Web3.0ファンドの法務-日本/ケイマンのストラクチャーからベスト・プラクティスへの示唆


「Web3.0」という言葉が今日のビジネス社会を賑わせている。ビジネスにおいて各人のWeb3.0に対する意識は日に日に高まっており、もはやWeb3.0という言葉を聞かない日はないと言っても過言ではない。
これは投資ファンド業界においても同様であり、「Web3.0ファンド」に対する高い関心が示されている。
伝統的なVCファンドと比べ、Web3.0ファンドは様々な差異が存在し、実務においては日々専門家がベスト・プラクティスを模索している。特にWeb3.0ファンドはエクイティ投資のみならず、トークン投資(あるいはそのハイブリッド)を取る形が多く、既存のファンド・スキームでは対応できないことも多い。また、投資家及び投資対象のいずれもがボーダー・レスであり、当事者が日本のみならず、東南アジアや中東に拡散していることから、クロス・ボーダーの要素が強く、VCのファンド・マネージャーはこうした需要に対応する必要がある。
よって、Web3.0ファンドについては、原則として日本のファンド・スキームとケイマン・ファンドをはじめ、オフショア・ファンドをミックスしたストラクチャリングを通じてなされることが多い(※1)ところ、筆者らの知る限り、こうした野心的なストラクチャリングを行うWeb3.0ファンドにおける考慮点について法的観点から詳述しているものは日本において見当たらない。
そこで、本稿では、日本法とオフショア法(※2)の両観点から、実務上の示唆を述べる。

目次

デフォルト・スタンダードたるケイマン籍ファンド

ケイマンは主たる投資ファンドの法域として、クロス・ボーダー案件を取り扱うファンド組成において、世界各国のファンド・マネージャー及び投資家に好まれている(※16)。ケイマンがファンドにおいて際立った存在感を有していることについては、例えば下記の理由が挙げられる。

脚注
※16)2022年6月末時点でミューチュアル・ファンドが12,935件、プライベート・ファンドが15,343件登録されている。

(1)租税中立性

ケイマンは非課税であり、ケイマン・エンティティにはいかなる課税(法人税、キャピタルゲイン税、所得税、源泉徴収税、資産税、相続税等)もなされない。
これにより、特にクロスボーダーの資金移動が含まれるトランザクションにおいて、ケイマン・ビークルを利用することで追加的な課税は一切ない。

(2)コモンローをベースによりビジネス・フレンドリーに発展

ケイマン法はグローバル・スタンダードである英国コモンローを基礎としつつ、より柔軟な対応を可能としている。

  1. より柔軟なストラテジーの選択が可能
    例えば、アセットタイプについて制限がなく、円建て・外貨建てのいずれでもファンド持分(※17)を保持できる。
  2. スピード感
    投資ビークルの設立自体は1-2営業日、規制当局であるケイマン金融庁(Cayman Islands Monetary Authority: CIMA)へのファンドの登録も数週間で完了する。
  3. 先端的な規制フレームワーク
    ケイマンは早期に強固なKYC (Know Your Client)、AML(Anti-Money Laundering)の立法・施行を行い、グローバルで採択されているFATCA(Foreign Account Tax Compliance Act)、CRS(Common Reporting Standard)にも参加し、OECDやEUの要請にも協調的であり、可能な限りOECD/EUスタンダードの法体制に合わせようとしている。
    これにより、(特に機関)投資家は自身のステークホルダーに対してケイマンを利用することを正当化しやすい。
  4. 「ケイマン」というブランド
    ケイマンは主たる国際金融センターとしての地位を築いており、オフショアのゴールデン・スタンダードとなっており、ケイマン・スキームはファンド・マネージャー/投資家の共通認識となっている。ファンド・マネージャーは投資家に対して「なぜケイマンか?」を説明するという追加的な負担を負わない。
  5. 適切な紛争処理機関及び高度人材のプールが豊富
    紛争は、非常に経験豊富かつ洗練された裁判官(多くは英国本国にて高等法院以上の裁判所判事を経験)により審理され、本国ロンドンの枢密院が終審裁判所となり、本国と同水準レベルで紛争処理がなされることを期待できる。
    著名なケイマン法を取り扱う法律事務所は香港・シンガポールオフィスを通じて、アジア・タイムゾーンのクライアントにタイムリーにサービスを提供している。所属弁護士は、多くが英国マジックサークル等の一流ファームからリクルートされたコモンウェルス圏(※18)の有資格者であり、英語のみならず流ちょうなアジア言語にて対応可能な者も多い(※19)。
    主要な会計事務所はケイマン・オフィスを持ち、アジア主要都市のオフィスと協力して税務、監査等のサービスを提供している。

