多くの成功事例から学ぶ!
到達率99%の「SMS(ショートメッセージ)」を 活用した金融業界における顧客接点のDX化の進め方

【講演者】
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
ビジネスメッセージ・サービス部
部長/エバンジェリスト
黒田 和宏 氏

1. 顧客コミュニケーションにおける課題

あなたが上司から「顧客1万人に連絡するように命令されたらどの手段を選ぶだろうか?」しかも、1万人全員と必ずコンタクトしなければならない。多くの人の連絡手段は、電話、メール、手紙の3つに絞られるだろう。しかし、電話は応答率が比較的高いものの、コストや手間がかかる。メールや手紙は開封率が低い上に、反応自体が分からない。「連絡手段は沢山あるが、顧客に対してより有効な連絡手段がほしい」というのが、全ビジネスパーソンの悩みではないだろうか?

その悩みを解決するのが我々の提案するSMS=ショートメッセージサービスだ。
SMSには大きく5つのメリットがある。

  1. 誰にでも届く
  2. 着眼率が高い
  3. 反応率が高い
  4. ずっとつながる
  5. コスト削減効果が高い

SMSはスマートフォンにプリインストールされているので面倒な設定が不要で、使用することができる。携帯電話番号さえ分かれば、誰にでも発信することができる。通知・プッシュで届き、短文なので誰でも読みやすいので、着眼率が高い。SMSの中にURLがあれば、クリックするだけでWebに誘導できる。「折り返し電話してください」とメッセージに電話番号を記載しておけば、タップすると電話することができる。ユーザーを誘導しやすいので、反応率が高くなる。ナンバーポータビリティでキャリア変更しても電話番号は同じで、ずっとつながることができる。電話をかける手間や通信費、封筒の印刷代や配送費用と比較して低コストで発信できる。

電話、郵便物、メールと比較しても、SMSは到達時間も早く開封率と費用面で圧倒的に勝るツールであると言える。唯一のデメリットは伝達情報文字が最大で670文字という点だが、簡潔にメッセージを伝える工夫につながり、決してマイナスだけではないと捉えている。

<2. 業界別SMS活用成功事例>

次は具体的にSMSがどのように活用されているか業界別で紹介したい。

クレジットカード業界 株式会社ジェーシービー様>

ジェーシービーは情報伝達手段として、郵便、電話、eメールを使っていたが、ユーザーに連絡が届かなくなっていた。住所変更されていて、郵便物が戻ってくるケースもあった。重要情報なので連絡をとりたくてメールしても、他のメールに埋もれていた。

 NTTコム オンラインのSMS送信サービス「空電プッシュ」が、コンタクト手段を多様化する切り札になった。

  • 申込内容や登録内容に不備があった場合の案内
  • 新規登録内容の確認や設定依頼の案内
  • 追加サービスの案内
  • お客様アンケートのご依頼

など、さまざまな場面でSMSによる連絡を活用している。その結果、プッシュ通知を設定しているユーザーが多いことで、通知に気づかれやすくなった。また「知らない電話番号には出ない」ケースでも、ジェーシービーの名前を出すことで安心して見られるようになった。メールよりもSMSの方が分かりやすくて喜ばれるという声もある。急ぎの案内やキャンペーン案内にも活用している。

<生損保業界 少額短期保険ハウスガード株式会社様>

少額短期保険ハウスガードでは地域で災害があると、コールセンターに問い合わせが殺到して、電話がつながりにくくなり、顧客対応に遅れが生じていた。

そこでNTTコム オンラインはSMSとビジュアルIVRの併用を提案した。問い合わせの回線が埋まっている場合に、携帯電話番号宛にSMSを送信。リンクをタップするとビジュアルIVRページへとび、事故対応受付やFAQサイトへ誘導する。

導入の結果、FAQサイトのアクセス数が増加した。FAQサイトでも解決しない場合は、折り返しの電話受付の予約もできるようになった。災害時の繋がらない状態を解消し、顧客に安心感を伝えられるようになった。またコンタクトセンターのひっ迫を防止し、従業員の負担も軽減された。

<三井ダイレクト損害保険株式会社様>

顧客への連絡の課題も、SMSによって解決できる。申込みや書類の確認、加入後のアフターフォロー、未入金の対応も可能だ。三井ダイレクト損保は個人向けの通販型自動車保険を取り扱っており、以前から顧客接点のデジタル化を推進していた。お客さまサポート部では、チャットボットなどが普及する中、新たな顧客とのコミュニケーションツールを模索していた。損害サポート部では、事故が発生した際に連絡する場合、日中仕事中の電話は繋がらない。反応率の高い新たな連絡ツールが必要だった。

SMS導入の結果、車検証の返送率が45%から80%へと大幅アップし、アンケートの回収率が30%から40%になった。損害サポート部はSMSによって、事故後顧客とスピーディーに連絡がとれるようになった。

