2023年4月20日(木)開催 INSURANCE WEBINAR「コンタクトセンター改革がもたらす顧客体験価値の向上と保険ビジネスの成長」<アフターレポート>


2023年4月20日(木)セミナーインフォ主催 INSURANCE WEBINAR「コンタクトセンター改革がもたらす顧客体験価値の向上と保険ビジネスの成長」が開催された。昨今における急速なユーザーのライフスタイルの変化やチャネルの多様化に対応すべく、国内保険会社のコールセンターにおいてもテクノロジーを活用したマルチチャネルへの対応に向けたコンタクトセンターへの改革が進められている。従来の電話対応のみでは得られなかった顧客データの取得を可能とし、顧客一人一人に合わせた最適な問い合わせ対応の実現を加速させている。本ウェビナーでは、基調講演に明治安田生命保険相互会社、特別講演にて損害保険ジャパン株式会社にご講演いただき、最新事例をご紹介いただくとともに、各社より、コンタクトセンターの取り組みの一助となるセミナーをお届けした。

目次

多くの事例から学ぶ!
急成長チャネル「SMS(ショートメッセージ)」を活用した生損保業界DX化の進め方

【講演者】
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
ビジネスメッセージ・サービス部
部長/エバンジェリスト
黒田 和宏 氏

当社について

当社はNTTグループ内でデジタルマーケティング事業を担う会社として、約10年前に設立された。現在は3つの事業を展開しており、私が携わるビジネスメッセージ・サービス事業、データ&アナリティクス事業、デジタルマーケティング事業だ。いずれの事業も、「データ活用とテクノロジーで、企業の進化を支え抜く」ことをミッションとしている。

ビジネスメッセージ・サービス事業は、電話番号の中に、新しいコミュニケーションサービスを創ることをビジョンに掲げており、SMSを中心としたプラットフォームで事業を拡大している。付加価値を付けるためアンケートやクーポン、電子帳票、自治体向けショートメッセージなどのサービスも展開している。

生損保業界の加入者様・未加入者様とのコミュニケーションにおける課題

保険業界におけるお客様とのコミュニケーションが発生する場面にて、多くの課題が発生している。お客様対応業務は、商品の加入前、加入後のアフターフォローの大きく2つに分類される。一方で顧客視点から分類すると、顧客からの連絡、顧客への連絡、顧客対応、フィードバックの4つだ。この4つの領域におけるコミュニケーションで課題が発生し、どのように解決したかを事例とともにご紹介する。

解決事例1.顧客からの対応:入電対応の効率化

新型コロナの影響による人員減にも関わらず、入電数は増加傾向にあり、繁忙期の入電数急増も課題だ。1つ目の事例の少額短期保険ハウスガード様は、大東建託グルーブの少額短期保険として、賃貸物件の入居者様やオーナー様に保険サービスを提供している。近年は災害発生時にコールセンターがひっ迫し、顧客対応が遅れてしまうことに課題を感じ、ビジュアルIVRとSMSを導入した。問い合わせ時に回線が埋まっていた場合にSMSを送信する。お客様がリンクをタップするとビジュアルIVRページヘ遷移し、事故対応受付やFAQサイトへの移動、折り返し連絡受付が可能だ。災害時の繋がらない状態をなくすことでお客様に安心感を伝えられ、コンタクトセンターのひっ迫解消や従業員負担軽減にも繋がった。

あふれ呼時にビジュアルIVRへ誘導することで、適切なサイトコンテンツへ誘導し、Webで自己解決を促すことができる。時間外対応(24時間365日)で利便性も向上する。住所変更などよくある手続き、事故受付、折り返し電話予約といったメニューへの簡易導線としてビジュアルIVR×SMSを採用いただいている。

2つ目の事例は東京海上日動あんしんコンサルティング様で、大学生向け損害保険で導入いただいた。毎年3月は電話の問い合わせが一気に増えてしまうこと、電話受付後の業務量も膨らみやすかったことなどが課題であった。導入後はSMSで損害保険の請求受付用URLを自動送信することで、Webからの請求率が約30%アップし、繁忙期でもスムーズな顧客対応が実現した。Webでの請求情報は自動でExcelに転記できるため、入力作業時間も短縮された。

解決事例2. 顧客への連絡:コンタクトの効率化

電話や郵送物で保険申込者や事故被害者と連絡を取ろうとするも、なかなか連絡が取れないことも多い。電話に出てもらえない、メールは開封されない、郵便物も見てもらえないことが課題だ。

