「導入成功した400社が効果を実感したボット活用
~電話の呼量削減と効率化を生むDX実現のポイント~」
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【講演者】
- モビルス株式会社
執行役員
柏原 学 氏
<人を中心としたDXを推進>
DX実現に向けてAIシステムやデジタル化ツールを導入しても、そのシステムの管理やメンテナンスに人的コストが増えては効率化の意味がない。
本格的な業務効率化を図るなら、人を中心に置き、定型的な業務を自動化して負担を軽減することで、意志決定や感情によりそう「人」にしかできない業務をサポートするDXが主流になるだろう。
こうしたDXを実現させるため、モビルスでは業務負担が増えないように「負荷の少ない仕様」を検討しながら、ユーザー視点でプロセスを洗い出して現状を把握。人がやらなくても満足できるプロセスをボットに任せて自動化、その範囲を広げることでCX向上とROI(費用対効果)の両方を実現していく。
<顧客対応におけるDXの成功事例にみる活用のポイント>
モビルスの400社におよぶ実績の中から、金融業界の事例だけでなく、参考にできそうな他業種の事例も交えチャットボット「MOBI BOT」やボイスボット「MOBI VOICE」を活用したDX事例をいくつか紹介していく。
<チャットボット「MOBI BOT」による定型手続き業務の自動化>
チャットボットは大別すると2タイプある。よくある質問など類似回答が多い処理に強い「シナリオ型」と、幅広い問い合わせに対応できるが学習に時間のかかる「対話型」だ。
生保・損保業界は定型化しやすい業務比率が高いので、定型業務を把握し、自動化やノンボイス化、ロボット化を図るアプローチが取り組みやすい。
モビルスが提供するチャットボット「MOBI BOT」では、主に定型業務をシナリオ型のチャットボットで自動化することにフォーカスして導入実績を上げている。現場の課題解決に大きく貢献した事例をいくつか紹介しよう。
●大手ネット銀行の導入例「チャットボットで住所変更自動受付サービス」
顧客からの住所変更手続き依頼をチャットボットで受付。現住所や氏名の記載による本人確認処理を行い、変更後の内容を入力するというシンプルフローで手続きを実現。ログインIDやパスワードを失念していても、コンタクトセンターの受付業務時間外でも、住所変更の手続きが24時間可能になる。
●ペット保険を提供する損害保険会社の導入例「LINE上で保険金請求の手続き自動化」
従来は保険金請求のためには請求用の書類を取り寄せ、記入後に郵送するという流れで処理。手書きの請求書を処理するため、保険金支給まで1~2週間の時間を要していた。
LINEアカウントから手続きを行うことで、請求手続きを簡素化。チャット形式で診断書、症状、日付や金額などの必要情報を入力することで、請求申し込み処理が完了する。今では、LINEからの請求比率が50%以上となり、顧客満足度も向上した。
●少額短期保険会社の導入例「LINE上で保険金請求の手続き自動化」
バックエンドの顧客管理システムとリアルタイムに連携することで、請求手続きの完全自動化を実現。書類での手続きだと最短6営業日かかっていた請求申し込みが、LINEを活用することで最短15分程度に大幅短縮。請求受付から支給まで約半分の日数で対応可能になった。
●ECサイトでの導入例「チャットボットで問い合わせ対応」
商品紹介ページ内に、チャットの小窓を用意して、頻出する問い合わせに関してはチャットボットで、商品の問い合わせは有人対応することで、顧客満足度に貢献。
会社の規模が成長と比例して問い合わせ件数は増えていくと想定されるが、チャットボットで問い合わせ総数の60~80%を吸収し、有人による応対数は31%の削減効果を果たした。
●周辺機器メーカーでの導入例「WebとLINEでの問い合わせ対応」
チャットボットで事前に問い合わせの内容を振り分けした後、有人チャットへ誘導。有人チャットはオペレーターとエンドユーザーが1対6の体制で同時対応。入電数も40%減少。解説動画URLの案内や、画像送付してもらってトラブル環境を確認するなど、的確な対応が可能になった。その結果、入電数、電話の待ち時間は大幅に減少。電話応答率は30%から90%へと上昇、顧客満足度は大幅に向上した。
●通信教育会社へのPoC事例「セキュアな入力機能によりチャットサポートで個人情報が必要な対応も可能に」
