2021年10月21日(木)開催 INSURANCE FORUM「保険分野における顧客接点構築のためのデジタルアプローチ」<アフターレポート>


2021年10月21日(木)セミナーインフォ主催 INSURANCE FORUM「保険分野における顧客接点構築のためのデジタルアプローチ」が開催された。昨今の新型コロナウイルスの世界的流行により、保険業界においてもデジタルを活用した非対面チャネルの有効性が顕著にあらわれている。さらに、チャネルの多様化により、アプローチの手段は高度化しており、求められる技術は高くなっている。顧客にとって最適なアプローチを行うためには、顧客の動向を素早くキャッチし、適切なタイミングで行動することが求められている。本フォーラムでは各保険会社による最新事例をご紹介いただいたほか、協賛企業各社による最新のデジタル技術をご紹介した。

目次

「キーエンスの高収益を支えるデータ活用術~保険業界での活用事例~」

渡辺 遼太郎 氏
【講演者】
株式会社キーエンス
データアナリティクス事業グループ
渡辺 遼太郎 氏

株式会社キーエンスのご紹介

当社は、1974年の設立以来、FA用センサーをはじめとする高付加価値商品を通じて、主に製造業の現場の生産性・品質向上に貢献してきた。25万社以上の顧客を持ち、過去25年間、平均10%を超える成長を遂げ、50%を超える営業利益率を誇っている。その成長を支えているのがデータ活用にほかならない。その経験を基にビジネスユーザーがプログラムなしでデータからビジネス課題の因果を発見し、施策を見つけられるよう『KI』というソフトを自社開発し、科学的な経営に役立てきた。現在、KIはデータ活用ノウハウとともに金融機関をはじめ数百社のお客様に提供している。 提供形態はツールだけの提供ではなく、データを基に組織の生産性を高めるプログラムという形で提供している。データ分析のソフトウェア「KI」と、当社の担当データサイエンティストによるデータ活用の支援「カスタマーサクセス」の2つを掛け合わせて、データドリブンな組織の実現に向け、伴走支援している。

既に金融機関の数十社以上のお客様をご支援させていただいており、保険業界ではエムエスティ保険サービス様など、複数の保険会社にご活用いただいている。

保険業界を取り巻く環境

保険業界を取り巻く環境は大きく変化しており、「コロナウイルス」「顧客行動の変容」「低金利環境」などの要因がある。これらに対しお客さまからも、生命保険会社においては、対面営業やライフプランニングが困難な点、損害保険会社であれば、コロナ禍での新車売上台数の減少傾向に伴い、保険の契約数が減少している点が課題であるという話を伺う。これらの状況を踏まえ、顧客一人一人の理解を深め、リアルとデジタルの両チャネルを最大限に活用した企業活動が必要であると考えている。

ファーストコンタクトから見積や契約、契約管理、保険金支払い、更新や解約等、それぞれのステップにおいて、さまざまなデータを収集することができるため、収集したデータをうまく活用することが重要である。

保険業界の活用例のデモンストレーション

一例として、「保険の契約率」を最大化させることをテーマとしたデモンストレーションをご覧いただく。顧客の属性情報が記録されている顧客マスタ、問合せ記録、営業記録データをKIに取りこみ、データの紐づけのためのリレーションの設定と分析の目的の設定をおこなうだけで、分析を実行することができる。

実行後は、特徴量を生成し、考えられる膨大な仮説をデータの中から自動的に全て洗い出し、今回の分析で有効なものを評価、発見する事が可能だ。同じことを人がおこなう場合、仮説を作って検証するステップだけで1~2カ月の時間を要する大変な作業であるが、KIを使うことによってそれを数分、数十分という短時間で分析することができる。分析結果を基に、次の目的に向けてのアプローチを促す表示や、棒グラフと折れ線グラフにて成約率の推移を示すこともでき、ビジネスインパクトの大きい課題層を確認することができる。さらに、シミュレーション機能を活用し、複数の改善施策を行った際に、どれぐらい成約率に影響を与えることができるかを検証することができる。

たとえば、KIのターゲットリスト機能では、成約率の高い優良層の選定およびグループ化することができ、そのグループに共通している特徴を表示できる。さらに優良層の特徴に該当するお客さまをスコアリングし、優先順位付けすることも可能だ。いつ、誰に、何を提案すべきか、これらの精度を上げることにより、営業の確立を極限に高め、収益の拡大や解約の防止につなげることができると考えている。また、営業員のパフォーマンス分析によって、組織全体の募集人のスキルの標準化やスキルの底上げを支援することが可能である。

もちろん、ターゲットリストの抽出は、KIの活用用途のほんの一例であり、他にも人事部門やDX部門など含め、多くのビジネス部門のデータ活用の景色を激変させることができる。

キーエンスの伴走支援サービス

伴走支援(カスタマーサクセス)について紹介する。KIの導入後は金融機関担当のデータサイエンティストがつき、ご導入直後の操作の習得はもちろんのこと、分析の準備、設計、実際の分析、施策の立案・実行、振り返りという一連の流れに沿って、文字通り伴走型の支援をおこなっている。

また、このようなデータサイエンティストによる支援に加え、e-Learningシステム「KIサクセスサイト」では、様々な金融機関の分析スキルの向上やケーススタディーなどの役立つコンテンツや、金融機関に特化した分析マニュアルなどが、続々と公開されており、金融機関のDX人材育成に活用される例も多い。

たとえば、京都中央信用金庫様からは、「コミット感があり、データサイエンティストの伴走があることによって、これまでに経験したことのない充実したものとなっている。」と声をいただくなど、KIはツールだけでなく、これらのキーエンスのデータ活用ノウハウを駆使した伴走型支援がデータ人材育成につながっていると、多くの金融機関のお客様から非常に高い評価をいただいている。

◆講演企業情報
株式会社キーエンス:https://www.keyence.co.jp/ki

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