こちらで紹介する事例はジェイアイ傷害火災保険様で、旅行者向けに保険サービスを提供している。保険手続きを進める際の電話になかなか出てもらえず、迅速な保険金支払いができないことが多くなっていた。お客様の都合がよい時間帯での対応が難しい、電話でメールアドレスなどを伝える際に正確に伝わらないことがあるといった課題もあった。SMS送信の導入後は、お客様からの電話折り返し率が1割から4割に向上し、迅速な保険金支払いが可能になった。レスポンスのスピードも上がり「言葉に加え、文字でも情報を伝える」ことで受取手が抱く安心感を実感。お客様の都合の良い時間帯で連絡が取れるようになった。

次の事例は三井ダイレクト損害保険様で、以前から顧客接点のデジタル化を推進しており、新たなサービスを模索していた。お客様と連絡が取れないことも多く、より反応率の高い連絡手段が必要だった。電話やメールに加えて空電プッシュの活用により、スムーズな対話を実現。必要書類の返送率も45%から80%と大幅にアップした。毎月のSMS送信数が約1万2000件となり、スムーズにお客様と事故後の連絡が取れるようになった。

解決事例3. 顧客対応:状況把握や商談の効率化

顧客対応では、災害発生時の損害調査や販売時の商談において、人員リソースの問題ですべての現場や商談に出向くことができない。また電話対応だけでは、お客様の状況がわからず時間がかかってしまうのも課題だ。

あいおいニッセイ同和損害保険様は近年の自然災害の増加により、保険金の請求が短期的に集中。迅速な請求金の支払いとともに、日常的な業務にも大きな影響が出るという課題を抱えていた。損害を判定するために調査が必要だが、コロナ禍での移動・対面によるリスクもあった。そこで導入いただいたのがビデオ通話とSMS送信の組み合わせで、お客様にスマホのアウトカメラで損害状況を映していただき、ビデオ越しに確認できる。お客様にはSMSのURLをクリックしていただくだけなので「使いやすい」と高評価もいただいた。導入効果として、鑑定人が訪問不要になり移動時間が削減され、保険金支払いの必要日数も短縮された。

解決事例4. フィードバック:顧客からの声収集の効率化

顧客からのフィードバックに関しては、コンタクトセンターの対応品質を向上させたい、アンケートの回収率が低いといった課題がある。明治安田生命保険様はコンタクトセンターとは別の部署が年に1回、郵送でアンケートを行っていた。しかし、サービスに関する50項目のうち、コンタクトセンターに関する項目は5つしかなく、顧客満足度を把握するための情報量として不十分だった。対面アンケートではお客様が気を使い、結果が上振れてしまう懸念があり、客観性の保たれた”リアルな声”を集める必要があった。

そこでSMSでWebアンケートを送ることで、高い回収率を実現した。入電の翌営業日に、対象のお客様にSMSを一斉送信し、お客様はリンクを開いて専用フォームで回答する。日々の問い合わせの25%にあたる500~600人が対象で、そのうち20%の方がアンケート回答に協力いただき、日々100件以上の回収ができた。入電データと紐づけできるため、詳しい分析も可能になった。最新のアンケート結果では満足度が82%と非常に高く、オペレーターのモチベーションアップにも繋がった。訪問型サービスの満足度調査にも横展開し、50%超の非常に高い回収率を実現している。

もう1つの事例は三井住友海上火災保険様で、事故受付後のお客様へ現状をお尋ねするために、電話や文書でコンタクトしていたが、電話はつながらないことが多く、文書はお客様の負担が大きいという問題があった。WebアンケートとSMS送信の連携システムを導入し、お客様の都合の良いタイミングで、手軽に回答いただけるようになった。アンケート回答率も45%超と高い数値になっている。

NTTコム オンラインのコンタクトセンター向けSMSソリューション

顧客からの対応のフェーズでは、入電対応の効率化にビジュアルIVRが適している。顧客への連絡では、SMS送信サービス「空電プッシュ」によりコンタクトの効率化を実現する。顧客対応ではビデオトークにより、状況把握や商談の効率化に繋がる。フィードバックではWebアンケートとSMS送信の組み合わせにより、顧客からの声収集の効率化が可能だ。

◆講演企業情報
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社:https://www.karaden.jp/contactcenter/

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