脚注
※17)ビークルによって株式、LP持分、ユニット等
※18)英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、香港、シンガポール、南アフリカが代表的である。
※19)多くの場合は中国標準語や広東語であり、ビジネスレベルで日本語によるコミュニケーションが可能な者は現時点では限られている。

(3)投資ビークル及び基本的なストラクチャー

ケイマン・ビークルとしては、免除会社(Exempted Company)、免除リミテッド・パートナーシップ(Exempted Limited Partnership: ELP)、分離ポートフォリオ会社(Segregated Portfolio Company: SPC)、LLC(Limited Liability Company)、ユニット・トラスト(Unit Trust)がある(※20)。
世界的な潮流としては、オープン・エンド型のヘッジ・ファンドについては、会社型が主要な投資ビークルとして選択される(※21)のに対し、クローズド・エンド型のPE/VCファンドはパートナーシップ型のELPが選ばれることが多い(※22)(※23)。
そこで、本稿では、クローズド・エンド型のELPについて解説する。
ELPは日本の投資事業有限責任組合とほぼ同様のコンセプトであり、無限責任を負うGP(General Partner)がファンドの運営を行い、投資家は有限責任を享受する代わりにファンドの運営には関与しないLP(Limited Partner)として当該パートナーシップに参画する(※24)。ファンドはパートナーシップ契約(Limited Partnership Agreement :LPA)による柔軟な制度設計が可能である。Web3.0スタート・アップのエクイティ/トークンは投資の際には非上場であることから流動性がなく、ファンドはLPによる自由な償還ができないクローズド・エンド型として設計されるのが一般的である。また、ファンド・マネージャーはLP出資を受け入れるファースト・クロージングの段階では往々にして具体的な投資対象を定めておらず、適切な投資対象を選定次第、キャピタルコール方式でLPから資金を集め、出資していく(いわゆるブラインド・プール方式)。

脚注
※20)各ビークルの特徴については、范宇晟「ケイマン籍ファンドの実務‐ケイマン・ユニット・トラストを中心に」金法2134号30頁および范宇晟「海外籍(ケイマン)ファンド概説(1)(2)(3)」国際商事法務事情47巻12号1479頁、48巻1号36号および48巻2号179頁を参照されたい。
※21)投資家の入れ替わりが頻繁であり、各種類株式によって画一的に処理できることがメリットであろう。
※22)ただし、必然性はなく、オープン・エンド型パートナーシップやクローズド・エンド型免除会社も可能である。
※23)ユニット・トラストは投資信託への投資を好む機関投資家がSMA(Separate Managed Account)を設定したり、個人投資家用のリテール・ファンドに利用されることが多い。
※24)これに対して、CVC(Corporate Venture Capital)では、LPの有限責任が担保される限度において、LPが当初からGPと協議を重ね、ストラクチャーを定めることが多いと思われる。

(4)プライベート・ファンド法

クローズド・エンド型ファンドは原則プライベート・ファンド法の規制に服する。プライベート・ファンドとは「会社、ユニット・トラストまたはパートナーシップで投資持分(※25)を募集・発行し、その目的・効果は投資家資金をプール(※26)し、投資家をして当該エンティティによる投資の取得、保持、運用または処分により利益、利ざやを得せしめるもの」(※27)と規定されている。
プライベート・ファンドの要件は以下のとおりである。

