「顧客起点による非対面チャネル推進とプライバシー規制に準拠する同意管理」
- 【講演者】
- ティーリアムジャパン株式会社社
シニアアカウントエグゼクティブ
石垣 謙 氏
<はじめに>
金融機関のお客様を担当する中で、顧客起点のアプローチの実現やプライバシー規制への対応、データ活用基盤の費用対効果の算出が難しいなどの悩みを伺う機会が増えてきた。そこで、今回は弊社のデータ活用基盤について紹介しながら、金融機関の方の疑問に答えていければと思う。
弊社ティーリアムは市場ではCDP(カスタマーデータプラットフォーム)に分類されるソリューションを提供している。弊社のCDPは、ファーストパーティCookieを使って自社サイトを訪れた顧客のデータを収集・統合し、様々なチャネルに連携して活用することを可能にするプラットフォームである。特徴として、当社はタグマネージャーを保有しており、様々な媒体のタグを管理する機能とデータ活用基盤の機能を1つのプラットフォームで提供できるのが大きな強みとなっている。
現在、弊社では上記のプラットフォームの提供を通して国内金融機関をはじめとする様々な企業をサポートしている。
<デジタルマーケティングのあるべき姿>
ティーリアムの機能について詳しく紹介する前に、まず非対面チャネルでマーケティングを行う上で重要なことについて確認しておきたい。
顧客起点のマーケティングを行う上で重要なのは、ユーザー1人ごとに4Rの概念でユーザーに対してアプローチをすることだと言われている。4Rは、正しいお客様に対して、正しい商品を、正しいタイミングで、正しいチャネルで案内する、ということを意味する。実際に4Rの概念を実際の施策に落とし込む上で大切なポイントは3つある。
1つ目は、顧客1人ごとのウェブの行動データ、属性データを常に最新の状態で保有することである。
2つ目は、複数の端末・ツールに点在しているデータを統合することだ。それぞれの端末ブラウザのデータや自社で保有しているデータを1つに統合させ、オンラインとオフラインで統合した顧客プロファイルを構築する。
3つ目は、統合された顧客プロファイルデータを手作業による抽出をすることなく、すぐに様々なチャネル(例:メール&LINE配信ツール、MA、Web広告、Web接客、アプリ、CRM 等)に対して連携させることだ。統合したデータをもとに様々な配信チャネルにデータを連携させ、一人ひとりの顧客に対して最適なエンゲージメントを行うことが可能になる。
これらの3つのポイントを守ることで、4Rの概念に沿った顧客起点のマーケティングが初めて実現できるのだ。
<ティーリアムの特徴>
上記で紹介した4R実施のために必要な作業を可能にするのが、ティーリアムのプラットフォームである。
弊社のCDPはリアルタイムでの顧客情報の収集し、統合顧客プロファイルを構築、複数チャネルへの連携を1つのプラットフォーム上で、一元的に行うことができるソリューションだ。
ティーリアムの特筆するべき特徴としては、顧客一人ひとりに対してバッジ(ワッペン)という属性データをつける機能があげられる。ティーリアムのタグをWebサイトに設置すると、そのタグからファーストパーティのCookieが生成され、それをもとにサイトを訪れた顧客のWeb行動データを収集することができる。そして、収集したWeb行動データから、その顧客に合ったバッジ(ワッペン)を付与できる。このワッペンは顧客のWeb行動や自社保有のデータを弊社CDP環境に投入するとリアルタイムに更新され、常に最新の状態に保たれる。
最新の顧客1人ごとの属性データの集まりとして、顧客プロファイルが構築される。
さらに、構築された顧客プロファイルデータは、顧客のWeb行動が事前に決めた条件に合致した際にタグ、APIによって様々な配信ツールに自動でリアルタイムに連携される。
これによりオンライン、オフラインで統合された顧客プロファイルデータを様々な配信チャネルに連携させて、チャネル横断でのOne to Oneマーケティングを実現させる事ができる。
<事例紹介>