これまで、チャットサポートでは個人情報を扱う内容は対応できなかったが、Secure Path(セキュアパス)を導入することで、より厳密なセキュリティ基準である「PCIDSS」に準拠した個人情報保護を実現。個人情報はタイムラインに残さず、ポップアップされる専用フォームに入力して暗号化された形でセキュアに格納されるためチャットサポート内で本人確認やクレジットカードの取り扱いも可能になり、できることが限定的だったチャットサポートの対応可能領域が大きく広がった。
初期フェーズでは本人確認のプロセスに入るまでは有人オペレーターが応対していたが、有人チャットの応対もチャットボットに置き換えての自動化を図ると、利便性を維持しながら25%の対応効率化を実現した。現在はPoC実施中の段階だが、今後の利用意向95%、顧客満足度95%という高い評価を獲得。さらに、手続き業務全体の自動化も見据えて実務検証を進めている。
<ボイスボット「MOBI VOICE」による電話応対の自動化>
ユーザー意識調査によれば、未だ4割以上のユーザーは問い合わせに電話を利用するものの、解決するのであれば有人オペレーターの応対でなくてもいいという意見が68%に上っている。
人でなければ答えられない問い合わせ以外の、定型的な応対はボイスボットを活用することで次のような効果が期待できる。
・よくある質問や問い合わせはAIやシナリオ型チャットボットで自動回答
・有人回答が必要な電話だけをオペレーターに転送することでピーク時の電話応対を効率化
・自動応答シナリオを用意することで、24時間365時間稼働
・最大1000件が同時着信しても、自動アナウンスの応対は可能
●少額短期保険会社での導入事例「ボイスボットによるあふれ呼対策」
営業時間外の応対やあふれ呼の対策として、事前に用件を自動でヒアリングできるように、ボイスボットを導入。問い合わせ内容を分岐させ、新規申し込み検討のための資料請求や契約者情報の変更などは自動応答シナリオを活用して、コールセンターのあふれ呼を改善。
その結果、資料請求受付では途中離脱が減少し、契約者の情報変更ではボイスボットでの対応完了率が3.5倍に増加するなど、導入後数カ月で効果を発揮している。
●生命保険会社での導入事例「ボイスボットで控除証明書再発行の受付け」
年末から確定申告時期に急増する生命保険控除証明書のはがきや封書の紛失による問い合わせに、ボットボットを導入。再発行が必要な人からの申し込みを自動で受け付けることで、再送業務が効率化された。
「MOBI VOICE」の特徴として、問い合わせ相手が話した内容は音声認識により自動的にテキスト化されログとして保存。携帯電話のSMSに届いたURLから内容を確認し、氏名の誤変換などの間違いがあれば訂正できる仕組みだ。導入検討者向けに、音声認識や合成音声の精度を確認するための、ヒアリングデモも用意しているので気軽に相談して欲しい。
<モビルスが提供するソリューションの3つの強み>
モビルスでは、テクノロジーの力を活用し、幅広い製品群で顧客サポートの課題解決を支援している。コンタクトセンター向けSaaSプロダクトとして、MOBIシリーズを展開し、CXソリューションを提供している。製品提供に留まらず、3つの強みを整備してソリューションを補強。上流から下流まで「顧客サポートのグランドデザイン」を最適に実現する。
●強み1:柔軟なカスタマイズが可能な開発チーム体制
クライアントがすでに導入しているシステムや運用に合わせて、自社ソリューションをつなぎ込んでいくようなカスタマイズが可能。
●強み2:「カスタマーサクセス」の思想で顧客の成果に伴走
事前に顧客の課題やニーズをヒアリングして最適なソリューションを提案。導入時には、機能を自在に使い込めるような運用トレーニングを実施。導入後はオペレーションや効果を確認しながら改善提案を行うなど、導入から運用まで顧客に寄り添いながら伴走するチーム体制を整備。
●強み3:自社ソリューションの機能を拡張する外部連携
チャットシステムや電話の自動応答などの自社ソリューション群は単体としてだけでなく、Web接客の行動履歴、FAQ機能、対話型の一対一のチャットボット、顧客管理システムなどのパートナーとのシステム提携で拡張でき、効果を最大化できる。
電話対応を減らしたい、顧客対応業務の効率化と自動化が急務である、チャットボットやボイスボットを導入したが効果が出ない、といったお悩みがあれば気軽に相談して欲しい。
◆講演企業情報
モビルス株式会社:https://mobilus.co.jp/