  1. 目論見書(あれば)
    CIMAが定める必要的記載事項(※28)を開示する必要があり、原則として
     1.募集対象となるエクイティ持分の重要事項
     2.その他投資家のインフォームド・コンセントに資する重要事項
    が対象となる。
    (a)関係書類の提出
      1.CIMAへの申請書
      2.ビークルの認証書類(※29)
      3.ビークルの基本規定(※30)
      4.監査人の同意書(※31)
      5.ファンド・アドミニストレーター(あれば)の同意書
      6.ストラクチャーチャート
      7.AMLオフィサーの詳細(CV等)
  2. 継続要件
    (a)取締役(※32)はフォーアイズ原則により、二名の自然人(※33)の選任が必要であり、これを継続する必要がある。
    (b)ケイマン・ローカル監査人による監査
       監査済み報告書を各事業年度終了から6か月以内(※34)にCIMAに対して提出することが必要である。
       財務書類は国際財務報告基準(IFRS)または米国、日本、スイスもしくはその他非高リスク国において一般的に認められている会計基準(GAAP)に従って作成及び監査する必要がある。
    (c)純資産価値(「NAV」)計算(※35)、ファンド資産の分離管理(※36)等につき関連するCIMA基準を遵守する必要がある。
    (d)目論見書につき重要事項の変更が生じた場合、21日に以内にこれをCIMAに報告しなければならない。
    (e)毎年ファンド年次報告を提出し、1月15日までにCIMAの年会費(※37)を支払う必要がある。

脚注
※25)該当する投資持分はnot redeemable or purchasable at the option of the investorと定義される。ヘッジ・ファンドのような、流動資産へ投資する、いわゆるオープン・エンド型は別途ミューチュアル・ファンド法の規制に服する。
※26)そのため、単独投資家しかいないファンドはこの定義に該当しない。
※27)a company, unit trust or partnership that offers or issues or has issued investment interests, the purpose or effect of which is the pooling of investor funds with the aim of enabling investors to receive profits or gains from such entity’s the acquisition, holding, management or disposal of investments
※28)https://www.cima.ky/upimages/regulatorymeasures/Rule-MarketingMaterials-RegisteredPrivateFunds_1591021479_1599582197.pdf
※29)ELPではCertificate of Registration
※30)ELPではLimited Partnership Agreement
※31)監査人はケイマン当局が認可したローカルの監査人が要件となっており、日本のファンド・マネージャーは大手/中堅監査法人のアジア・オフィス(例:東京、香港、シンガポール)がリエゾンして対応していることが多い。
※32)税務やコンプライアンス等諸事情の要請から、サービス・プロバイダーから斡旋された独立取締役を取締役会の過半数とすることが多い。独立取締役は、基本的に会計士や弁護士のバックグラウンドが多く、基本的にはビジネス判断の意思形成過程が関連法、基本規定の規定を遵守しているか否かという手続き面の審査を行うのみであり、これが適正であれば、ビジネス判断そのものについてはマネージング・ディレクターたる取締役の意思決定を尊重するのが通常である。
※33)あるいは法人取締役の取締役を通じて間接的にこれを達成する。
※34)CIMAはその裁量による期間延長ができる。
※35)https://www.cima.ky/upimages/regulatorymeasures/Rule-CalculationofNetAssetValues-RegisteredPrivateFundsJuly2020_1594925913_1599582325.pdf
※36)https://www.cima.ky/upimages/regulatorymeasures/RevisedRule-SegregationofAssets-PrivateFund_1599832964.pdf
※37)2022年8月末現在、約4,300米ドルとなっている。

(5)その他ファンド関連の主要規制法(※38)

