2021年8月5日(木)開催FINANCE WEBINAR「ローコード革命:金融機関のデジタルイノベーションを実現するためのテクノロジーとは」

2021年8月5日(木)開催FINANCE WEBINAR「ローコード革命:金融機関のデジタルイノベーションを実現するためのテクノロジーとは」

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2021年8月5日、セミナーインフォ主催FINANCE WEBINARにてOutSystemsジャパン株式会社 廣瀬 晃 氏にご登壇をいただき「ローコード革命:金融機関のデジタルイノベーションを実現するためのテクノロジーとは」についてご講演いただいた。

ローコード革命:金融機関のデジタルイノベーションを実現するためのテクノロジーとは

廣瀬 晃 氏
【講演者】
OutSystemsジャパン株式会社
ソリューションアーキテクチャ 部長 廣瀬 晃 氏

<OutSystemsとは>
当社はグローバルで2001年、日本では2017年から営業しており、高生産性プラットフォームのリーディングカンパニーである。現在、1,400社以上のお客さまにご利用頂いており、金融機関は200社以上採用頂いている。提供しているOutSystemsはモバイルアプリやウェブポータル、ウェブアプリケーション、バーチャルアシスタントの他、基幹システムの開発にも対応した業界をリードするローコードプラットフォームである。既存のシステムと連携し、数百万人規模のユーザーにも対応可能なアプリケーションを作成、管理できる。日本においてはまだ知名度は低く、小さな会社であるが、投資家の方々には評価を頂いており、今年の2月には評価額1兆円という算定を頂いた実績もある。現在、当社を含めてローコードアプリケーション開発企業は、高い期待を頂いており、調査会社のガートナー社の予測によると、2024年までに全てのアプリケーションの開発のうち6割以上は、このようなプラットフォームで使用されると考えられている。

<金融機関における活用>
現在、銀行や保険会社などに多くの企業に利用いただいている。銀行業界でもリテールの銀行、投資銀行など幅広く利用頂いており、保険会社については、世界各国で生命保険、火災保険、その他保険などで導入実績がある。B2C、B2B、個人のお客さま、法人のお客さま向けのウェブサイトやモバイルアプリ、行内業務など様々な業務を安全かつ円滑に開発する事が可能だ。そのほかにも基幹業務にも使われており、従来までホストコンピューターにて行われていた重要かつ複雑な計算や処理業務などでも使用が可能だ。 導入されている金融機関の声として、自動化に関する評価が高い。OutSystemsは、ソフトウエアの開発や運用に関わる様々な作業を自動化する仕組みになっており、自動化によって人的ミスの削減することができ、総合的に高い品質が保てる点が評価されている。その中でも品質について3点、評価されている。1つ目が「セキュリティ」だ。金融機関ではとにかく高いセキュリティが求められるのが特徴だ。OutSystemsでは、セキュリティに関して様々なものを自動化しているため、結果として人のミスが減り、高度なセキュリティが保てるという評価を頂いている。2つ目は「スケール」である。大規模、複雑な処理を行う必要がある点も金融機関の特徴であり、大規模、複雑なソフトウエアになればなるほど自動化は有益であると共通した意見を頂いている。最後に「UI/UX」だ。OutSystemsでは、組み込みで多言語化対応や目が不自由な方が使いやすくなるアクセシビリティー対応などを備えている。またモバイルアプリ、ウェブアプリのUI/UXの自動対応が可能であり、評価されている。 そのほかにも既存のプラットフォームや既存のデータベースとの連携、改善をサポートする自動化機能により、サービスアーキテクチャを陳腐化させない点、自動化による高いROIが得られる点が評価されている。

