顧客本位のサービス革新
~コンサルティングプラザの専門性を活かした銀行のオンライン接客手法~

【講演者】
ベルフェイス株式会社
金融第一営業局 局長
一色 良成 氏

<当社の紹介>

ベルフェイス株式会社は2015年4月27日に設立され、電話面談システムbellFace(ベルフェイス)の開発・提供を行っている。主な事業内容として他に、インサイドセールス コンサルティング、セールスビッグデータの解析及びコンサルティングもある。

<銀行業界におけるプラザ(専門店舗)設置の背景>

人口減少や来店顧客が減少し、手数料収入も減少している。一方で顧客ニーズは多様化しており、チャネルや紹介する金融商品なども多様化している状況だ。行員の教育や維持コストの課題もあり、従来は営業店で持っていた機能を集約する動きが活発になっており、その一環としてプラザを設置する動きも進んでいる。

銀行プラザに関するアンケート調査

アンケート調査は2つあり、1つ目は地方銀行にお勤めの全国22~60歳の男女が対象だ。2つ目の対象は1都3県および5大都市を除いた、39府県在住の50~70代の方だ。

調査の結果、銀行におけるプラザの設置割合は約79%もあり、従来からあるローンプラザに加え、近年では資産運用相談に特化したコンサルティングプラザも多く設置されている。プラザに対するニーズに関しては、銀行側・お客さま側双方で高いニーズがあることが調査結果から分かっている。プラザが設置されていることは、顧客満足度へも良い影響をもたらす。

運用相談のニーズは顕在化していない

プラザは銀行側からも顧客側からも高いニーズがあり、顧客満足度にもプラスの影響があることから、引き続き強化していくべき領域だ。しかし実際にプラザを利用して運用相談をしたことがある人は、調査結果ではわずか16%だ。直近1年以内で84%の方が銀行の店舗を訪れているが、訪れた理由の89%は預金の引き出しで、資産運用の相談は8%、ローンの相談は4%しかない(複数回答可)。この結果から、運用相談のニーズが顕在化していないことが分かり、ニーズ喚起を行っていく必要がある。

銀行側の主な課題は人材の確保・育成

プラザにおける課題(複数回答可)を聞いたところ、人材の確保・育成が52%を占めてトップ、他の部門との連携が36%、オンラインが実装されていないことが26%であった。専門スキルを持った人材の確保・育成が難しく、十分なリソースを確保できていないことが伺える。限られたリソースの中で、効率的に営業活動を実施する必要がある。

<プラザにおけるオンライン接客事例>

1つ目の事例は、運用相談特化店舗における訪問・オンラインのハイブリッド営業だ。コンサルティングプラザ(運用相談特化店舗)にてハイブリット営業を実現することで、面談数・顧客接点数の増加、ならびに遠方のお客様への効率的なアプローチを実現した。

bellFace導入前は、コンサルティングプラザでエリア全域を担当しており、遠方のお客様への訪問に工数がかかっていた。また、専門スキルを持った人材のリソースに限りがあるため、面談数・顧客接点数に限界があった。bellFace導入後は、コンサルティングプラザでオンライン面談を取り入れることで、顧客接点数が増加し、営業生産性が向上した。また、お客様がいつでも・どこでも相談できる体制を確立し、顧客利便性の向上を実現した。

2つ目の事例は、相談窓口の拡充による顧客利便性の向上・提案機会の創出だ。来店顧客の相談窓口をリモートチャネルで拡充し、最寄りの店舗でも気軽に運用相談が可能になった。

加えて自宅でも相談を受けられる環境を整備した。bellFace導入前は、お客様の相談内容によっては、通常店舗では対応できずマネープラザへ来店いただく必要があった。お客様に来店の負担を強いるため温度が下がりやすく成約しづらかった。また、約束の日になって直前のキャンセルも多くリソースが活用できなかったのも課題であった。bellFace導入後は、お客様が通常店舗に来店された際もローカウンターにご案内し、リモートマネープラザと接続し、その場で運用相談・約定手続きができるようになった。お客様が自宅にいる場合も同様の面談が可能となった。

電話面談システム bellFaceの導入実績

bellFaceは国内No.1オンライン商談ツールであり、大手金融機関をはじめ、幅広い導入実績がある。2022年7月の累計有料契約数は3,600社を突破し、2022年度(予測)金融業界シェア率は71.4%を獲得した。銀行、証券、保険をはじめ、幅広い業種でご利用いただいている。一例を挙げると、みずほ銀行様、野村証券様、SMBC日興証券様、住友生命様などだ。

<電話面談システム bellFaceの特徴>

bellFaceは電話を起点として約定~営業プロセス分析まで実現可能な金融機関にフィットしたプロダクトだ。1つ目の特徴は電話をベースとした接続で、お客様の事前準備は一切不要だ。位置づけとしては非対面であり、かつWeb会議よりも営業品質の高いサービスとなる。インターネットに繋がるPCやスマホがあれば、資料を画面で共有しながら面談ができる。音声は電話を利用し、電話の延長で簡単に接続が可能だ。

2つ目の特徴は提案~約定まで実現可能なことで、メールアドレスを知らないお客様に対してもその場で必要書面(目論見書)の電子交付が可能だ。インターネットバンキングや通話録音システム等、既存資産を活かした形で、オンライン面談中に約定手続きまで実現する。

3つ目の特徴は、営業活動のプロセス分析ができることだ。ブラックボックス化している面談の中身をデータ化し、ハイパフォーマーの面談を可視化する。可視化することで、コンサルティング提案スキルの水準向上と、成長速度の加速を支援する。

電話をベースとした接続によって生み出す価値

bellFaceは電話よりも質の高い提案ができ、訪問・来店型営業よりも生産性高く営業活動が可能だ。bellFaceは訪問・来店と電話の間に位置しており、電話よりも高品質で、訪問・来店よりコストダウンをしながら接点可能数を向上させることができる。

提案から約定まで完結

bellFaceで対応できる範囲は、問合せ、ヒアリング、提案、書面交付、約定だ。Web会議システムだと問合せ~提案までに限られてしまうが、bellFaceは目論見書の交付~約定までを一気通貫で実現できる。

郵送・紙での書面交付を削減し、コスト削減を実現可能だ。メールアドレスを知らないお客様にも即時交付ができる。約定手続きは、インターネットバンキングや通話録音システム等、既存資産を活かした形で実現できる。オンライン面談で約定まで完結できることで、訪問や郵送にかかるコストを削減するだけでなく、リードタイムの短縮、契約率の向上も実現する。お客様側ではアプリインストール等の事前準備は一切必要なく、営業担当のフォローを受けながら、簡単に手続きができる体験を提供する。

<営業活動のプロセス分析>

bellFace利用により蓄積された、営業や接客の録画データを分析し、営業力強化へ寄与する。面談の録画録音データを分析し、トッププレイヤーの提案ノウハウを可視化できる。これにより、顧客本位なコンサルティング人材の育成支援に繋がると考えている。提案の流れをテキストログとして蓄積、分析することで、ハイパフォーマーとローパフォーマーの提案ストーリーの違いを可視化することもできる。また、CRMに蓄積している「結果」に対する営業データと、bellFaceに蓄積している「プロセス」に対する営業データをかけ合わせ、適切な戦略立案をサポートすることも可能だ。

◆講演企業情報
ベルフェイス株式会社:https://bell-face.com/