。組み込みのレポートは、顧客獲得プロセスのパフォーマンスを評価するのに役立ち、業務の強化に必要な洞察を提供している。
初期与信プロセスは、申請者についてより多くのことを学び、その情報を収集することから始まるが、「PowerCurve」を活用することにより、容易に行う事ができる。設定可能な画面で、申請者情報、商品の詳細、および資料を素早く取得することや、既存のデジタルチャネルで使用されているフォームから、申請者情報を柔軟なAPIで統合が可能だ。その後、「PowerCurve Customer Acquisition」では、事前に構築された広範かつ豊富なデータソースを使用し強化することができる。またデータから有用な知見を抽出、自動化されたデータに基づいた審査判定により、堅実で収益性の高い顧客の獲得が可能だ。調整可能なパラメーターを使用して簡単にソリューションを構成、パワーと柔軟性のあるカスタムメイドソリューションを実現する。補完機能、専門知識、統合されたプラットフォームがPowerCurve Customer Acquisitionの特徴だ。
<プラグアンドプレイ型のID認証と不正検知ソリューション「CrossCore」>
CrossCoreは業界初となるプラグアンドプレイ型のID認証と不正検知のプラットフォームだ。クラウドで提供されるサービスで、多層式の防御機能を備えているのが特徴だ。マルウェア感染、ログイン、認証情報の売却、実行といった一連のシナリオの各ステップに対して、必要なID認知や不正機能を適用し、カスタマージャーニー全体を不正から守る。具体的なソリューションの機能について、いくつか紹介をする。デバイスインテリジェンスであり、デバイスが持つさまざまな固有の情報を基に、多角的にアカウントの保有者本人のものであるかどうかを検証している。
コンソーシアムは不正利用者に関するデータベースであり、業界全体で協業して不正データを蓄積し、共有できる仕組みを提供している。不正による損失を削減して誤検知を低減させる。生体認証による脅威シグナルでは、Webやモバイル内を移動する顧客行動をモニタリングし、機械やプログラムが操作していないか判定する。アプリケーションを操作するスピードやデータの精度、ナビゲーションのスムーズさなどを基に判断している。
メールのリスクスコアリングでは、グローバルなデータコンソーシアム、データベースと機械学習を活用し、特定のメールアドレスに対して、リスクスコアを提供している。ドメイン、IPアドレス、送信者情報、ジオロケーションなどを基に、不正がないかをチェックしている。
不正リスクエンジンでは、申請者本人の申請情報と、申請に用いられたデバイスからの情報を照合し、不正につながるエビデンスがないかを検証している。また、「CrossCore」のプラットフォームは、エクスペリアンが用意している、さまざまな不正検知機能だけでなく、API接続によりサードパーティーのバッキングアプリケーションなども連携することが可能であり、日本国内のベンダーが開発したeKYCや、ドキュメント認証機能などとも統合することができる。例えば、申請者が日本に居住しており、日本国内で勤務しているにも関わらず、デバイスが不正に改ざんされている、位置情報が海外である場合、アカウントが不正に乗っ取られている可能性が高い。<最後に>
エクスペリアンは製品の開発体制だけではなく、データラボと呼ばれるデータサイエンティストと、AIや機械学習の専門家集団を擁し、さらに、700名以上のアナリストがお客さまをサポートしている。この機会に、エクスペリアンジャパンの信用リスク管理ソリューションやID認証、クラウド上での不正検知ソリューションのご導入をご検討いただけると幸いだ。
- エクスペリアンジャパン株式会社