<自動化されている業務について>
OutSystemsを利用時に、自動的に200以上のセキュリティ対策が行われており、セキュアなコーディング、アプリケーションの認証・認可、通信の保護や保持しているデータの保護、暗号化による保護なども、自動的に行われるため、安心して利用頂ける。 OutSystemsを使用せずに開発した場合、ウェブアプリケーション・モバイルアプリケーションなど端末で動くもの、データベースサーバー、アプリケーションサーバーなど、様々な人間が作成した言語で実行されることがよくあるアプリケーション形式である。ここで重要になるのが統合であり、それぞれの部品、HTML、JavaScript、CSSなど、一貫性を持って動き続ける必要があり、さらにはサーバー内、端末内だけじゃなくて、サーバー間、サーバーと端末の間でも、一貫性を持って矛盾なく動き、連携する必要がある。しかしながら、人的ミスが発生しがちであり、動かなくなる、一貫性がない、あるいはつながらない、技術的に通信がされないという事象が起こる場合がある。一方OutSystemsを使用頂くと、それぞれの部品の作成から配置まで全て自動的に行うため、人的ミスによる影響を無くすことができ、便利であると評価されている。 またアーキテクチャレビューの自動化も行っている。自動化ができていない場合、レビュー件数が増えるため、アーキテクチャに不備が出て、結果としてメンテナンスの時間、バグの修正時間が増加、いわゆるレガシー化が起こるが、OutSystemsであれば、コードレビューは自動的に行い、直すべき場所、リファクタリングすべき場所を自動的に指摘してくれる。結果として、技術的な負債がたまらないような仕組みが構築できる。 最後に、UI/UXに関しても、自動的な作成がサポートされており、様々な業務に適用できるテンプレートを用意している。テンプレートを使用し、プロトタイピング、さらにプロトタイピングの結果を本番に反映させる作業が自動的に行える仕組みが内包されているため、設計・分析から実装、ユーザーの受け入れ試験もスムーズに行える。そのほかにもアクセシビリティーの対応も自動化しており、目が見えにくいような方々が間違いなく使えるような、さまざまな規格に則ったUIというのを自動的に作れるようになっている。 また代表的なアクセシビリティテストツールにも対応をしているため、安心して利用頂ける。

<各社の事例:thinkmoney・Union Bank・Santander・Post Office>
イギリスの新しい銀行であるthinkmoneyでは、OutSystems使用し、モバイルアプリや行内のアプリを作成している。モバイルアプリに関しては、3.5カ月で初期のリリースバージョンの開発した実績がある。また様々な継続的な改善にて、当社のプラットフォームの機能を使用し、通常のコーディングでのリリース期間と比べ、6倍ぐらいの速度で開発や機能の追加、メンテナンスも行えている。結果として、コンバージョンレート、いわゆる銀行のお客さまにご利用いただく割合に関しては30%以上増えており、マーケティングのコストを順調に削減している。 フィリピンの銀行Union Bankでは、銀行のデジタル化を進めていくという目的でOutSystemsを活用頂いた。2年間で80%以上のお客さま対応をデジタル化の実現や6か月で消費者のローンに関するエンドツーエンドのプロセスをデジタル化、基幹システムとの統合による各種サービスなどの提供を実現している。2019年には『Asiamoney』という雑誌で、最も優れているデジタル銀行という評価を受けている。 次に、自動車ローンや消費者ローンなど消費者向けの様々な金融サービスを提供されているSantanderでは、OutSystemsを使用し、基幹システムのリプレースを行った。元々、メインフレームを使用し、大規模なバッチの仕組みを動かしていたが、この大規模なバッチの仕組みを3年間で70%、OutSystems上に移行させることに成功した。結果として各部署において、3年間で14個アプリケーションを開発し、事業のデジタル化を実現した。従来まではウォーターフォールで時間をかけて開発をしていたが、アジャイルに、素早く、安心して、安定したサービスが作れるようになり、組織変革の実現に貢献したと評価を頂いている。また、自動車ローン関連のビジネスの売上は3年間で34%以上向上し、開発改善の速度は約7倍上昇させるなどの成果を残している。 最後に、イギリスのPost Officeでは、新しい保険のサービスの開発を4カ月で実現した。OutSystemsの上で、デビットカードのサービスと、保険のサービスの提供を開始し、開始後3カ月で10万人のお客さまを獲得し、25%のトラベルマネーシェアを獲得している。

<OutSystemsの活用用途と効果>
当社では、去年末からプラットフォームの企画支援サービスを提供しており、世界50社以上で活用頂いている。当社プラットフォームについて、質問表やツールなどを活用し、短期間で導入効果を算出し、検討支援している。OutSystemsでの拡張計画を検討頂けるお客さまには無償で提供をしている次第だ。実際に、TCO、ROI、アプリケーションの作成にあたっての想定効果など、頂いたデータや当社保有している公開情報などを活用している。優先順位の決定、さらに実現方法の決定、実現可能範囲の決定を含めて提案を行う。当社の開発者1名が張り付き、5日間作業を行い、御社専用のプロトタイプアプリケーションの開発を行い、成果として当アプリケーションの連携や5日間での開発における速度の証明を行うサービスである。興味をお持ちいただけ方は、当社のウェブサイトから無償トライアルの登録が可能なため、体験していただきたい。