2023年2月7日(火)開催 FINANCE FORUM「データドリブンによる金融業界の競争力強化」<アフターレポート>


2023年2月7日(火)セミナーインフォ主催 FINACE FORUM「データドリブンによる金融業界の競争力強化」が開催された。市場の変化・他業種からの参入など、金融機関の競争環境は益々激しくなっている。金融機関は、これらの状況を踏まえ、大量に保有するデータを利活用することで、新たなビジネスモデルの創出・競争力強化・収益向上・顧客体験の向上など、大きな変革に取り組んでいる。本フォーラムでは、基調講演にて 三菱UFJフィナンシャル・グループ、特別講演にて住信SBIに最新の事例をご紹介いただいたと共に、データ利活用に役立つテクノロジーについてご紹介した。

目次

「データの持つ力を開放して金融機関の競争力を強化するデータ分析の実現」

【講演者】
クリックテック・ジャパン株式会社
営業本部エンタープライズ営業部 
アカウントマネージャー
吉田 浩之 氏

Qlikについて

当社は分析を通じて、データから価値を引き出すプラットフォームを提供している。ガートナー社からは「アナリティクス&BIプラットフォームについてのマジック・クアドラント」において、12年連続でリーダー企業の位置づけをしていただいた。当社をご存じの方はBIツールのイメージをお持ちの方も多いと思うが、近年はデータ統合の領域でもサービスを展開している。金融機関様に関して、グローバルで2,000社以上の採用実績があり、データ活用の支援をさせていただいている。

金融機関様を取り巻く環境

金融機関様を取り巻く環境は楽な状況ではなく、新型コロナウイルスの蔓延で非対面ビジネスへ大幅にシフトせざるを得ない状況となった。銀行様では店舗数を縮小してネットバンキングに注力されたり、保険会社様でも非対面で契約行為を実施されたりするなど、デジタル化が急速に進んでいる。長引く低金利環境や国内人口減少で、いかにお客さまを維持しながら、ライフタイムバリューを最大化させるかも問われている。ITシステムの肥大化や情報のサイロ化も課題だ。DXやデータ活用の推進により、顧客起点のビジネスモデルを進化させて、収益を確保する必要がある。

金融庁の「金融機関のITガバナンス等に関する調査結果レポート」

こちらのレポートでは、金融機関様のデジタルシフトについて4つの世代に分けており、第4世代が金融プラットフォーマーであり、現状のデジタルシフトのゴールだ。メガバンク様や一部の先進的な地銀様は、第3世代のDXサービス段階に位置付けられている。多くの金融機関様は第1世代や第2世代であり、DXの推進段階に留まっていると考えられる。

同レポートではDXを成功させるために欠かせない要素が5つ挙げられ、その中に顧客起点と開発体制がある。この2つはITシステムによって支援が可能な領域と考えている。DXを成功させるのに重要な要素は、データ分析による顧客ニーズの常時把握、クラウドサービスの活用、勘定系システムとの連携だ。

DX推進におけるシステム面の課題

多くの金融機関様では、クラウド環境にデータ分析・活用基盤を構築されているが、メインフレームへ大きな負荷がかかるようなツールは使えない。クラウドに大量のデータを転送すると回線がひっ迫し、連携に多大な時間がかかる。仮にバッチ処理でデータを転送できたとしても、日次や週次など過去情報が主で、お客様の瞬間をタイムリーに捉えることはできない。

金融機関様のDX/データ活用の促進に向けて

こういった課題に対し、Qlikはデータ統合とデータ分析の両面からお客様を支援している。当社のデータ統合サービスはエージェントレスであるため、既存システムへの負荷を最小限に抑えた連携が可能だ。メインフレームのデータを開放し、分析可能な状態に持っていくことができる。リアルタイムで現行データを常時連携することで、ネットワーク回線の太さの影響を受けづらく、変化する情勢や顧客状況をタイムリーに分析基盤に反映させることができる。大規模利用でも高速処理可能なBIツールを提供しており、誰でも簡単にデータから洞察を得られる環境の実現が可能だ。