  1. 反マネーロンダリング法(Anti-Money Laundering: AML)
    ケイマンファンドはケイマン法において求められるAMLに適合する必要があり、投資家についてリスクベースでの評価が必要であり、適格なAMLオフィサーを選任する必要がある(※39)。
  2. 金融口座に関する自動的情報交換(Automatic Exchange of Information: AEOI)
    ケイマンはAEOI体制に服しており、ほぼ全てのケイマン・ファンドは、米国関係でFATCA、その他の国との関係でCRSに適合する必要があり、AEOIの登録、投資家の関連情報につきデュー・デリジェンス及びケイマン税務情報局(Cayman Tax Information Authority: TIA)へ報告を行う必要がある(※40)。TIAはかかる情報を自動的に関連する対象法域の税務当局へ報告する(※41)。
  3. 実質的所有者法
    免除要件に該当しない限り、その支配権に関するエクイティ持分の10%以上を直接的間接的に保有する者についてケイマン当局に報告する必要がある。
  4. ケイマン・データ保護法
    いわばケイマン版GDPRであり、投資家からの個人情報取得およびその利用につき、インフォームド・コンセントを得る必要があり、個人情報を適切に処理しなければならない。
  5. 証券投資事業法
    ケイマンにおいて設立または登録されている証券の運用を行う投資マネージャーおよび証券の助言を行う投資アドバイザーについては、原則CIMAに登録し、その継続要件を遵守なければならない(※42)。
  6. 経済実体法
    「該当事業」を行う「該当事業体」については、ケイマン領域内において経済実態を創出しなければならず、かつこれをケイマン当局に報告する必要がある。投資ファンドは該当事業体の定義から明示的に排除されており、ファンド・ビークルをケイマンにおいて保有することのみをもってケイマンにおいて経済的実体を創出すべき必要性はないという点は注意されたい。
    ファンド・マネージャーとの関係では、法的拘束力を有する投資意思決定を行う投資マネージャーがこれに該当することおよび法的拘束力を有しない助言のみを提供する投資アドバイザーがこれに該当しないことが重要である(※43)。

脚注
※38)より詳細な解説は拙稿「海外籍(ケイマン)ファンド概説(3)(4)」国際法務事情48巻2号179頁および同巻6号751頁を参照されたい。
※39)AMLチェックはファンド・アドミニストレーターへ委任され、AMLオフィサーも外部専門家へアウトソースすることが通常であるため、詳細はここでは触れない。
※40)AML同様に基本はファンド・アドミニストレーターに委任することが通常であるため、詳細はここでは触れない。
※41)例えば、香港居住民についてはHKIRD、英国居住民についてはHMRC、日本については国税庁
※42)上述のとおり、日本のファンド・マネージャーにおいては、日本に投資マネージャーを置くのが通常であり、敢えてケイマンの投資マネージャー、投資アドバイザーを置く必要性に乏しいと思われ、本稿ではこれ以上詳細について触れない。
※43)そのため、投資マネージャーか投資アドバイザーかという点は決定的に重要である。

(6)Web3.0ファンド固有の考慮点

ア Web3.0ファンドでは投資対象にトークンを持つことから、VASP法(Virtual Asset Service Providers Act)の規制業種となるかが問題となる。

VASP法はFATF提言に基づいて立法化されたものであり、仮想資産サービスを業として行うケイマンエンティティ(仮想資産サービス業者)は登録やライセンスが必要となる。
そこで、Web3.0ファンドがかかる仮想資産サービス業者に該当するかが問題となる。

仮想資産サービスとは、仮想資産の発行(※44)または以下の業を行うもの:

  1. 仮想資産と法定通貨の交換
  2. 交換可能な仮想通貨同士の交換
  3. 仮想資産の譲渡
  4. 仮想資産のカストディ・サービス
  5. 仮想資産の発行、販売に関連する金融サービスへの参加、提供

とされている。

「仮想通貨」はFATFの定義をベースに、「デジタルな価値を表象するものであり、デジタルに交換、譲渡可能であり、支払いまたは投資に利用できるが、法定通貨をデジタルに表象するものではない」とされている。
このような幅広い定義を採用しているため、Web3.0ファンドが投資対象とするトークン(※45)は、その機能、性質に関わらず、この定義に当てはまることが想定される。
他方で、投資ファンドはいわゆる集団投資スキームであり、投資家資金をプールして投資を行うという行為態様は、原則として仮想通貨取引所、プラットフォーム、カストディアンを想定した上記の仮想資産サービス類型と明確に異なるものであり、自身のファンド持分をトークン化して発行しない限り、一般にVASP法の規制対象とはならない。