<あいおいニッセイ同和損害保険株式会社様>

あいおいニッセイ同和損保では、近年の自然災害の増加により保険金請求が短期間に集中していた。従来は大規模災害が起きたときだけ、各地から人員を集めて人海戦術で乗り切った。しかし、未曾有の大災害が起きた場合は、日常の業務にも支障が出る程だった。DX化だけでは、大規模災害には対応できなくなっていた。特に水害は「家屋が何㎝水に浸かったか?」という現物確認のため、鑑定人の立ち合い調査が必要だった。コロナ禍に入ると、遠隔地から派遣された鑑定人との接触が敬遠され、リモート環境への対応が必要だった。

そこでNTTコム オンラインはSMSで送られたURLをタップするだけでビデオ通話を開始できる「ビデオトーク」を提案した。

このサービスを活用することで、損害の状況がビデオ越しで確認できるようになった。浸水の跡の測定も顧客に跡をメジャーで当ててもらい対応できた。顧客からは非常に使いやすいと高評価をもらった。また鑑定人の訪問が不要になり、移動時間を削減。鑑定人の受け持つ件数も増えた。保険料支払いの必要日数も短縮した。ユーザーや採用企業から、ビデオトークを選んだ理由の88%が「簡単に利用できる」とされるほど簡単さを評価されている。

<明治安田生命保険相互会社様>

明治安田生命のコミュニケーションセンターではアンケート方法に課題があった。アンケートは別の部署が年に1回、郵送で送付していた。50項目ある質問事項のうちコミュニケーションセンターに関する質問は5項目で、1回のアンケートで入る回答は年間約500件程度だった。1日1500件〜2000件の問い合わせを受けるコミュニケーションセンターの顧客満足度を把握するための情報量としては不充分だった。客観性のあるリアルな声を集めることが求められていた。

そこで、導入されたのがSMS送信によるアンケートの回収だった。SMSアンケートなら顧客の声を簡単な操作で集めることができる。コミュニケーションセンターに入電のあった問い合わせの中で、アンケートの対象となる顧客に対してSMSを送信する。顧客はSMSに記載されたリンクを開くことで、専用フォームへ飛び、アンケートに参加する。SMSを送信のあった翌営業日に、対象を絞って一斉送信される。アンケートの回収率が20%を超え、入電データとアンケートが簡単に紐付けできるため、オペレーターのどういう応対が顧客満足度に繋がるのかがすぐに分かるようになった。その結果、82%という高い顧客満足度を得ることができた。

このアンケート手法を訪問型サービスにも横展開され、アンケート回収率が50%を超えた。

<銀行 PayPay銀行株式会社様>

PayPay銀行ではマネーロンダリング対策の一環として継続的顧客管理が急務となり、新しい顧客への連絡手段を探していた。送付してもメールを見ない顧客が一定数いて、個人情報を扱うため誰が担当してもミスなく扱えるUIが必須だった。

そこで、メールでは反応のない顧客にはSMSでリーチし、義務づけられた継続的顧客管理の一役は空電プッシュが担った。

メールで回答しない顧客に対してアプローチできただけでなく、操作ログ機能によって想定外の操作有無を把握・管理できるようになった。SMSはマネーロンダリングだけでなく様々な銀行業務にも対応できる。認証アプリの本人確認、ローンなどの審査結果などの業務連絡、郵便物の不着連絡、事前通知、督促、アンケート、キャンペーン、お問い合わせ対応などが利用可能である。

<証券業界>

最後に、営業活動時の顧客連絡として利用している証券会社の例をご紹介する。新商品の連絡をしたいが既存顧客に連絡が取れないことが課題だった。郵送物は見てもらえているか分からない。相談のアポイントをもらったが、顧客が留守の場合がある。営業担当が個別に連絡しているが会社として誰にどういったメッセージを送っているか管理できていない。

これらの課題もSMS送信サービス「空電プッシュ」を活用して連絡することで、スムーズなコミュニケーションが可能になった。また管理画面上にSMS送信履歴が残るため、会社がきちんと管理できるようになった。新商品の案内を送ったり、相談やアポイントの約束の確認をしたり、これによって、日中忙しい顧客に間違いなく連絡を届けられる。証券業界でも、これまで紹介した業界と同じような連絡に加えて、商品の満期や更新の連絡や新商品やキャンペーンの案内を届けることができる。

<まとめ>

以上、保険、銀行、証券業界におけるSMSの活用事例を紹介した。似通う部分もあるが、それぞれの業界によって微妙に課題が変わってくる。連絡が届かない顧客に対して、着実にメッセージを届けられるツールとしてSMSは有効だ。業界の課題だけでなく、エンドユーザーのCXの向上も期待できる。

これまで紹介した「空電プッシュ」「ビデオトーク」「ビジュアルIVR」「SMSアンケート」に続いて、新たにプログラマブルなSMS API「Karaden SMS API」がリリースされた。API連携を検討中の際は是非ご検討いただきたい。

◆講演企業情報
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社:https://www.karaden.jp/contactcenter/