解決事例①:大手生命保険会社様

ここからはデータ統合の領域を中心に、導入事例についてご紹介する。ある大手生命保険会社様はクラウド上に新しい情報分析基盤を構築することを検討されていたが、メインフレームの基幹システムから毎日数百GBのデータを転送させる必要があり、転送時間が課題であった。そこで当社のデータ統合サービスの「Qlik Replicate」を利用することで、大量のデータを圧縮し、Azure環境へ転送することが可能になった。

解決事例②:PayPay銀行株式会社様

PayPay銀行様の口座数は2022年3月末時点で約602万、預金残高は約1.5兆円で、ピーク時には1時間あたり67万あまりの取引が行われていた。多様なサービスと連携しており、業務量や顧客数の増加に伴うデータ量の肥大化も課題であった。Qlik Replicateを採用いただき、オンプレミスのオラクルからAmazon Redshiftへの転送を実現された。

解決事例③:China Securities社

China Securities社は中国の国営証券会社で、投資戦略の最大化のため資産の動きをリアルタイムでよりよく理解する必要があった。また従来のデータレプリケーションソリューションは煩雑で遅く、エラーが発生しやすいのも課題であった。当社のQlik Replicateにより、複数のシステムからのデータを迅速かつ自動的に照合できるようになった。

解決事例④:Bank BTPN社

Bank BTPN社は、インドネシアで最も勢いのある銀行の1つだ。新しいデジタルサービスをいち早く市場に投入したいと考えていたが、データはコアバンキングシステムに保持され、リアルタイムな活動についての洞察を得ることができなかった。販売機会があっても逃してしまうという課題を抱えていた。そこでEnterprise Data Hubを構築し、データ連携にQlik Replicateを採用いただいた。その結果、何千ものソースから大量のデータを毎日簡単に取り込むことができ、ほぼリアルタイムのデータによって、顧客の詳細な状況を瞬間に把握できるようになった。

解決事例⑤:Swiss Life社様

保険および資産管理サービスの大手プロバイダーである同社は、バックエンドシステムの顧客データを一元的に集約管理することで、ポータルやアナリティクスなどで活用できるデータインデックスの確立を目指していた。Qlik ReplicateによってDB2からオラクルに移行し、お客様の取引情報をリアルタイムで把握できるようになった。

解決事例⑥:Zurich Insurance社様

過去合併や買収が繰り返され、独自のシステム群やポリシーが散在し、正確なデータを取得するのに苦労されていた。データ活用のための投資を決断され、データ連携のQlik Replicate、分析ソリューションのQlik Sense、自動レポーティングのQlik NPrintingを採用いただいた。その結果、工数およびレポート数を削減し、効率を向上させることに成功。自動化とビジュアライゼーションの点でQlikが最適であったとの評価もいただいている。

Qlik アクティブインテリジェンスについて

データ活用では、データの鮮度や粒度、ツールの難易度、分析からアクションへの繋がらなさが課題だ。データドリブン経営のあるべき姿は、リアルタイムで正しいデータを使い、必要な人が必要な時に気付き、データに基づいて迅速に行動することだ。アクティブインテリジェンスは当社の掲げるビジョンで、データの発生元から統合、管理や分析、行動に至るまで一連の流れをすべてご支援する。

アクティブインテリジェンスの実現の為、データ統合とデータ分析のポートフォリオを含むデータパイプラインの構築を通じて、お客様のDXやデータ活用を支援できるクラウドソリューションであるQlik Cloudを展開している。データをリアルタイムに連携しながら、データの変換や、データの変動に合わせて自動的にアプリケーションを動かす仕組みなどを提供している。集約されたデータの可視化や分析については、従来から強みとしているアナリティクスもある。アクティブインテリジェンスのビジョンに基づき、アクショナブルにデータを活用できるソリューションを提供可能だ。

◆講演企業情報
クリックテック・ジャパン株式会社:https://www.qlik.com/ja-jp/

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