脚注
※44)かかる発行は公募を想定していると解されている。
※45)これに対し、一般論としては、NFTは仮想通貨の定義に当たらないものが多い傾向にある。

イ 上記のとおり、法令上はトークン投資を行うことによって特段伝統的なVCファンドと変わるところはないが、オペレーションではいくつかの考慮要素がある。

まず、非上場のトークンについてのNAVの計算については、未だに定まった計算方法が確立されておらず、ファンド・マネージャー、ファンド・アドミニストレーター、監査人との間で日々ベスト・プラクティスを模索しているように思われる。
また、トークンによる現物出資を受け入れる場合、伝統的なVCファンドが銀行口座への送金の形でドロー・ダウンを行うのに対し、ブロック・チェーンによりいわゆるウォレットへ移転されることになるため、投資家に対するAMLチェックもブロック・チェーンを介して行う必要がある。
こうしたオペレーションについては、伝統的なファンド・アドミニストレーターが必ずしも対応しているとはいえず、適切なサービス・プロバイダーを選定する必要がある。
さらに、ELPがパートナーシップ型であることから、いわゆるパススルーにより税務上は投資家はトークンを直接保持しているとみなされることになり、前述4(4)アで触れた期末時評価課税等の税務上の考慮から、例えば投資対象が首尾よくIEOとなった場合に売り圧力がかからないよう、最適な税務ストラクチャーを構築する必要がある。

(7)日本法上の問題

ファンドビークルとしてケイマン籍等の海外のビークルが使われる場合であっても、当該ファンドに日本の投資家が含まれうる以上は、原則として日本の金融商品取引法が適用される(※46)。
ケイマン籍リミテッド・パートナーシップは、外国の法令に基づく権利であって、国内の組合型ファンド(投資事業有限責任組合等)に類するものとして、金商法2条2項6号(外国籍の集団投資スキーム)として扱われる。したがって、ケイマン籍リミテッド・パートナーシップの投資家に日本の居住者が含まれる場合の取扱いは、概要、上記4(3)「組合型ビークルに適用される国内法規制」に記載したものと基本的に同等となる。
すなわち、日本の投資家に対するLP持分の募集勧誘に関して第二種金融商品取引業の登録又は適格機関投資家等特例業務の届出が必要となる。他方で、日本の投資家から出資を受けた金銭を主として暗号資産に投資する場合には、投資運用業には該当せず、また、暗号資産交換業の登録も不要と考えられる。
更には、上記4(4)イで触れた、トークンを発行するWeb3.0事業者側の暗号資産交換業該当性についても、トークンの受け手であるケイマン籍リミテッドパートナーシップが外国の法主体であるため、トークンの発行者となるWeb3.0事業者側も外国法人であれば(※47)、当該トークンの販売は日本国外で行われる行為であるとして、暗号資産交換業規制の適用は基本的に問題とならないものと考えられる。

脚注
※46)この点については、櫻井拓之=范宇晟『【連載】若手弁護士2人が語る日本とケイマンのPE/VCファンド』(Business Lawyers 、2021年)の第3回目の記事を参照されたい。
※47)上述4(4)アのとおり、現状は多くのWeb3.0事業者は国外で起業されているという実態がある。

おわり

Web3.0ファンドについては、上記のとおり様々な法務、オペレーション、税務、会計、監査の課題に対して、実務において未だ確固たるプラクティスが確立されておらず、日々解決策を模索している。
本稿を通じて、こうした課題や実務の考慮点が考慮されて実務の発展に資することができれば望外の喜びである。

櫻井 拓之 氏
寄稿
弁護士法人 大江橋法律事務所
弁護士及びニューヨーク州弁護士
櫻井 拓之 氏
弁護士法人大江橋法律事務所パートナー。ファンド及び金融規制法を専門とする。2006年京都大学法学部卒業、2008年京都大学法科大学院修了、2017年ニューヨーク大学ロースクール修了(LL.M.)。2014~2015年金融庁総務企画局市場課勤務(改正金融商品取引法立案担当)、2017年~2018年Harneys法律事務所香港オフィスにて研修。
范 宇晟 氏
寄稿
Harneys法律事務所 香港オフィス
弁護士、ニューヨーク州弁護士ならびに英国および英領バージン諸島ソリシター
范 宇晟 氏
パートナー弁護士(ファンドおよび規制法担当)。
オフショア法(ケイマン諸島、英領バージン諸島、バミューダ諸島、ルクセンブルク、キプロスおよびアンギラ)を扱うHarneys法律事務所香港オフィス勤務。
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