弊社サービス利用の金融機関では、上記で紹介したティーリアムの機能を活用した結果、適切なリターゲティングのコールによってコンバージョンが大幅に高まった、リアルタイムのデータ活用によってチャンスを逃さずにユーザフォローができる様になった、などの成功事例がある。
例えば、ある銀行様では、カードローンを検討している顧客の状態に合わせて、「カードローン検討者バッジ」「契約手続き停滞バッジ」「契約完了者バッジ」といった属性データを顧客に付与し、適切な広告表示やフォローアップを行っている。
この様に商品起点で一斉にお客様に案内を行うのではなく、顧客起点で顧客の態度変容を捉え、手動でのデータ抽出作業をする事なく、最適なチャネルに自動でデータを連携させて、顧客アプローチが行えるのがティーリアムのメリットである。こうしたメリットから非対面チャネルの強化、DXを推進したい金融機関でのティーリアムを導入&活用も非常に増えてきている。
<データ基盤導入の際の費用対効果について>
顧客データ基盤は、デジタルマーケティングを進めていく上では有用なツールである。しかし実際に導入を検討するとなると、費用対効果が気になるという企業担当者の方も多いのではないだろうか。ここでは弊社サービスを利用されている金融機関での費用対効果の考え方と実例について簡単にご紹介差し上げたい。
まずは下記の図をご覧いただきたい。弊社サービスを利用されているある銀行の場合、ローン商品の申し込みフォーム離脱者に対してバッジ(属性データ)を付与し、優先的にアウトバウンドコールを実施した。
この施策では、約65000通のSMSを配信後、ランディングページの閲覧者が4891件いたが、222件のフォーム離脱者がいた。このフォーム離脱者に対してバッジを付与し、コールセンターにデータを連携させタイムリーにフォローコールを行った結果、追加で21件の仮申し込み完了を獲得できた。
この後、21件の仮申し込み完了者の融資実行の移行率、ローン商品の1人ごとの平均生涯収益を算出して施策ごとの収益効果を算出している。
弊社では、ティーリアムを使って実際に行っていただいている施策、効果実績、費用対効果の算出方法を可能な範囲で共有している為、ご興味があれば是非一度、お問い合わせをいただきたい。
<改正個人情報保護法に準拠する同意管理と表示事例>
デジタルマーケティングを考える上で欠かせないのが、顧客データである。しかし、顧客データの収集方法をめぐっては改正個人情報保護法などから規制が強まってきている。すでに顧問弁護士と対応を検討されている担当者の方も多いのではないだろうか。
欧州ではすでにGDPRによるCookieデータ規制が進んでおり、日本でもやがて欧州の様な規制が行われることが予想されている。その為、顧客データの扱いやCookie利用に関する同意管理をどうするかは、今後マーケティングを行っていく上では重要な課題である。国内の金融機関でもWebサイトに同意画面を表示させる企業が徐々に増えている印象がある。
弊社のCDPは、こうした複雑化する同意管理にも対応したプラットフォームである。ティーリアムでは、タグマネージャーを保有しており、同意画面の表示と同意結果のデータをタグ、APIで各プラットフォームに連携させる事ができる。
同意管理は、同意ボタンのみ、同意&拒否ボタン、の他に各カテゴリーごと(アナリティクス、ディスプレイ広告、検索、パーソナライゼーション 等)に取得して、各ツールとの連携も可能だ。すでに弊社サービスを利用されている一部の企業様でも簡易的に同意画面の表示が始まっている。
貴社においても顧客データの利用同意とデータ活用を1つの基盤で実現できる弊社ソリューションをご検討いただければ幸いである。
弊社サービスの公開事例としてJCB、常陽銀行、山形銀行の事例冊子があるので、是非、弊社Webサイトからダウンロードいただきたい。
また、直近では足利銀行での採用リリースも行っており、ティーリアムx足利銀行での検索より閲覧できるので参考にしていただきたい。以上、ありがとうございました。
◆講演企業情報
ティーリアムジャパン株式会社:https://tealium.com/ja/